インフェクションコントロール
Volume 24, Issue 9, 2015
Volumes & issues:
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目次
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連載
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対談
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TeamSTEPPS(R)から多職種連携を考える -感染対策を実践するための職種横断モデルのあり方-
24巻9号(2015);View Description Hide Description2015年2月20〜21日に行われた第30回日本環境感染学会総会・学術集会での講演のため、Mary Lou Manning 氏とRussell N. Olmsed 氏が来日した。両国におけるTeamSTEPPS Ⓡの教育方法や今後の多職種連携の課題などについて、森澤雄司先生、塚本容子先生、満田年宏先生が話を聞いた
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連載
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その他
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特集 【“不適正使用”ケースで学ぶ 抗菌薬ピットフォール】
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<1>大丈夫? そのキノロン
24巻9号(2015);View Description Hide Description(1)キノロン系抗菌薬はグラム陽性球菌、グラム陰性桿菌のみならず結核にも有効な広域抗菌薬である。また、使わねばならない理由なしにカジュアルに処方すべき薬剤ではない。(2)CD腸炎やQT延長、アレルギーなどの有害事象、マグネシウム製剤などの併用薬に注意する。 -
<2>メロペネム+バンコマイシンは無敵?
24巻9号(2015);View Description Hide Description(1)メロペネム+バンコマイシンはグラム陰性菌・グラム陽性菌を広くカバーするが、効果のない微生物も多種存在する。(2)感染症治療には感染臓器と原因微生物の検索が必須であり、アセスメントなしの抗菌薬使用はご法度である。(3)デエスカレーション(de-escalation)前提の広域抗菌薬使用ではなく、可能なかぎり狭域抗菌薬での治療開始を検討する。(4)抗菌薬治療開始後は培養結果に留意し、注意深く経過観察を行う。(5)広域抗菌薬による耐性菌蔓延リスクを忘れずに。 -
<3>バンコマイシンその量で大丈夫?
24巻9号(2015);View Description Hide Description(1)バンコマイシンは、腎機能低下症例においても、初回は十分量投与(25〜30mg/kgまたは1〜1.5g)することが望ましい。(2)感染症の初期には腎機能、肝機能は不安定であり、その後の経過に応じた再調整が重要である。(3)バンコマイシンのほかにも、テイコプラニン、アミノグリコシド系、ボリコナゾールといった薬剤において、投与量の調整が推奨される。 -
<4>本当に心内膜炎ではないの?
24巻9号(2015);View Description Hide Description(1)発熱があった際、診断を推定・確定しない状態で「とりあえず」抗菌薬を処方しない。(2)感染性心内膜炎は「疑わないと診断できない」疾患である。(3)この疾患を疑った際は、2セット以上血液培養を採取し、身体所見を繰り返しとる。 -
<5>その皮疹、本当にアレルギー?
24巻9号(2015);View Description Hide Description(1)アレルギーらしさを適切に見積もり、使用できる抗菌薬を生涯失わないようにするためには、病歴をできる限り詳しく聴取する。(2)アレルギーでは、IgEが即時に反応する「Ⅰ型」と、それ以外の「非Ⅰ型の重篤なもの」を見逃さない。(3)特にアナフィラキシー、Stevens-Johnson症候群(SJS)、中毒性表皮壊死症(TEN)は致死的となりうるため、迅速な対応を要する。(4)抗菌薬アレルギーと判断した場合は、速やかに被疑薬中止、対症療法、そして交差反応も考えつつ代替薬を検討する。 -
<6>その下痢は本当に、クロストリジウム感染症?
24巻9号(2015);View Description Hide Description(1)抗菌薬使用歴のある症例での下痢症は、クロストリジウム感染症によるものが多い。(2)院内発症や抗菌薬使用後の下痢は、クロストリジウムの便中トキシンの測定が必要であり、臨床症状が疑わしい場合には、経験的にメトロニダゾールやバンコマイシンで治療を行うべきである。(3)便中トキシン陰性で、治療に反応に乏しい場合には別の疾患の可能性を考慮する必要がある。 -
<7>黄色ブドウ球菌感染症は、抗菌薬・ソースコントロール・異物除去の3本の矢が重要!
24巻9号(2015);View Description Hide Description(1)黄色ブドウ球菌感染症において最重要疾患は、血流感染症である。(2)黄色ブドウ球菌血流感染症は、速やかな治療開始と治療期間完遂が重要である。(3)黄色ブドウ球菌血流感染症は、血管内の異物の抜去・除去が重要である。(4)黄色ブドウ球菌血流感染症は、持続菌血症の否定を行う。(5)黄色ブドウ球菌血流感染症では、播種巣の有無に注意する。 -
<8>そのバンコマイシン、そのままの用量で大丈夫?
