整形外科看護

Volume 14, Issue 7, 2009
Volumes & issues:
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特集
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- 人工股関節置換術後の合併症
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- 人工股関節置換術の基礎知識
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- 術後合併症
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脱臼
14巻7号(2009);View Description
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人工股関節置換術(以下,THA)における重大な合併症の一つに術後脱臼があります1).THA 後の脱臼頻度は3 〜 9.5% 2,3)とけっして少なくありません. THA 後の脱臼の危険因子として,臼蓋形成不全による変形性股関節症,女性,高齢者,アルコール中毒,股関節手術歴など患者側の因子,後方進入法,インプラントの設置角度,使用機種など手術に関する因子が挙げられています1).このように術後脱臼の発生要因は多因子性であり,個々の症例の背景やADL もさまざまであるため,脱臼を完全に回避することはきわめて困難であると考えられます.つまり,脱臼回避のためには患者背景・インプラント設置位置・手術方法・筋力・術中の関節可動域(脱臼肢位の確認)などを考慮して,術後の看護やリハビリテーション(以下,リハビリ)をしなければなりません. -
静脈血栓塞栓症
14巻7号(2009);View Description
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術後の静脈血栓塞栓症は,現在トピックとなっています.肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism;以下,PTE)の原因の90%は下肢の深部静脈血栓(deep venous thrombosis;以下,DVT)です.この両者は同じ病態と考えられ,静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism;以下,VTE)と称されるようになりました. PTE がいったん発症すると,その約1/3 が死亡にいたるといわれ,そしてその約43%は,1 時間以内に死亡するとの報告があります.そのため,下肢などのDVT の早期発見,予防が大切となります.特に今回のテーマである人工股関節置換術(以下,THA)は高リスク群に属し,DVT は高率に発生します1).この稿では,予防法,発見のための注意点に触れます. -
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神経麻痺
14巻7号(2009);View Description
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人工股関節置換術(以下,THA)に伴う重大な合併症の一つに,神経麻痺が挙げられます.坐骨神経・大腿神経麻痺の発生頻度は,初回THA 後で約1%,再置換術後では2.6%の頻度で発生することが報告されています1). 術中および術後に生じうる神経麻痺は,経過とともに回復することが多いのですが,患者の肉体的・精神的負担は大きく,ぜひとも回避しなければならない問題です.これらの発生メカニズムとその予防策について解説します. -
骨折
14巻7号(2009);View Description
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人工股関節置換術(以下,THA)は手術手技の向上とともに適応年齢が広がり,また高齢になってから再置換術を受ける方も増加しています.本邦における高齢者人口の増加から,骨が脆弱な高齢者にTHA を施行することが増加しています. THA 後は,筋力の低下や全身消耗から術後ADL 低下時に転倒することはけっしてまれではなく,転倒することにより合併症として骨折を起こす場合があります.下肢筋力の低下したTHA 後の患者が転倒して骨折を起こした場合,ADL の回復にはさらに時間がかかります.高齢者の転倒による骨折はADL を低下させ,その後の合併症により死亡率も高まることがわかっています1). 本稿ではTHA 後の合併症の一つとしての転倒骨折のメカニズムと予防対策について解説します. -
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橈骨遠位端骨折(前腕骨遠位端骨折)に対する観血的整復固定術
14巻7号(2009);View Description
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橈骨遠位端骨折は,前腕骨遠位端骨折(橈骨・尺骨または両骨の骨折の総称)の多くを占めています.高齢化社会となった現在では,骨粗鬆症の罹患率も高率となり,本骨折は臨床ではとても頻度の高い骨折の一つです. 本骨折は大きく4 つに分類されます. - 研究発表に役立つ 医学写真ワンポイントアドバイス
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- 基礎疾患をもつ患者はココがキケン 全身管理ができるナースになろう!
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- 整形外科の在宅医療の現場から 退院後の患者さんはどう過ごしてる?
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異常行動への対処
14巻7号(2009);View Description
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在宅で療養している高齢者において、認知症が原因で起こる異常行動は非常に大きな問題であり、そのために本人および介護者のQOL が低下し、在宅生活を断念せざるをえないケースにはしばしば遭遇します。異常行動は、転倒の大きな原因の一つであることから、それらに適切に対処することは在宅医療の現場でもきわめて重要です。今回は、苦労は大きかったと思われるのですが、上手に対応できた例について紹介します。 - 部位別でわかる 整形外科「要」語集
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20 世紀初期から中後期へ イギリス連邦諸国の整形外科の近代化(13)アイルランドの整形外科の近代化(1)
14巻7号(2009);View Description
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アルスター(Ulster)とよばれるアイルランドは,1949 年に完全独立するまではイギリスの自治領だったので,イギリス連邦としてこの国の近代化について述べる.