脳神経外科速報
Volume 19, Issue 6, 2009
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Techniques & Arts
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- 私の手術論
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頭部外傷治療の現在とこれから
19巻6号(2009);View Description Hide Description外傷はやはり症例数が限られていますから,できればトラウマセンターをつくって,脳外科医が専門医を取った後,ある一定期間,集中して外傷のできるところに行って救急をやるような体制ができると,だいぶ違ってくると思います.(小川武希) - 基本をマスター 脳神経外科手術のスタンダード
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テント上下に及ぶ外傷性急性硬膜外血腫の手術
19巻6号(2009);View Description Hide Description急性硬膜外血腫は頭部外傷のなかで最も迅速かつ適切な判断がその治療において要求される.頭蓋内合併症がなければ,手術治療にて完治しうる疾患であり,その判断や対応を誤れば重篤な後遺障害を残しかねない疾患でもある.今回ここでは,その判断や治療において注意を要するテント上下に及ぶ外傷性急性硬膜外血腫の手術方法を紹介しながら,そのポイントや注意点を述べたい. - 髄膜腫摘出の工夫
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再発petroclival meningioma
19巻6号(2009);View Description Hide Description「髄膜腫摘出の工夫」のシリーズで,手術難易度について以前触れた1).再発頭蓋底髄膜腫の手術は難しい.今回は10 年以上の経過中に計4 回の開頭術を他施設で受けたpetroclival meningioma症例について述べたい. - 手術のコツとピットフォール一流術者のココが知りたい
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小脳血管芽細胞腫の摘出術
19巻6号(2009);View Description Hide Description血管芽細胞腫は小脳に好発し,脳腫瘍の0.8 〜1.9%を占める. 後頭蓋窩に発生する腫瘍のなかでは7.3%,小脳腫瘍の29%を占め,小脳半球,小脳虫部,第四脳室,脳幹などに発生するが,およそ80%は小脳半球に認められる1,2).診断には造影MRI が有用で,大半は壁在結節(mural nodule)を伴った.胞を呈するが,約1/4 の症例では.胞を伴わない実質性腫瘍を呈する.血管撮影では各小脳動脈を介した腫瘍陰影が壁在結節や実質性腫瘍に一致して認められる1,2).外科的摘出により完治が可能な疾患であり,.胞形成型では壁在結節のみ摘出すればよいが,腫瘍が残存した場合には確実に再発する. 本稿では,頻度の高い小脳半球の血管芽細胞腫症例について再発例を含めて呈示し,専門医試験前後の脳神経外科医を対象に,小脳血管芽細胞腫摘出術における各種アプローチ,コツとピットフォールを述べる.Occipital transtentorial approach,infratentorial supracerebellar approach の詳細については他稿を参照されたい3,4). - 私のこだわり My Operative Note
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- New How do you Neurosurgical テクニック?
