がん看護
Volume 12, Issue 1, 2007
Volumes & issues:
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特集 【肝・胆・膵がん~最新の治療と看護(1)~】
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連載
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第20 回日本がん看護学会学術集会:認定看護師交流集会:認定看護師の実践と直面している課題④
12巻1号(2007);View Description Hide Descriptionがん性疼痛,化学療法,ホスピスケア認定看護師と並んで, 創傷・オストミー・失禁看護認定看護師( 以下WOCN)もがん患者のケアにかかわる医療チームの重要な一員である.がん看護分野におけるWOCN の実践は,化学療法や放射線療法などのがん治療に伴う皮膚障害の予防と対策,ストーマを保有する患者のリハビリテーションサポート,褥瘡や創傷のケア,腸瘻や胃瘻などをもつ患者のケア,皮膚に生じたがん病変部の創傷ケアなどである.そして,対象は年齢や病期を問わず多岐にわたること,局所ケアだけではなく,患者の苦痛を考慮した精神的サポートや患者・家族への指導なども同時に行うことから,広い知識と熟練した技術を要する.本稿では,WOCN としてがん患者のケアにかかわるなかで,がん看護専門看護師(以下OCNS)を目指した筆者のプロセスと実践活動を中心に述べる. -
がん化学療法におけるナーシング・プロブレム【23】:抗がん剤投与における輸液ポンプ使用の問題点とマニュアル作成の試み
12巻1号(2007);View Description Hide Description抗がん剤投与において,組織壊死を起こす性質をもつ起壊死性抗がん剤(vesicant drugs,ビシカント)の血管外漏出をいかに予防するかは,重要な問題である.ビシカントとして投与に注意を要する薬物のリスト,血管外漏出時の症状と対策に関する文献は多いが,ビシカントをどのように投与するかについて言及している文献は少ない.とくに,輸液療法の際に頻用されている輸液ポンプを,抗がん剤投与の場面でどのように用いるかについて言及した文献はほとんどみられない.本稿では,ビシカントの投与方法と輸液ポンプについて考えていきたい.また,ビシカントを含む抗がん剤投与における輸液ポンプ使用マニュアルを試作したので,それを紹介する. -
Manual for Clinical Trials Nursing:第23 章試験薬の投与
12巻1号(2007);View Description Hide Description研究計画書に基づく治療は患者の臨床試験参加のなかでとても重要な点である.この点に向けてすべての研究手順を整えることは,試験薬の投与準備であると考えられる.登録前検査と研究計画書に基づく治療開始前に得られたデータは,がんの一般治療の進歩に直接的には寄与しない.試験薬投与は生命の危機にかかわる性質をもつので,看護師は治療実施下で生じた状況を理解しなければならない.ここで理解すべき点は,身体的・臨床的適格基準,臨床検査結果の監視,試験計画書で定義された用量調節の知識を含んでいる.この章では,これらの項目について詳細に言及していく.
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連載講座:JJCCレクチャー
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投稿
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研究報告:同種造血幹細胞移植を受けた成人患者のQOL
12巻1号(2007);View Description Hide Description本研究の目的は,同種造血幹細胞移植を受けた患者のQOL を,移植後経過年数別に健康関連QOL 尺度であるSF-36を用いて国民標準値と比較し,構成面接を施行した内容を含めて検討を行い,看護への示唆を得ることである.対象者は,同種造血幹細胞移植を受け,外来にて経過観察されている患者24名である.本研究により,移植後全経過において,精神的な日常役割機能が国民標準値より高くなる傾向が明らかとなった.また,移植後,身体面の影響は長期間にわたり患者のQOL に影響を及ぼすが,移植後36ヵ月以上になると改善傾向がみられる.そのため,長期的な展望に立った退院指導の重要性が再確認された.また,移植後36ヵ月を経過しても「全体的健康感」は低い傾向にあり,健康に対する不安は移植後も消失しないため,継続的な看護介入の必要性が示唆された.
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REPORT
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第14 回国際がん看護学会学術集会(ICCN)に参加して
12巻1号(2007);View Description Hide Description2 年に1 回開催される「国際がん看護学会学術集会(ICCN)」は今年,第14 回目を迎えカナダのトロントにおいて,シェラトンセンターホテルを会場に9 月27 日から10 月1 日の5 日間にわたって開催された.トロントは,カナダ南端,五大湖の一つオンタリオ湖北岸に位置し,420 万人の人口を擁し,100 以上の文化が共存するカナダ最大の都市である.また,カナダ経済の中心地でもあり,古くから地下鉄網が整備されるなど現代と開拓時代の歴史を残す美しい街である.メープルの紅葉が色鮮やかに街並みを飾っているのが印象的であった.開催地が,国際がん看護学会(ISNCC)のマーガレット・フイッチ(Margaret Fitch)会長の地元ということもあり,カナダがん看護学会(Canadian Association of Nursesin Oncology: CANO)の熱意と積極的な活躍が伝わってきた.学会には,世界各国から約2,000 名が参加し,最近にない多人数であった.日本からは80名もの参加があった.日本からの研究発表はがん看護の臨床,研究,教育における研究の成果が発表された.ポスタープレゼンテーションは,372 題の掲示発表があり,日本は,カナダ(119 題),イギリス(63 題)に次いで3 番目の多さであった.特筆すべきは,学術集会の最終日に全ポスターのなかから,ポスター小委員会(The Poster Sub-Committee)と,学術委員会(Scientiˆc Committee)の審査によって優れたポスターの選考が行われ,日本の研究が,“がん看護の研究部門賞”と“がん看護の教育部門賞”の分野においてそれぞれ1 題ずつ受賞し,加えて“参加者が選ぶ最優秀賞”にも選ばれ,合計3 つを受賞する快挙となったことである.日本のがん看護が国際的に認知されることになったポスタープレゼンテーション,国際がん看護学会学術集会のハイライトであるTiŠany Lectureship,そして,病院見学などを中心に学術集会の概要を紹介する.
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こちらがん電話相談室
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BOOK
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