オペナーシング

整形外科の手術介助の鉄則1） 整形外科の手術は，骨折の接合術，人工関節置換術，脊椎固定術などの多くの手術で金属やセラミックなどの人工的な素材で作られた手術材料が使われるようになっている．手術を円滑に短時間で終えるために，それぞれの手術器機の取り扱い方や手術の手順をあらかじめ覚えておくべし．2） こうした人工物が埋め込まれた部位に感染が起きると治療は難しく，最終的に人工物を抜去せざるを得ないこともある．清潔操作に特に気をつけることや，クリーンルームなど手術室の環境整備も重要と考えるべし．

消化器外科の手術介助の鉄則1）消化管切除により不潔操作が加わるため，清潔・不潔の区別をしっかりすべし．2） 消化器外科領域では，切除・リンパ節郭清・再建などのさまざまな手術操作が含まれていることから，術式を十分把握すべし．

脳神経外科の手術介助の鉄則1） 脳神経外科手術の開頭・閉頭時は術野が比較的狭いため，介助ナースが術野の展開を直視下に捉えることが困難な場合がある．そのような場合でも適切な介助を行うために，開頭・閉頭の手順を十分に理解しておくべし．2） 手術顕微鏡下の手術時には術野の展開を常にモニターで確認しながら，術者の意図を理解した介助をすべし．

心臓外科の手術介助の鉄則1） 心臓手術の多くの手技は定型的であり，図1，2 に示すように，一段ずつ階段を上って目的とする操作を行い，再び一段ずつ下りていくことを理解すべし．順調な場合には，準備する物は決まっているのでリズムを崩さない．2） 必要になる器具・器械を臨機応変に認識する．術中の状況によっては大きな方針変更もある．人工心肺を用いない冠動脈バイパスは，血行動態悪化によっては人工心肺使用に変更される．術野や状況をよく観察することで次の一手を読み，素早く対応すべし．

内視鏡手術の手術介助の鉄則1） 内視鏡外科手術は「具術」といわれ，特殊な器械や器具を多用するため，手術介助者は，器械・器具の取り扱いなどの知識や管理技術を習得すべし．2） モニター画面上に拡大された二次元的な術野を，手術参加者全員が同一に観察できる特徴がある．これにより，介助者も術者と同じ目線で手術の進行を把握でき，使用器械の選択や助言も可能となる．手術操作は動画として保存できるため，これらを教材として技術向上などの教育に利用すべし．

　日本医療機器学会は，「医療機器安全管理責任者」や「医療機器情報担当者」を対象として，医療機器全般にわたる広範囲な知識修得と，安全性情報について円滑な情報交換ができる資質向上を目的に，「医療機器情報コミュニケータ（MDIC）認定制度」を創設した．MDIC 認定者が医療スタッフと製造販売業者の双方に増え，医療機器の事故防止や不具合情報の収集などでコミュニケーション能力を発揮し，迅速で効果的な医療機器の安全確保に繋がることが期待できる．

「医療機関等における医療機器立ち会いに関する基準」が制定されて，2008 年4 月より医療機器メーカーや納入業者による医療現場での「立ち会い」の制限が実施された．これにより，医師法や労働者派遣法などの関連法規に抵触する業務が規制され，医療機器流通の適正化の観点からも透明性が確保されるようになった．一方，医療現場においては，人員調整や省力化・無駄を省く努力を行い，これまで業者によって行われていた「立ち会い」業務を医療従事者の業務として移行してきた．医療機器の高度化が進むなかで，医療従事者に求められる知識や業務は増加の一途をたどっている印象があるが，医療の安全性が損なわれないようなシステム作りや環境整備も重要である．

本連載は，日常的に繰り返す重要な手技を，動画により近い細かなコマ送り写真とともに解説します．文章で読んでもわかりにくい動きをくわしく紹介するので，皆さん，「まだあやふやな手技」や「慣れから気が緩んでしまいがちな手技」をもう一度見直してみてください．

手術前日，あなたはどのように最終確認をしますか？ ここに，先輩看護師の皆さんのメモがあるので，ちょっと覗いて学習してみましょう．このメモで手術をおさらいし，より質の高い器械出し・外回りにつなげてください．

手術適応の拡大や高齢化社会に伴い，さまざまな基礎疾患を有する患者の手術が多くなってきています．術前情報収集の中で，患者の基礎疾患を知ることは円滑な手術看護の鍵になります．この連載では，手術室看護師が押さえておくべき基礎疾患について，知識を整理し，日頃の看護実践につなげてもらうことを目的としています．疾患のしくみや術前の情報収集，術中の観察ポイントなどをまとめてありますので，一緒に学んでいきましょう．

「手術室のスタッフは，ほとんどが20 歳代で元気はつらつとしていますね」と岩田聡子師長が話すとおり，関西医科大学附属枚方病院手術室は，若く雰囲気が明るい．施設としても開院して4 年と若く，施設内も整備が整っているのが印象的だった．一方，若さからこその強みをもちつつも，経験短いスタッフが多いという課題もある．今回は，そんな課題を克服するべく，日々成長し続けている同手術室の取り組みを中心におうかがいした．

各科の手術で特に重要な知識をギュギュッと詰めました．手術前の確認や日々の予習復習にお役立てください．