オペナーシング

麻酔の種類によって，準備するものが異なりますが，基本的に生体に侵襲を加えるので，それらの変化に対応できる道具を準備しておきます．呼吸抑制に対して，酸素はもちろん，気道を確保するための道具として，気管挿管に必要な喉頭鏡・気管チューブ，エアウェイ，ラリンジアルマスクなどです．また，どのような麻酔を始める前にも，静脈路を確保しておきます．麻酔薬の作用で急変があった時に，すぐ対応できるようにするためです．

心電図，血圧計，パルスオキシメータを装着し，血圧，心拍数，不整脈の有無，ST 変化，空気呼吸下での酸素飽和度を確認しましょう．

手術が終了すると麻酔科医は麻酔薬の投与を停止し，酸素化して患者の覚醒を待ちます．亜酸化窒素（笑気）を使用した場合，麻酔終了後，血中の亜酸化窒素が肺胞中に拡散することによる酸素分圧低下（拡散性低酸素症）を引き起こすため，麻酔終了後は酸素を吸入させます．

患者氏名および手術部位を確認します．酸素を要する時は麻酔器などをセッティングします．　輸液残量を確認しましょう．残量が少ない場合は次の輸液の接続に備えます．術中に鎮静希望のある患者に対してプロポフォールなどを使用したり，昇圧薬使用の可能性もあるため，シリンジポンプも準備しておきます．

硬膜外麻酔の効果が不十分な時や，麻酔領域の予想外の広がりによる呼吸抑制，局所麻酔薬中毒，カテーテル穿刺困難などの理由により，人工呼吸や全身麻酔が必要になる可能性があるため，すぐ対処できるように事前に準備しておきます．　患者入室後，まず血圧計，心電図モニター，パルスオキシメータを装着し，バイタルサインのチェックと血管確保を行います．

今月のポイントはコレ！①担当患者の術前アセスメントを行い，器械出しとしての看護計画を立てる．　担当患者の年齢・体格・既往歴・現病歴（開腹などの手術歴）をアセスメントし，出血量増加・術式変更の可能性を考え，器械やガーゼなどを準備しておく．②必要物品を準備し，滅菌の確認を行う．　手術に必要な器械が不足なく準備されているか，滅菌が正しく完了しているか，滅菌期限が切れていないか，包装が破損していないかチェックする．③器械展開に適した環境で，清潔に展開する．　術後感染を予防し，感染による患者の体力の消耗を最小限にするために，器械展開には清潔操作の厳守が必要である．④物品は使いやすいように整然と並べ，確実にカウントしておく．　器械リスト表と照らし合わせ，器械・ガーゼをカウントする．器械に破損やねじの脱落などがないか，使用できる状態であるか確認する．単品類は，できるだけ1 カ所に置いておくと，カウントの際に管理しやすい．術野に近い器械台には，最も使用頻度の高い器械を置くスペースを作ると便利である．

今月のテーマのポイント　1. 内視鏡手術機器の術前点検について知ろう．2. 精密な機械であることを知ろう．

「この情報って，根拠はあるのかな？？」と思ったことはありませんか？　でも，一から根拠＜エビデンス＞を探すには，時間も手間もかかり，なんとなくそのまんま……そんなあなたのために，本連載は，根拠を示し，ナースが注意すべきポイントと質問をまとめました．明確な根拠に基づいた麻酔の知識を得て，ステップアップしましょう．

「合併症にLC がある」といわれたら，何を思い浮かべますか？潰瘍性大腸炎の略語は？ ちなみに子宮収縮も同じように略します．

■に入る言葉を考えよう！何をする器械？①■を開いて術野を確保する時に使用します．開胸器はレバーを回して横にスライドさせるバースライド方式が一般的です．胸骨切開の時には，胸骨切開用の開胸器があります．

麻酔機器の洗浄と処理は，すべての手術と侵襲的処置が行われる部門で適応されるべきことがらである．麻酔機器は，微生物の伝播を媒介する可能性がある—感染リスクを有する—と考え，米国麻酔科学会（ASA） や米国麻酔看護師協会（AANA）が推奨しているSpaulding の基準（表1）を採用している．

今回は事例研究についてご紹介します．手術看護に関する研究は毎年たくさん行われていますが，事例研究は少ないように思います．しかし，「看護の原点は事例にある」といっても過言ではないでしょう．手術看護の質の向上のためには，事例が研究的に紹介されることが大事ではないかと考えます．

2006 年4 月の診療報酬改定で7 対1 入院基本料（以下，7 対1 看護）が新設され，その結果，算定要件を満たすためにどの病院も新人看護師の獲得に奔走して，争奪戦が起こった．7 対1 看護が実現するなかで，病棟では各勤務帯を通じて手厚い看護配置が進んでいる．

新人ナースの亜紀は，オペ室にて大奮闘の毎日．本日もやる気満々で仕事に邁進中！！

手術室において外回り看護を行う際，いかなる状況に対しても迅速な対応が求められる．そのためには，知識・技術を習得することも重要であるが，それに併せてどのような状況にも対応できるよう，常に必要な物品を携帯しておくことも大切である．　しかし，手術室内での服装は軽装でポケットの少ないものが多いことから，携帯する物品が不十分になってしまう．そこで今回，介助の効率化を考慮して外回り看護師用ウエストポーチを考案，作製に至ったのでここに紹介する．

綾部市の自治体立病院として，地域医療の発展に貢献している綾部市立病院．新生児から高齢者まできめ細やかな対応を行う同院は，地域住民からの信頼も厚い．看護スタッフと医師とのコミュニケーションを大切に，患者さんに温かな看護を提供している同院手術室を訪ねた．

手術看護認定看護師の教育は，2004 年の10 月に東京女子医科大学看護学部認定看護師教育センターにおいてスタートした．それから3 年を経た2007 年度，手術看護認定看護師86 名が誕生するに至った．この間における手術看護認定看護師の活躍はめざましいものがある．

ベアテ・シロタ・ゴードンは，山田耕筰の招聘で東京音楽学校に赴任した父レオ・シロタに伴い，5 歳の時に来日，15 歳まで日本で暮らした後，米国に留学，終戦を迎えた．1945 年，GHQ 民政局のスタッフとして再来日．通訳として活躍するとともに，22 歳の若さで日本国憲法草案の人権条項作成に携わり，女性の権利を明記することに尽力した．

自施設では，毎年10 〜 15 名の新人を受け入れており，現在ではスタッフの半数以上が1 〜 2 年目のスタッフで占められ，新人教育に多くの時間を費やしています．新人が多いため，すべての新人に同じように経験させることができなかったり，教育するスタッフの人数が少ないため，場合によっては2 年目のスタッフが指導を行うなど，指導する側も不安を感じながら教育を行っているような状況です．　認定教育を受けて自施設に戻ってからは，現状を改善する方法について考え，まず第一に誰でも同じように教育ができるように，手術室看護業務を明文化することが必要だと考えて手術室看護業務手順書（以後，手順書とする）の作成を開始しました．