ペリネイタルケア
Volume 27, Issue 4, 2008
Volumes & issues:
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特集
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- 明日の仕事に自信がつく シチュエーションで学ぶはじめての助産業務
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場面(1) はじめての問診
27巻4号(2008);View Description Hide Description新人助産師がはじめて問診を行うときは,どのような方法や順序で情報収集を行えばよいのか戸惑うことが多い.また,問診の際に,いま一番必要としている情報は何なのか,自分が聞いている情報は重要なものなのかなど,新人助産師にとっては捉えにくいこともある.さらに,問い詰めるような尋ね方になってはいないか,答えにくい聞き方をしていないだろうかなどと不安を抱くこともある. -
場面(2) はじめてのマイナートラブルへの対応
27巻4号(2008);View Description Hide Description新人助産師は,はじめて妊婦に保健指導を行うとき,説明する内容に気をとられやすい.緊張するあまり妊婦の反応を確認できず,そのため一方的な保健指導になりやすい. また,マイナートラブルは妊婦によって症状や訴え方が違う.感じ方も違うため,軽症から重症までさまざまであり,症状軽減へ向けてのアドバイスがしづらいものもある.妊婦の訴えに応じてどのように話を聞けばよいのか,また,妊婦の生活スタイルに合わせてどのようなアドバイスが必要なのかをタイムリーにアセスメントしながら,妊婦の個別性に沿った保健指導ができるようになることが望ましい. -
場面(3) はじめての健康生活支援
27巻4号(2008);View Description Hide Description新人助産師は,看護実習で妊娠初期の妊婦を診る機会が少ないため,それだけで緊張しやすく,保健指導に不安を抱きやすい. どのような順序や方法で話を聞いていけばよいのか,またどのような生活指導を行えばよいのか,妊婦に何をアドバイスすればよいのか,幅広い質問に対して自分は答えられるのかなどの不安があり,保健指導時に戸惑いやすい. -
場面(4) はじめての分娩介助
27巻4号(2008);View Description Hide Description入職後はじめて担当する分娩の進行状況の観察と介助であり,実習から時間が経過していることもあって,新人助産師は非常に緊張している.情報収集はどこから行えばいいのか,優先的にまず何を情報として得ていなければならないのかがわからない状況にある. この状況に陥っている新人は,産婦の状態に合わせてどのタイミングで胎児心音聴取やCTG モニタリング,内診を行うかの判断ができない.また慣れないため,必要物品や周辺の準備(インファントウォーマー,酸素,吸引など)をとにかく早めに整えておこうという気持ちが強い. 状況に振り回されると,経過の詳細な記録がタイムリーになされない可能性がある. -
場面(5) はじめての患者担当
27巻4号(2008);View Description Hide Description学生の頃の臨地実習では,一人の患者の受け持ちしか行わず,また,助産実習では分娩介助を中心とした実習が主である.助産師になっても新人の頃は,妊婦や褥婦を一度に複数受け持ったりすることの経験が少ない.学生の頃とは違って業務に就いたとたんにいままで受け持ったことのない複数の患者担当を任されることが,新人助産師にとって脅威であり問題となる. -
場面(6) はじめての沐浴指導
27巻4号(2008);View Description Hide Description新人助産師がはじめての沐浴指導を行うとき,緊張のあまり,型どおりの沐浴の手順や母親の手技にばかり気が行ってしまい,個別性のある指導ができない.母親自身もはじめての経験のため,赤ちゃんを落とさないか,具合の悪いサインが自分にわかるかどうかなど緊張や不安が大きい.沐浴の手順や手技だけに集中するのではなく,母親の緊張が少しでも和らぎ,沐浴に対する恐怖心が薄らぐよう助産師自身が自信を持って指導していかなければならない.そして自宅での沐浴場所や沐浴時間,誰が中心になって入れるのか,手伝う人はいるのかなど,個人の情報を聞き出し,それに合わせた指導ができることが望ましい. -
場面(7) はじめての早期授乳介助
27巻4号(2008);View Description Hide Descriptionはじめての分娩介助後は,胎盤の計測や分娩時に使用した器具類の後片付けなどに意識が集中してしまいがちである.また,早期に授乳することが大切だと思うあまり,母体が安全な状態であるかどうかについて,アセスメントが十分でない場合もある. さらに,座位で行う授乳についてはイメージできるが,臥床したままでの授乳をどのように援助したらよいか戸惑うこともある.そして,授乳介助中は児を上手に吸着させることに気を取られがちになり,母児の全身状態,安全に気を配ることがおろそかになりやすい. -
