脳神経外科速報
Volume 19, Issue 1, 2009
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Techniques & Arts
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ドイツの若きスペシャリストに聞く,脳神経外科にかける情熱 Charit? Universit?tsmedizin Berlin Peter Vajkoczy
19巻1号(2009);View Description Hide Description脳神経外科が存在し続けるためには,その守備範囲を広げていく必要があります.そのためには政策的に生物学分野にも進出し,脊椎外科,血管外科,脳腫瘍科を保持して,機能脳神経外科の分野でも,基礎的研究でもactive であり続けなければいけないと思うのです. - 基本をマスター 脳神経外科手術のスタンダード
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パーキンソン病の視床下核DBS
19巻1号(2009);View Description Hide Description近年,パーキンソン病(PD)に対する視床下核刺激療法(subthalamic nucleus -deep brainstimulation:STN-DBS) が広く行われている.その適応は,PD でL-dopa による運動合併症(ウェアリングオフやL-dopa 誘発性ジスキネジア)のためにADL が低下している患者である.その他,幻覚など抗パーキンソン薬の副作用のために十分な薬物治療ができない患者もよい適応となる.視床下核DBS ではPD の振戦,固縮,寡動,歩行障害など多くの症状に有効性が認められ,経 - 手術のコツとピットフォール一流術者のココが知りたい
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脳腫瘍 脳腫瘍治療における高精度放射線治療の役割
19巻1号(2009);View Description Hide Description高精度放射線治療である定位放射線照射,強度変調放射線治療(intensity modulatedradiotherapy:IMRT),画像誘導放射線治療(image guided radiotherapy:IGRT)について解説した. 定位放射線照射では,ノバリス.を含めた新しいリニアックは,ビームの形を腫瘍の形に一致させながら回転照射を行うことで,不整形腫瘍に対して均一な線量分布を得ることができる.IMRT は,ビーム内の強度を変化させることで通常の定位放射線照射よりも複雑な不整形腫瘍の治療が可能で,周囲正常組織への線量を確実に抑えることができる.また,患者位置精度の確保のために,IGRT が導入されている. 転移性脳腫瘍では一般的には3 cm 以下で4 個までの症例が治療適応となる.成人良性脳腫瘍(聴神経腫瘍・髄膜腫・下垂体腺腫)にも有効で,特に3 cm 以下の聴神経腫瘍には有用である.一方,悪性神経膠腫は定位放射線照射の適応にはならないが,IMRT を用い正常海馬への線量を抑えることで高次脳機能を維持しようという試みもなされている.小児良性脳腫瘍については,高精度放射線治療を用いて正常脳組織への線量抑制を行うことの有用性が欧米で検討されている. 最近の放射線治療技術の進歩は著しく,新しい技術の開発が進行中であり,脳神経外科医と放射線治療医との密接な連携が望ましい. -
脳血管障害 脳動脈瘤形成の分子生物学 〜脳動脈瘤研究の最新の知見〜
19巻1号(2009);View Description Hide Description最近の基礎研究の進展とともに脳動脈瘤の発生と増大の機序が明らかとなってきた.現時点で,脳動脈瘤は血行力学的ストレスによる内皮細胞損傷に起因して生じる血管壁の慢性炎症疾患であると定義される.内皮細胞障害によりマクロファージの血管壁への浸潤が起こり,それをきっかけに炎症反応が惹起される.分子生物学的には,脳動脈瘤の病態形成の中心にはNF-kB などの炎症をつかさどる遺伝子群の発現亢進が関与している.炎症反応の結果としてのさまざまな酵素群の亢進による組織破壊やアポトーシスが脳血管壁の強度を低下させ,最終的に動 -
脊椎脊髄 脊髄由来の痛みの発生メカニズムとその対応
19巻1号(2009);View Description Hide Description脊椎疾患に伴う痛みのほとんどは侵害受容性疼痛で通常の鎮痛薬で解決できる.一方,脊髄に病変が起こるとしばしば鎮痛薬の効かない難治性の疼痛,神経因性疼痛となり難渋する.近年,神経因性疼痛の概念や病態の理解が進みつつあり,これに対するさまざまな治療法も登場してきている.本稿では,神経因性疼痛の概念・病態・発生メカニズムについての現在の知見を整理し,現在知られている治療法の概略を説明する. -
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続・脳外科医に役立つ漢方薬
19巻1号(2009);View Description Hide Description前回は,脳外科における急性期に利用できる漢方についてお話ししました.今回は,頭痛にスポットを当ててみたいと思います.脳外科外来の日常的診察のなかで,大変よく訴えられる症状の一つが頭痛です.頭痛といっても,その原因はさまざま.ここで漢方治療の対象となるのは,脳出血・くも膜下出血・脳腫瘍などの危険な頭痛を除いた,いわゆる「慢性頭痛」と言われるものです.「CT・MRI を施行したが器質的異常を認めない」「血管性頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛にふるい分けして治療したが効果がいま一つ見えない」といった経験はありませんか.そんな患者が現れたら,さあ,漢方薬の出番です.
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Contribution
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- Case Report
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可動性プラークを有する内頸動脈狭窄症に対し急性期頸動脈内膜剥離術(CEA)を行った2 症例
19巻1号(2009);View Description Hide Description内頸動脈狭窄症に対する内頸動脈内膜剥離術(CEA)は症候性病変,無症候性病変ともにその狭窄率により外科治療選択のEBM が確立されている2,5). しかしながら,可動性プラークを有する内頸動脈狭窄症は最も治療合併症の高い症例の一つであるが,現在のところ一定の治療指針はない.最近当院で経験した同病変に対し急性期CEA を行った2 症例について報告し,文献的考察を加えた. -
ステントを併用しコイル塞栓術を行った錐体部内頸動脈瘤の1 例
19巻1号(2009);View Description Hide Description内頸動脈(ICA)錐体部に生じる動脈瘤は比較的まれで,錐体骨内から発生するため直達手術が困難である.一般的にはICA の結紮術やトラッピングが多く行われてきたが,最近では母血管を温存する目的で血管内治療を行った報告も認められるようになった. 今回われわれは外転神経麻痺を生じた錐体部内頸動脈瘤に対し,ステントを併用したコイル塞栓術を行い良好な結果を得たので,3D-rotational angiographyの有用性とともに報告する.
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医療過誤と刑事罰
19巻1号(2009);View Description Hide Description先日のこと.日本医療機能評価機構の認定病院患者安全推進協議会によるシンポジウムが大阪医療センターで行われ,私もシンポジストの1 人として参加してきました.全体のテーマは「よりよいパートナーシップを目指して 〜情報共有と望まれるコミュニケーション〜」というものでしたが,ついつい「医療過誤と刑事罰」について日ごろから思っていることを大演説してしまい,「よりよいパートナーシップ」というテーマがどこかに吹っ飛んでしまいました.よかったら読者の皆様も私の話を聞いてやってください. - World Report
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今月の海外文献
19巻1号(2009);View Description Hide Description目的・背景:頸椎症性脊髄症は多様な原因からなるが,日本人に多いとされる.その理由の一つとして日本人は脊柱管径が狭いとする指摘がある.頸椎症性変化の頻度が同じでかつ脊髄径が同じなら,日本人はより頸椎症性脊髄症になりやすいと言える.筆者らは,頸椎症性脊髄症の中で,脊柱管狭窄症によるものの頻度を検討し,脊柱管狭窄がある人とない人で手術成績に差があったかどうか後方視的に検討した. - 脳外科医的365日
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