24巻9号(2015);View Description Hide Description(1)病態によって薬物の体内動態(PKパラメータ)は変化しているため、薬剤の特性を理解しておく。(2)単純にTDMソフトの計算をするのではなく、使用するソフト収載の母集団パラメータを吟味し、患者情報と乖離していないかを確認しながら投与設計を立てる。(3)分布容積の変化に腎機能の程度は関係しないので、たとえ腎機能障害がある患者でも、初回の投与は十分量を投与する。(4)いつの時点の検査値をもとに投与設計したのかを確認する。投与量を設計した後もPKパラメータに変化がないかを確認し、必要に応じて何度でも投与設計を行う。 -
<9>その尿路感染症、本当にキノロン薬で大丈夫?
24巻9号(2015);View Description Hide Description(1)尿路感染症は、尿の流れを「障害するもの」は「何か」を考えることが重要である。(2)頻尿、排尿時痛、高熱、叩打痛を認める尿路感染症であると、腎盂腎炎である可能性が高い。(3)抗菌薬の適正使用は、病態、正しい抗菌薬の選択、投与量の設定について正しく理解を深めることが重要である。(4)PK/PD理論によるとレボフロキサシンはキノロン系抗菌薬であり、最高血中濃度が高ければ高いほど有効性を発揮する薬剤である。(5)効果不十分な尿路感染症をみた場合には、尿路閉塞の確認のために泌尿器科医との連携が必須である。(6)キノロン耐性大腸菌増加の要因としては、ST131型株の世界的な増加がいわれており、国内でもその増加が報告されている。 -
<10>術後の発熱、その抗菌薬で大丈夫?
24巻9号(2015);View Description Hide Description(1)予防的抗菌薬は術中汚染菌から手術組織を守るために使用される。(2)日本では長期間投与の傾向にあるが、耐性菌のリスクがある。(3)予防的抗菌薬と治療的抗菌薬の切り替えのタイミングが重要である。
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【SPOT】 「こんな方法があったのか!」みんなで学ぶ手指衛生 -第4回「新生児感染症管理予防研究会」報告-
24巻9号(2015);View Description Hide Description
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【感染コレクション】 E. coil(ESBL・CRE)/【ちょっと聞いてくださ~い!IC誌的“お悩み人生相談室”】
24巻9号(2015);View Description Hide Description -
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【感染領域のベテラン記者が発信! お役立ち情報掲示板】 2035年を見据えた病院感染対策の将来ビジョンは必要ないか/【今月の一冊】
24巻9号(2015);View Description Hide Description
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その他
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ICTレベルアップ特集 【「あれってどうなの?」国内外の新製品・新しい対策】
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<1>消毒薬における最新の話題-導入を迷うときの見極め方法-
24巻9号(2015);View Description Hide Description(1)ペルオキソ一硫酸水素カリウムは、次亜塩素酸ナトリウムの改良型製剤である。(2)ノロウイルスなどに強い効力を示すアルコール製剤が発売されている。(3)0.5 〜1% クロルヘキシジン含有の擦式アルコール製剤は、術前の手指消毒に有用である。(4)1% クロルヘキシジン含有の消毒用エタノールは、中心静脈カテーテル挿入時の皮膚消毒に有用である。(5)低水準消毒薬を含浸した綿球は細菌汚染を受けやすいので、滅菌済み単包製品の使用が薦められる。 -
<2>洗浄剤における最新の話題-導入を迷うときの見極め方法-
24巻9号(2015);View Description Hide Description(1)医療器材の再生工程においては、消毒や滅菌の前に洗浄剤を使用して除染することが大前提である。(2)洗浄剤の開発は日進月歩であり、その性能は日々向上しているうえに、その種類は多岐にわたる。(3)洗浄物に最適の最新の洗浄剤を選択することは、医療器材を安全に再使用するために非常に重要である。 -
<3>グルコン酸クロルヘキシジン浴について
24巻9号(2015);View Description Hide Description(1)グルコン酸クロルヘキシジン浴(以後、CHG 浴)は新しいコンセプトではない。(2)新しい製品の販売に伴い、CHG 浴は実施されるようになってきた。(3)CHG 浴により、病院における多剤耐性菌保菌率が低下した。(4)メタ分析から、CHG 浴により中心ライン関連血流感染は低下していることが明らかになっている。一方、手術部位感染予防に対しての効果は明確ではない。(5)わが国で導入する場合は、物品の管理を含めた検討が必要である。 -
<4>微生物検査室の最新の話題-質量分析の感染対策への応用可能性ほか-
24巻9号(2015);View Description Hide Description(1)質量分析装置は最新の技術を用いた検査装置で、同定検査に要する時間が大幅に短縮可能である。(2)検査に係る経費は100 円程度で経済性にも優れた検査方法であるが、装置導入やメンテナンス費用は高額である。(3)現状では感染対策上問題となる薬剤耐性菌や、治療に不可欠である薬剤感受性成績の判定はできない。
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連載
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【感染対策の弱点克服! レベルアップのための特別講義】 感染予防活動の成果を示そう! 知っておきたい医療経済評価(1) 医療経済評価ってどういうもの?
24巻9号(2015);View Description Hide Description
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その他
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