場面(8) はじめての授乳介助
27巻4号(2008);View Description Hide Description新人助産師が授乳介助を行うとき,児が正しく吸着・吸啜できるための指導に集中してしまいがちである.母親の母乳栄養への希望や退院後の生活スタイルを踏まえて退院後のことを見越した指導にまで及ばないことがある.授乳を開始したところから,退院に向けた指導を行っていくことが望ましい. また,新人助産師は自分が担当している時間内の母児の状態だけにとらわれやすく,その後の母児がどのように変化していくかについて予測することが難しい. -
場面(9) はじめての産褥ケア
27巻4号(2008);View Description Hide Description産褥期における一般的な観察項目はわかっていても,分娩期の状態によってどんなことに注意しなければならないのかなど,個別性を踏まえたアセスメントが難しいことが多い. -
場面(10) はじめてのバースレビュー
27巻4号(2008);View Description Hide Description新人助産師がマタニティーブルーズの褥婦にはじめてかかわる場合,学生時に学習はしているものの自分が適切な対応を行えるか大きな不安を抱く.未熟な助産師である自分のかかわり次第で,かえって褥婦の不安を助長してしまうのではないかという心配も抱えながらの対応になる. -
場面(11) はじめての新生児ケア
27巻4号(2008);View Description Hide Description新人助産師は,新生児の出生直後の場面に遭遇すると何を優先してケアすればよいのか戸惑ってしまう.状態観察→計測→コット移床というおおまかな流れは理解できていても,緊張によってどんなことに配慮すればよいのかを忘れてしまうことが少なくない.また,分娩時の胎児心拍の状態によっては出生直後の新生児に緊急時の対応が必要になってくることもある. -
場面(12) はじめての夜勤
27巻4号(2008);View Description Hide Description新人助産師は夜勤に対し,さまざまな不安を抱えている.まず一つに,生活リズムがこれまでとまったく変わってしまうことがある.普段は寝ている時間である夜間に起き続けていられるか,また,眠さにより思考力が落ちてしまわないか,集中力を保ち続けることができるのかなどである.さらに,夜間に働くことに対する身体的な負担などへの不安を持っている.通常,夜勤に入るための準備では,日中に眠るなどして休息を取ることが多い.しかし,日中にしっかり眠ることができるのか,どのくらいの時間を睡眠に費やし活動はどの程度行ってよいのかなど,夜勤前の過ごし方がわからないといったことを多くの新人助産師が話している.
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連載
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- 何がわかる? どう使う? 画像でみる産科学
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第11 回 子宮頸管無力症
27巻4号(2008);View Description Hide Description子宮頸管無力症(以下,頸管無力症)は,「妊娠16 週頃以後に見られる習慣流早産の原因の1 つである.外出血とか子宮収縮などの,切迫流早産徴候を自覚しないにもかかわらず子宮口が開大し,胎胞が形成されてくる状態である」と定義されています1).従来,頸管無力症は,妊娠中期以降の流早産歴とその経過により診断されていました.しかし実際には,既往歴がない場合でも患者が何らかの異常を自覚して来院したときには,すでに子宮口が開大し胎胞を腟内に認めることも少なくありません2). 近年,超音波検査,とくに経腟法により子宮頸管の形態や子宮頸管長(以下,頸管長)の計測が行われるようになり,頸管無力症の早期診断や,早産の予知への寄与が期待されています(超音波画像①,②). - NEW 新たな視点で学ぼう! 分娩直後のカンガルーケア 〜Birth Kangaroo Care;BKC〜
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第1 回 総論:なぜいま,カンガルーケア(BKC)が必要なのか?
27巻4号(2008);View Description Hide Description分娩直後のカンガルーケアにはさまざまな利点があり,すでに実施している施設は多いと思いますが,いまだ手探りで行っているところもあるのではないでしょうか? 母児を,家族を,そして医療者を「つなぐ」という分娩直後のカンガルーケアのもう一つの役割も含め,その実際を学びましょう. - 使える! 助産ケアのエビデンス
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第16 回 分娩期に分娩監視装置による持続的な胎児モニタリングは必要か?
