ハートナーシング
Volume 19, Issue 2, 2006
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連載
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- YELL FOR HEART NURSES
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- こっそり自主練! コレはできなきゃCCUの看護手技
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- 誌上実践! ICU版こんなときどうしよう!?
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- CARE for ONE 症例から学ぶケアのヒント
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術後合併症に対しハイリスクな患者への看護−他職種との協働を通しての看護の振り返り−
19巻2号(2006);View Description Hide Description手術前からの合併症に加え過大侵襲となる開胸術では,術後の新たな合併症の併発は予後を悪化させる可能性が大きいといえる.そのため,手術に対する身体的・心理的危険要因が手術前に整えられていることが重要である.特に低栄養状態では,①免疫の低下,②創傷治癒の遅延や縫合不全,③腸運動の低下,④筋肉の衰弱,⑤合併症などがみられることが明らかにされてきた1).今回,人工血管のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(以下MRSA)感染により,再手術を余儀なくされ,術前より発熱や低栄養状態を来した患者に対し,他職種とのかかわりを持ちながら術後合併症に対する看護について振り返る機会を得たので,ここに報告する. - ハートでイングリッシュ
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- ナースなわたしのハートフルデイズ
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- HEART Dictionary
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- 河村久美子の CCUの上にも3年〜ひよっこから巣立ちまで〜
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- HN・エッセイ ふたつの心臓(ハート)
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- 重症集中ケア認定看護師リレーエッセイ
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- 循環器の話題 TOPIC
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- 千里の道も一歩から… 心電図読解道場
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- 1から10までナビゲート☆ はじめてみよう 包括的心臓リハビリテーション
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- めで見る 技アリ看護 ハートナースのお知恵拝借
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特集
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- 心臓手術の術後管理で慌てないために“想定内”の知識を増やす
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1 off-pump CABG
19巻2号(2006);View Description Hide Description冠動脈バイパス術後の合併症の多くは人工心肺に原因があったため,人工心肺を用いない心拍動下冠動脈バイパス術(off-pump CABG)が広く行われるようになった.しかし,手術である以上,予期せぬ出来事が発生することがある.今回,想定内の合併症として周術期心筋梗塞,低心拍出量症候群,不整脈,出血,脳梗塞を挙げて,合併症の危険サインや病態,治療法について説明する. -
2 on-pump CABG
19巻2号(2006);View Description Hide Description・on-pump CABGとは,人工心肺を用いて心停止下に行うCABG(coronary artery bypass grafting;冠動脈バイパス術)である.・体外循環によってもたらされる生体の変化と回復過程を念頭に管理を行う.・末梢循環が保たれているかを評価するには,足背を触診するとよい.・動脈圧の波形から循環血液量を推定することができる. -
3 大動脈弁置換術
19巻2号(2006);View Description Hide Description①大動脈弁人工弁置換術では,手術・入院死亡共に一般的には低く,術後も良好に経過する症例が多く認められる.②術前より心不全を伴った症例や高齢者,透析患者,合併症を伴う症例では,手術リスクも高く,術後のケアも注意を要する.③身体所見,各パラメーターを観察・評価し,今の状況がどうなのか,変化があるのかを判断することが必要である. -
4 僧帽弁形成術
19巻2号(2006);View Description Hide Description僧帽弁形成術後は,修復部の損傷(弁尖切除縫合部の裂開や人工腱索の断裂)予防のため,血圧の管理を十分に行うことが重要である. -
5 腹部大動脈瘤手術
19巻2号(2006);View Description Hide Description無症状の動脈硬化性腹部大動脈瘤に対する待機的な人工血管置換術後の入院死亡は1%以下になったが,高齢者に多い大動脈瘤疾患では,出血,脳,脊髄,心臓,呼吸,肝・腎,消化管,末梢動静脈,感染など,合併症は多岐にわたる.全身の大動脈およびその分枝の血行支配や,腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術の手術手技を十分に理解して,“想定される”合併症の早期発見,早期治療により,高齢者のquality of life(QOL)を下げないことが極めて重要である. -
6 急性大動脈解離手術
19巻2号(2006);View Description Hide Description大動脈解離は中膜の餝離を本態とする疾患である.その病態は破裂による出血や,狭窄による臓器虚血など死に至る重篤なものが多いことと,時間経過とともに病態が変化することが特徴である.解離が発生した部位によってさまざまな病態を呈するため,解離の範囲と解離によって起こる変化を組み合わせて大動脈解離に伴う合併症を理解する必要がある.これによって急性期病態の特徴だけでなく,治療方針の決定や,術後に想定される合併症を理解することが容易になる.