脳神経外科速報
Volume 19, Issue 4, 2009
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Techniques & Arts
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- 私の手術論
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脳血管内治療の過去・現在・未来
19巻4号(2009);View Description Hide Descriptionアメリカはある程度,自由診療的なところがあって,「とてもいいものですが,高いですよ」と言っても,使うことはできる.使っていれば,それがまた保険診療に降りてくることもあります.まずは何かできる,臨床で使えるということが大きい.日本も最近ようやく変化の兆しが見えてきていて,経済産業省がお金を出して,めどが付きそうなものは,厚生労働省が優先的に認可するという試みも始まっています.そういうやり方でサポートしていかないと駄目だと思いますね.(滝 和郎) - 私のマストアイテム
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- 基本をマスター 脳神経外科手術のスタンダード
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三叉神経痛の手術
19巻4号(2009);View Description Hide Description三叉神経痛は中年〜高齢者に起こる頑痛の一つで,食事,会話など高齢者が生活のなかで楽しみとしていることを著しく制限する.したがって,手術合併症なしに除痛できれば,著しいADL の改善につながる手術である.しかし一方,高齢者は予備力が少ないので,全身や局所の合併症が起こると,逆にADL を低下させることになる.このことを常に肝に銘じながら,合併症を起こさない三叉神経痛手術を心がける必要がある. - 髄膜腫摘出の工夫
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副鼻腔内に進展した前頭蓋底部髄膜腫の手術
19巻4号(2009);View Description Hide DescriptionOlfactory groove やplanum sphenoidale に発生する前頭蓋底部髄膜腫は,通常は上方に進展して前頭葉を圧迫することがほとんどである.しかしながら,腫瘍が前頭蓋底を破壊して下方に進展し,副鼻腔・鼻腔に進展する場合もある.また腫瘍の再発例においては正常構造物が破壊されていることも多い.したがって,この場合,腫瘍摘出に伴って広範に頭蓋骨と硬膜が欠損することになり,髄液漏予防のために大がかりな再建手段が必要になってくる.骨欠損が小さな場合は骨膜だけでの補填で髄液漏予防が可能であるが - 手術のコツとピットフォール一流術者のココが知りたい
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Bifrontal interhemispheric approach による前交通動脈瘤の手術
19巻4号(2009);View Description Hide DescriptionBifrontal interhemispheric approach は,正中病変に到達するための重要な手法である.両側前頭開頭を行うので,大脳半球間裂,視交叉槽,および両側シルビウス裂の開放が可能である.そのため前交通動脈瘤の手術においては,transsylvianapproach とは比較にならないほど方向性の良い視野とワーキングスペースが得られ,また,早期に内頸動脈分岐部でA1 起始部を確保することもできるので,高位,大型あるいは複雑な動脈瘤に対して極めて有用な,脳神経外科医にとってぜひ身につけておきたいアプローチのひとつである2,3). しかしながら,本法を行うにあたっては,前頭洞の開放による感染予防と整容,嗅神経の温存,低侵襲な大脳半球間裂の剥離というこのアプローチに特有の煩雑な手術手技が求められるため,一般的には敬遠されがちである. そこで,本稿においては,われわれのbifrontalinterhemispheric approach の実際についてビデオ映像を用いて紹介する. - New How do you Neurosurgical テクニック?