27巻4号(2008);View Description Hide Description読者の皆様,こんにちは.るかデンス研究会です.臨床において慣習的に行われているルチーンを見直したり,新しいケアを提案したり,実践の変革を目指したとき,どのようにアプローチしていますか? 本連載では文献的検討によって,助産師をはじめ周産期に携わる医療者が日々のケアにおいて活用することができる助産ケアのエビデンスを紹介します.エビデンスを臨床で応用し,日々のケアの向上を目指しませんか? - “災い転じて福となす”で妊産褥婦との信頼関係構築を目指す クレーム対応相談室
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第4 回 介助の助産師が頼りない
27巻4号(2008);View Description Hide Description多くの妊産褥婦やその家族と接する以上,クレームを受けることもあるはずです.とくに産科では,妊産婦や家族の「安全に出産できて当然」という考えのもと,特有のクレームが寄せられるのではないでしょうか.さまざまな事例をもとに,クレームを妊産褥婦との信頼関係構築のチャンスに転じる方法を学びましょう. - 守る 鍛える 骨盤底筋群の再訓練法 フランスで発達した産後ケア
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第4 回「ド・ガスケ・アプローチによる骨盤底筋群の保護(前編)」
27巻4号(2008);View Description Hide Description「会陰部再訓練法」という言葉は,日本では聞きなれませんが,フランスでは産後のケアとしてたくさんの女性が行っています.この訓練には,弱った産後の骨盤底筋群の力を回復させる働きがあり,尿漏れや性器脱,性交痛などのセンシティブな問題を抱える多くの女性の悩みに応えるものです.周産期医療に従事しているからこそ重要なこのケア.まずは知ることから始めましょう! - 読んで即実践できる! 助産師が行う性教育講座
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胎児の成長
27巻4号(2008);View Description Hide Descriptionいま,10 代の人工妊娠中絶や性感染症が大きな問題となっています.そんな子どもたちに「性」と「命」の大切さを伝えるために,学校での性教育講座を始めている助産師の皆さんも多いのではないでしょうか? 学校との交渉の仕方やより効果的な授業の展開方法を,「いのち語り隊」のメンバーから学びましょう - これからのペリネイタルケア vol.1 地域周産期医療システムの再デザイン
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第10 回 産科施設のない市での助産院構想 —モバイル胎児心拍伝送装置システムを主軸とした助産院開設まで—
27巻4号(2008);View Description Hide Descriptionピンチが生んだチャンスを生かす岩手県における取り組み産婦人科施設の相次ぐ閉鎖や産婦人科医師不足が取りざたされています.そのような中,岩手県では産む場所を探すお母さんたちのため,地域周産期システムを再デザインし,助産師と医師が協働する体制を構築しています.岩手県におけるさまざまな工夫から,安心・安全・安楽なお産へのヒントを見つけてみましょう! - 助産婦の歴史(296)
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近代の助産婦(その266)
27巻4号(2008);View Description Hide Description本連載では,村松志保子について,墓誌を含みこれまで書かれたものを私自身の考証によって訂正したり,改めたりした箇所がかなりある.将来村松志保子に関する知見が増加すれば,これらの中にもまた訂正されるものがあるかもしれない.「明治・大正の産婆・村松志保子」の項を終了するにあたり,全編要約の中でこれらの箇所に触れておきたい.
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エッセー・読み物
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- Perinatal Food plan
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vol.4「ビタミンC 編:鯛と春キャベツ,豆苗の軽い煮込み」(レシピはp.57)
27巻4号(2008);View Description Hide Description野菜や果物に含まれるビタミンCは、ウイルスや細菌に対する抵抗力を高め、風邪や感染症を予防する働き以外にも、ストレスを和らげたり、鉄の吸収を助けたり、血中コレステロールを下げたりと、さまざまな役割を果たしてくれます - ちょっと脱線 思い出鉄道紀行
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「筋金入りの“ 鉄” の山陽本線撮影行」
27巻4号(2008);View Description Hide Description日々の仕事に追われ,忙しい読者の皆様,たまにはちょっと脱線して,旅に出ませんか? 鉄道好きの産科医,助産師が案内する,心を癒す鉄道紀行です. - いまでも使えるそのエッセンス 未来に伝えたい産育習俗
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第7 回 宮参り
27巻4号(2008);View Description Hide Description宮参りは,その土地の守り神である産土神に赤ちゃんの誕生を報告し,健やかな成長と長寿を祈る行事です.参拝の時期は地方によりさまざまですが,生後30 日頃に行うところが多いようです. - 遠き国より
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マダガスカル シスター牧野からの手紙(20)
27巻4号(2008);View Description Hide Descriptionアフリカ・マダガスカル,アベマリア産院で働く助産師,シスター牧野幸江さんから,助産師,上林文子さんへの手紙を掲載しています.
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施設レポート
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- わたしのまちのいきいきスタッフ vol.80
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財団法人田附興風会医学研究所北野病院産婦人科(大阪市)
27巻4号(2008);View Description Hide Description「クオリティの高いお産」と「ハイリスク対応」を掲げ,水準の高い医療を提供する北野病院産婦人科.院内ではスタッフ間の連係が密にとられ,母児にとって「よいお産」を目指す取り組みが行われている.