脳神経外科速報
Volume 20, Issue 8, 2010
Volumes & issues:
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目次
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Techniques & Arts
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- 私の治療論
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- 基本をマスター 脳神経外科手術のスタンダード
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大動脈弓部脳主幹動脈閉塞性病変に対する外科的治療−人工血管を用いた鎖骨下動脈,腋窩動脈からのバイパス術−
20巻8号(2010);View Description Hide Description脳主幹動脈は,両総頚動脈と椎骨動脈で形成されているが,大動脈弓部で主に見られるのは腕頭動脈,左総頚動脈,左鎖骨下動脈である.脳主幹動脈にはさまざまな狭窄・閉塞性病変が知られている(図1).一方,病変の性状は,動脈硬化性変化によるものと大動脈炎症候群に代表される線維性肥厚によるものが挙げられる.いずれの病変も脳主幹動脈の血流低下や塞栓の原因となり,さまざまな症状を生じることが知られている. このような頚部脳主幹動脈の閉塞性病変に対する外科的治療は,頚部頚動脈狭窄病変に対するcarotid endarterectomy のみが確立されたものとなっている1,4).大動脈弓部の閉塞性病変に対する血行再建術は,人工血管や静脈片を用いたさまざまな方法が導入されている2,3,5 〜 7)が,いまだハイグレードのエビデンスをもって推奨される手技は確立していない. 本稿では,症例を基に大動脈弓部の閉塞性病変に対する人工血管を用いた鎖骨下動脈,腋窩動脈からの血行再建術の基本的な手技について述べる. - クリッピングの工夫
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- 手術のコツとピットフォール 一流術者のココが知りたい
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上眼窩裂外側硬膜の切開剥離を利用した手術— Sphenoparietal sinus 移動のコツと注意点 —
20巻8号(2010);View Description Hide Description - How do you Neurosurgical テクニック?
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- ここがポイント! 手術に役立つ局所画像診断
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Current Knowledge
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- 専門医に求められる最新の知識
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脳血管障害 大型脳動脈瘤に対するhigh flow bypass を用いた治療法(2)
20巻8号(2010);View Description Hide Description前回の前編では,high flow bypass の適応,セッティング,皮切,グラフトの剥離・採取,頚部での操作について論じた.後編では,頭部操作からバイパスの実際,high flow bypass の開放まで詳述する. -
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Contribution
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- Case Report
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神経血管圧迫症候群に対する内科的治療— ARB 降圧薬の効果について —
20巻8号(2010);View Description Hide Description三叉神経痛に対する内服治療として,抗てんかん薬であるカルバマゼピンの効果については研究報告もあり証明されているが,無効例や副作用も問題となっている1,8,10).片側顔面痙攣に対する内服治療については効果がない場合がほとんどである.われわれは,外科的治療を希望されなかった片側顔面痙攣症例に対し,偶然にAngiotensin II receptor blocker(以下ARB)降圧薬が著効したのを経験し,その後,三叉神経痛症例に対しても効果があることを確認した.現在追加検証中であるが,preliminary report として報告する. -
脳梁周囲動脈皮質枝における外傷性破裂動脈瘤に対して血管内治療を行った1 例
20巻8号(2010);View Description Hide Description外傷性頭蓋内動脈瘤の頻度は,全頭蓋内動脈瘤の1%以下である.破裂した場合の予後は不良で,早期発見と再破裂を防ぐための適切な処置が必要とされる.多くの場合は組織学的に仮性動脈瘤であるため,その治療法として,通常のneck clipping は困難かつ危険とされ,親血管のtrapping が一般的である.しかし,発生部位が中大脳動脈や前大脳動脈の末梢部であれば,術中,動脈瘤の同定が困難な場合もある.また,周囲のくも膜との癒着が強い場合は術中破裂の危険もある. 今回,われわれは,脳梁周囲動脈皮質枝に発生した外傷性動脈瘤に対してコイル塞栓術を行い,良好な結果を得ることができたので,文献的考察を加え報告する.
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Lecture & General Information
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- 脳外科Q&A 明るいなやみ相談室
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- Book Review
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- 脳外科医的365日
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- コラム
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