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Current Knowledge
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- 図と表で理解する脳血管病理の鑑別診断
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- 専門医に求められる最新の知識 脳血管障害
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脳血管障害 脳卒中の疫学:わが国における脳血管疾患の最近の動向
19巻6号(2009);View Description Hide Descriptionわが国の循環器疾患の特徴は,脳卒中が多く虚血性心疾患が少ないことにあった.しかし,脳卒中死亡率は1965 年を頂点として1990 年にかけて急速に低下し,世界一の低下率を示した.一方,心筋梗塞死亡率は,年齢調整したものでは1970年を頂点として,先進工業国のなかでは低い国であったがさらに低下した14,15).その結果として,わが国は1980 年代の初頭より世界一の長寿国となった. ここでは,わが国の脳血管疾患の死亡率の最近の動向について述べるとともに,脳卒中罹患率の動向についてその病型を踏まえ,地域におけるコホート研究の成績を示す.また,脳卒中予防の重要な観点について触れる. - 専門医に求められる最新の知識 脳腫瘍
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脳腫瘍 Medulloblastoma について(2)−手術と小脳性無言症候群・放射線治療・化学療法−
19巻6号(2009);View Description Hide DescriptionMedulloblastoma 手術後の約25%に発生する小脳性無言症候群とは,手術後1 〜 2日のlatent phase を経て発語の完全な消失に陥る病態である.平均50 日間継続するが,年余にわたる症例もある.消失後も小脳失調,構語障害,認知機能障害が永続する.術前に本病態に関する十分な説明が必要である.本症候群回避のためには術中の両側中・上小脳脚,両側歯状核,脳幹への愛護的操作が重要である.Average-risk 群への術後治療はcranio-spinal irradiation(CSI) 23.4 Gy,後頭蓋窩55.8 Gy の放射線治療の後,6 週ごとPacker-A またはB プロトコール8 サイクルが標準的治療である.High-risk 群に対してはCSI 約40 Gy,後頭蓋窩55.8 Gy,播種病変に対して追加照射約10 Gy が目標照射計画となる.照射後,白筋製剤,マスタード系アルキル化剤を含む化学療法が推奨される.わが国において適用外使用薬剤・薬量を遂行せざるを得ない場合は,薬事法等関係する運用規制を熟知,遵守して,施設内倫理委員会等での実施承認後,医師主導の臨床試験として行うことが望ましい. - 専門医に求められる最新の知識 脊椎脊髄
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脊椎脊髄 腰椎変性すべり症に対する外科治療
19巻6号(2009);View Description Hide Description腰椎変性すべり症は,加齢変化に伴い腰椎椎体配列の偏位(ずれ)をきたす疾患であり,脊柱管狭窄症をきたす原因として頻度が高い疾患である.すべりを伴わない腰部脊柱管狭窄症と同様に保存加療が無効な場合に手術が選択される.すべりの程度や異常可動性(動的不安定性)の有無,骨切除範囲等により,除圧単独にすべきか固定術も併用すべきか議論の余地があり,実際には施設間で適応に差がある.腰椎変性すべり症の基礎知識とともに,外科治療法につき解説する. - 専門医に求められる最新の知識 最新知識を速攻チェック!脳速トレーニングシート
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Contribution
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- Case Report
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Workstation を使った脳動脈瘤クリッピング術 − 2 面並列モニターを併用して−
19巻6号(2009);View Description Hide DescriptionWorkstation の登場により,より早くより精確な3D 画像が得られるようになっている9).またworkstationを術中に利用することにより,欲しい情報を見たい角度から見ることも可能である. 今回,手術画像支援システムとして,術前画像を可動式2 面並列モニターで常時ステレオ画像となるよう映し出しながら,手術の進展に合わせて,画像の構成を行った(Operation assisted by stereo images systemusing workstation with mobile para -
ステントを併用しコイル塞栓術を施行した椎骨動脈解離性動脈瘤の1 症例
19巻6号(2009);View Description Hide Description非出血発症の椎骨動脈解離性動脈瘤の治療は保存的加療が検討されることが多い.しかし,頭痛に伴い血管拡張が認められる例や経時的に拡張部が増大する例では治療方針に難渋する.今回,われわれは経過観察中に動脈瘤様拡張部の増大が認められた後下小脳動脈起始部を含む椎骨動脈解離性動脈瘤症例を経験し,stent-jack およびjail technique を用いた血管内治療を行うことで良好な結果が得られたので考察を加え報告する.
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Lecture & General Information
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- 日常診療を楽しもう!
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アナフィラキシー対応(基礎編)
19巻6号(2009);View Description Hide Description最近,連続でアナフィラキシー関連の経験をしました.脳神経外科医にとっては専門違いではありますが,いつどこで遭遇するかもしれない疾患なので,その発症メカニズムや対処の仕方を知っておくにこしたことはありません.というわけで,今回はアナフィラキシーについて述べましょう. - World Report
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- 脳外科医的365日
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