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脳腫瘍編:はじめてのoccipital & transtentorial approach — 後頭蓋窩転移性脳腫瘍の手術 —
19巻4号(2009);View Description Hide Description
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Current Knowledge
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- 図と表で理解する脳血管病理の鑑別診断
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- 専門医に求められる最新の知識
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脊椎脊髄 脊椎・脊髄損傷の急性期治療とその問題点(2)
19巻4号(2009);View Description Hide Description脊髄損傷の急性期の管理の要点は,ADL 自立に向けての早期離床・早期リハビリと考える.保存的治療に反応しない症例で,脊髄の障害レベルに一致した持続的責任圧迫病変や高度不安定病変がある場合は,可及的早期に脊髄の除圧および脊椎の固定を目指し治療すべきである.早期に除圧・固定を行い,不安定な病変の安定化を図り,早期離床・早期リハビリを目指すことはおそらく理にかなっているものと思われる.現在,脊椎インストゥルメンテーションの使用により術後臥床期間の短縮が可能であり,さらに早期離床が図られると思われた.合併損傷や -
脳血管障害 糖尿病と脳卒中 —最近の知見—
19巻4号(2009);View Description Hide Description脳卒中は糖尿病の大血管合併症の一つであり,糖尿病患者の生命予後,Quality ofLife に重大な影響を及ぼす.従来,糖尿病患者ではラクナ梗塞が増加することが知られていたが,肥満,メタボリックシンドローム,インスリン抵抗性などの増加とともにアテローム血栓性梗塞の増加が見られる.糖尿病患者における脳梗塞の予防には,血糖コントロール指標の改善だけでは不十分であり,血圧,脂質の管理とともに動脈硬化病変の高度な患者あるいは2 次予防の患者では抗血小板薬の使用が考慮される. -
脳腫瘍 薬剤感受性からみた神経膠腫の化学療法
19巻4号(2009);View Description Hide Description2005 年にStupp らがNew England Journal ofMedicine 誌に報告したEuropean Organizationfor Research and Treatment of Cancer(EORTC)とNational Cancer Institute of Canada(NCIC)による初発神経膠芽腫(glioblastoma:GBM)に対するtemozolomide(TMZ)と放射線併用療法の多施設共同臨床試験の結果は,それ以降の神経膠腫に対する化学療法に多大な影響を -
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Contribution
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- Case Report
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機械弁置換術後の抗凝固療法中の脳出血
19巻4号(2009);View Description Hide Description近年の抗血小板薬・抗凝固薬の普及に伴い,これらの治療中に特発性脳内出血を発症する機会が増えている.抗凝固療法は脳内出血発症の危険を高め,発症後の血腫増大,再発,そして転帰に影響する.特に機械弁置換術後の患者では抗凝固療法の中断は躊躇され,急性期の治療のあり方に影響する.今回われわれは機械弁挿入後患者の脳出血で不良な転帰を経験した.以後,抗凝固療法中の血腫除去には極めて注意を払うようになったが,本症例のような例が他施設でも発生しないよう,文献的考察を加え報告する.
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Lecture & General Information
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- 日常診療を楽しもう!
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- 新連載 医と法
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前編 —医療界と法曹界の考え方の違い
19巻4号(2009);View Description Hide Description医療は多くの法律のうえに成り立つ.医療訴訟が増加傾向にある今,医学部卒業後40 年以上にわたり医業を続けるのであれば,まず患者のため,次いで医師自身のために,ある程度の法律知識と法的思考プロセスは身につけるべき必須の素養である. 本稿では,論点「医療界と法曹界の考え方の違い」を中心に考察する. - World Report
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海外脳外科最新事情
19巻4号(2009);View Description Hide Description私は2006 年9 月より2008 年7 月まで,フランスの国立衛生医学研究所(INSERM)に研究留学しました.この2 年間は今思えば夢のような日々で,人生のつかの間の休息でした.研究にはしっかり励み,そのうえで日本とはかなり異なる価値観の世界で,いろいろな体験ができたことは自分の人生にとって大きなプラスとなりました. 今回の体験記では,個人的な内容が多いですが,留学のきっかけから,フランス事情などまで書いていきたいと思います. -
- 脳外科医的365日
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開業医奮闘記「脳神経外科ビル診療所の役割および経営(2):経営編」
19巻4号(2009);View Description Hide Description職業というものにはそれぞれの苦労があります.開業医の場合は,収入の大部分を保険診療・公的財源によって担保されているとはいえ,中小企業の経営者と同じ苦労があります.短期・長期の経営方針を考えながら,財務管理,医事管理,労務管理,施設の営繕をはじめとする総務・庶務などがあります.大きな組織であれば専任の職員を置くことも可能ですが,小規模事業所なので切れた電球や蛍光灯の取り替えさえも自分でやらなければなりません.7 年間それぞれの分野で小さな失敗を繰り返しながら,いろいなことを勉強させられました. -
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- コラム
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