Volume 14,
Issue 11,
2011
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【展望】
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Source:
臨床精神薬理 14巻11号, 1759-1767 (2011);
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最近の大規模な有用性試験や有効性試験のメタ解析の結果より,第2世代抗精神病薬(second-generation antipsychotics : SGA)は,第1世代抗精神病薬(first-generation antipsychotics : FGA)と比較して有効性や有用性に大きな差はないが,安全性に明確な違いが存在することが判明した。すなわち,SGAはFGAよりも急性や慢性の錐体外路症状(extrapyramidal symptoms : EPS)の発現頻度は低いが,体重増加や脂質代謝異常などの代謝性副作用を懸念すべき薬剤が多い。またSGAの中には,高プロラクチン血症,過鎮静,起立性低血圧やQTc延長といった副作用を生じるものがあり,副作用プロフィールは一律ではない。したがって患者個々の薬物治療において,いかにSGAの副作用を最小化していくかは,生活の質やアドヒアランスを高める上でも重要な課題である。本稿では,SGAの副作用,特にEPSに焦点を当てて最小化のためのストラテジー,すなわち薬剤選択,用量設定,剤型選択,服薬回数,併用薬物治療や薬剤の切り替えなどを概括し,今後の課題について考察した。 Key words : effectiveness, extrapyramidal symptoms, second-generation antipsychotics, atypicality, side effec
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【原著論文】
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Source:
臨床精神薬理 14巻11号, 1829-1835 (2011);
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抗精神病薬内服中の統合失調症患者では,従来から便秘の頻度が高いといわれている。しかし,実臨床下での特に抗精神病薬の種類と便秘との関係の報告は稀である。我々は,浅香山病院の慢性期病棟に入院中の統合失調症および統合失調感情障害の患者における2009年4月1日の処方内容から,便秘治療薬投与量と患者背景や抗精神病薬の使用状況などとの関係を後方視的に調査した。結果,解析対象405例において便秘治療薬高用量群では,フェノチアジン系を内服している患者の割合が高かった。また,女性,長い罹病期間,抗精神病薬および抗不安薬/睡眠薬の高用量投与も便秘の危険因子と考えられた。便秘は患者のQOLを損なうだけでなく,重症になると麻痺性イレウスを発症し,生命にかかわる危険もある。第2世代抗精神病薬が主流となった今日,改めて統合失調症患者の便秘やイレウスのリスクを最小限にするための薬物療法や生活指導を検討する必要性を強調したい。 Key words : constipation, ileus, laxative, antipsychotics, schizophrenia
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【シリーズ】
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臨床精神薬理 14巻11号, 1837-1838 (2011);
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【原著論文】
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臨床精神薬理 14巻11号, 1839-1844 (2011);
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本邦では,諸外国では発売されていない抗精神病薬の散剤が存在する。本研究では抗精神病薬の散剤処方が投与剤数・投与量に与える影響について解析した。対象は,本研究に同意を得た9病院における18の精神科病棟で,2008年1月の調査日に在院していた統合失調症と診断された428名とした。対象者の定期処方を抗精神病薬散剤の有無に分けて分析した。抗精神病薬散剤の処方率は,24.1%であった。抗精神病薬の投与量がchlorpromazine換算値で1000mgを超え,そのうち散剤を含む群の方が含まない群に比較して有意に高かった。また,抗精神病薬の投与剤数も散剤を含む群の方が含まない群に比較して有意に多かった。本研究結果は,抗精神病薬散剤の選択が投与量,投与剤数の増加に関連することを示唆している。抗精神病薬散剤の選択は必要最低限にとどめるべきである。 Key words : schizophrenia, polypharmacy, powder prescriptions, antipsychotics
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【症例報告】
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Source:
臨床精神薬理 14巻11号, 1845-1850 (2011);
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自閉性障害(autistic disorder : AD)の行動上の障害として興奮性があり,他者への攻撃性,意図的な自傷行為,癇癪,気分の易変性などの症状として出現する場合がある。Risperidoneとaripiprazole(APZ)は小児(6~17歳)のADにおける興奮性の治療に対して米国で承認を受けた。しかし本邦においては,ADの患者を対象としたAPZの有効性や安全性について検討した研究は行われていない。今回筆者らは,興奮性を主訴に当院児童精神科を受診しADと診断された2名の患者に対し,APZの投与を行い奏効した症例を経験したので報告する。治療の評価スケールにはAberrant Behavior Checklist-Irritability subscale(ABC-I)スコアを使用している。その結果,2症例共にABC-Iスコアの改善が認められた。また,重篤な副作用を認めなかった。今後小児ADに対するAPZの有効性を証明するためには,症例の蓄積が必要である。 Key words : aripiprazole, second-generation antipsychotics, autistic disorder, irritability, case report
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【総説】
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臨床精神薬理 14巻11号, 1851-1858 (2011);
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2007年,Stanford大学の研究グループにより,Gタンパク質に連動するadrenaline受容体の精密な構造がantagonist付で解明された。受容体pocketの構造はligandのサイズによって柔軟に変化し,受容体とligandの相互作用は従来漠然と考えられてきた鍵(ligand)と鍵穴(受容体pocket)のような強く立体的に規制された関係ではないことが示唆された。現在,定説化されている精神薬理には,鍵と鍵穴思想を背景に成立したものが少なくなく,これらは多少の修正が必要になろう。薬のmultireceptor action,dopamine agonistの薬理,SSRI,SNRI,覚醒剤に見られる逆耐性現象,定型および非定型抗精神病薬の薬理などについて,修正すべき問題点を取り上げ,検討した。 Key words : receptor structure, ligand receptor interaction, antipsychotics, multireceptor action, psychopharmacology
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【資料】
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臨床精神薬理 14巻11号, 1859-1867 (2011);
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服薬アドヒアランスを正確にチェックすることは困難であり,再発を繰り返して初めてアドヒアランス不良が明らかになる場合も多い。そこで副作用の実態把握を薬剤師による聞き取り調査から検証した。副作用項目を選択するチェックシートと東京女子医科大学病院精神科薬剤部で作成した聞き取り表を用いて,副作用,その頻度,医師への報告状況を調査した。副作用項目の頻度は,(1)昼間でも眠気がある,(2)朝,なかなか起きられないに次いで,(6)~(11)性機能障害が3番目に多く,それ以外の副作用と比べ,医師へ話したことが無い患者が多い傾向であった。副作用によって日常生活への支障を感じていた患者は30~40%であり,また60~70%の患者はその副作用に我慢できないと回答した。薬剤師は,患者が医師に訴えることができない副作用等を積極的に聞き取り,医師へフィードバックし,服薬を継続していけるような薬剤選択を提案していく必要があると思われた。 Key words : schizophrenia, medication adherence, side effects, sexual dysfunction, drug administration guidance
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【座談会】
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Source:
臨床精神薬理 14巻11号, 1883-1892 (2011);
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Source:
臨床精神薬理 14巻11号, 1893-1902 (2011);
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【シリーズ】
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Source:
臨床精神薬理 14巻11号, 1903-1910 (2011);
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