インフェクションコントロール
Volume 24, Issue 6, 2015
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目次
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連載
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その他
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連載
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特集 【コモンな症状をお役立ち整理! 「感染症医がベッドサイドスタッフに見てほしい」 感染徴候とフィジカルアセスメント】
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コモンな症状をお役立ち整理! 「感染症医がベッドサイドスタッフに見てほしい」 感染徴候とフィジカルアセスメント
24巻6号(2015);View Description Hide Description -
<1>バイタルサイン・基本編―重症度の解釈―
24巻6号(2015);View Description Hide Description(1)バイタルサインとして、1.体温、2.血圧、3.脈拍数(心拍数)と調律、4.呼吸数、5.経皮的酸素飽和度(SpO2)が重要であり、意識や尿量にも注意するべきである。(2)体温は測定部位によって直腸温>口腔温>腋窩温の順に高い。(3)悪寒戦慄を伴う発熱は、敗血症を強く疑う。重症敗血症では、低体温になることもある。(4)脈拍数はリズムを確認する。頻脈は要注意。比較的徐脈にも注意したい。(5)浅い頻呼吸は急性肺炎でみられ、深い頻呼吸はクスマウル(Kussmaul)呼吸などの代謝性アシドーシスでみられる。 -
<2>バイタルサイン・応用編―治療による修飾の解釈―
24巻6号(2015);View Description Hide Description(1)敗血症の定義は全身症状を伴う感染症と定義が変わり、感染症+SIRSの定義ではなくなっていることに注意する。(2)低体温の患者では、敗血症を鑑別に入れよう。(3)重症患者の血圧は平均血圧でみるようにしよう。(4)昇圧薬を使用下での血圧評価はぜひ昇圧薬の量も気にしよう。(5)人工呼吸器管理中には、今どのような設定下での状態かを把握しよう。(6)SpO2はいつも100%を目指さなくてよい。 -
<3>デバイス関連感染症の身体所見ポイント
24巻6号(2015);View Description Hide Description(1)デバイス関連感染は、永遠に不滅である。(2)デバイスを見たら、感染を疑え!(3)バイオフィルムが諸悪の根源である。(4)見た目だけで感染の有無を判断してはならない。(5)治療は抜去が基本。できないときにはより長期の抗菌薬が必要である。 -
<4>聴診の基本
24巻6号(2015);View Description Hide Description(1)細菌性肺炎などで聴取される吸気時の非連続性副雑音をクラックル(crackles)という。(2)細菌性肺炎の治療経過でcracklesが変化することに注意する。(3)感染性心内膜炎を疑う際の心雑音の聴取は、より丁寧に行う。(4)感染性心内膜炎を疑ったり診断した際には、新規の心雑音が出現したり既知の心雑音が変化したりしないか毎日の聴診が重要である。 -
<5>薬疹を見逃さない
24巻6号(2015);View Description Hide Description(1)薬疹は痒みなどの自覚症状を伴うとは限らず、日ごろからの注意深い診察が大切である。(2)薬疹を疑ったら、原因の可能性がある薬剤を可能な限りすべて中止する。(3)危険な徴候(粘膜の炎症、38.5 ℃を超える発熱、水泡、顔面浮腫、リンパ節腫脹、発赤の進展、皮膚の圧痛)がないか注意する。(4)アナフィラキシーは、急激に死に至る可能性がある緊急疾患である。呼吸器症状、消化器症状、低血圧などの徴候を見逃さない。 -
<6>病歴と身体所見に基づく基本的な診療の進め方
24巻6号(2015);View Description Hide Description(1)合理的な診療を提供するためには、医学的な疾患単位で臨床診断を立てる必要がある。(2)臨床診断のためには、病歴聴取と身体診察が、最も基本的で最も重要となる。(3)「4C アプローチ」で鑑別診断を想起して、そのリストのなかから可能性がより低い疾患を除外することによって、臨床診断を確定する。(4)臨床診断に基づけば診療方針や治療効果判定を考えやすく、予想外の臨床経過をたどった場合こそ治療前の鑑別診断が重要となる。(5)入院患者の発熱でも、医療関連感染症をきちんとした疾患単位で診断されたい。
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【感染領域のベテラン記者が発信! お役立ち情報掲示板】 やはり急増したJANIS「検査部門」への参加施設数/【今月の一冊】
24巻6号(2015);View Description Hide Description
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ICTレベルアップ特集 【感染対策のために知っておきたい 薬剤の配合変化・不活性化】
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<1>シロップ剤の配合変化
24巻6号(2015);View Description Hide Description(1)シロップ剤を混合する場合は、必ず相互の配合変化情報を企業のウェブサイトなどで確認する。(2)ドライシロップ剤を飲みやすくするために混合する食品は、製品により適不適があるので、ウェブサイトなどで情報を確認する。相性のよいものでも服用直前に混合する。 -
<2>注射薬の配合変化
24巻6号(2015);View Description Hide Description(1)PK/PD 理論の観点から、複数の抗菌薬を同一輸液内に混合しない。(2)同一ラインで抗菌薬を併用するときは、配合変化を避けるために時間差投与とし、その際も生理食塩液による前後のフラッシングを行う。(3)添加剤である亜硫酸塩により力価低下が生じる場合があるので、側管投与時はメイン輸液の亜硫酸塩含有の有無を確認する。(4)輸液は酸性との認識を持ち、塩基性塩の形で製剤化されている抗菌薬は側管投与時に注意が必要である。(5)エリスロマイシン・アムホテリシンB・セフトリアキソンなど個別の注意が必要な薬剤もある。 -
<3>抗菌薬の不活性化
24巻6号(2015);View Description Hide Description(1)キノロン系抗菌薬と金属イオン含有製剤は、キノロン系抗菌薬の吸収を阻害するため2時間程度ずらして服用する。(2)セフェム系抗菌薬のセフジニルは、鉄イオンと併用すると錯体を形成し、10分の1に吸収低下するため3時間以上間隔をあけて投与する。(3)代謝酵素を誘導する薬物であるリファンピシン、カルバマゼピン、フェニトインなどは、チトクロームP450を誘導するため、相互作用として抗菌薬の作用が弱くなる。
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【感染対策の弱点克服! レベルアップのための特別講義】 感染対策に生かそう! チームステップス③ クロスモニタリングで感染対策のレベルを上げよう
24巻6号(2015);View Description Hide Description
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取材
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第26回日本臨床微生物学会総会
24巻6号(2015);View Description Hide Description2015年1月31日(土)・2月1日(日)、京王プラザホテル(東京都)にて第26回日本臨床微生物学会総会・学術集会が開催された。総会長は岩田 敏先生(慶応義塾大学)、副総会長は柳沢英二先生(株式会社ミロクメディカルラボラトリー)。2,500名を超える参加者が来場した。感染症の制御には、臨床検査と診療現場が両輪とならなければならないことから、メインテーマは「ミクロから考えるマクロの世界」とされた。ミクロの情報(微生物)とマクロの視点(感染症の予防・診断・治療)の両方についてさまざまなプログラムが企画された。前年同様にカルバペネム系耐性腸内細菌科細菌(CRE)に関する演題が多くみられたほか、新しい話題としてはMALDI-TOF などの話題があった。その一部をレポートする。
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その他
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