Volume 10,
Issue 12,
2008
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徹底理解!網膜硝子体5大疾患の「眼底」と「病変」
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眼科ケア 10巻12号, 1149-1149 (2008);
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徹底理解!網膜硝子体6大疾患の「眼底」と「病変」
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第一特集
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眼科ケア 10巻12号, 1150-1156 (2008);
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眼底解説:少し硬い印象の小さな黄白色の斑状沈着物は、硬性白斑(HE;hard exudate)と呼ばれています(.)。とくに単純糖尿病網膜症の段階から眼底に現れてくる所見で、近傍に毛細血管からの血液成分の漏出が存在することを表しています。赤色の点状病変は二種類あり、一つは網膜の毛細血管瘤で(.)、糖尿病網膜症による血管内皮の障害と、それに引き続いて血管瘤の形成を表す所見です。もう一方の赤色の点状病変は、毛細血管の破綻による点状出血(dot hemorrhage)です(.)。毛細血管瘤も点状出血もそれ自体では、ほとんど視力障害をきたすことはなく、写真のような単純糖尿病網膜症の段階では、ほとんど自覚症状を伴わないことが一般的です。人間ドックなどで初めて指摘を受けて糖尿病が発覚することもあります。
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眼科ケア 10巻12号, 1158-1161 (2008);
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硬性白斑(HE;hard exudate)は、網膜血管の破綻や血管瘤からの血液成分の漏出があることを表す所見です。これが黄斑以外にある場合は、ほとんど自覚症状を伴うことはありませんが、中心窩に多数集積すると中心暗点をきたし、視力低下をひき起こします。また、その付近の網膜は浮腫を起こしていることも多くあります。
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眼科ケア 10巻12号, 1162-1166 (2008);
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網膜剥離の病態を理解するには、まず網膜の構造について把握する必要があります。一般に視細胞を含む網膜と呼ばれているものは神経網膜といって、その外側にある網膜色素上皮細胞層と区別して考えます(図1)。この両者の間には物理的な接着はほとんどなく、生体においては網膜色素上皮細胞(RPE)が網膜下液の吸引・排出をすることによって網膜下腔を陰圧に保ち、これによって接着力を生じています(図2)。つまり、網膜の接着は生物学的機構によってなされているといえます。この接着機構に何らかの障害が加わると網膜剥離が発生します。 網膜剥離はその原因によって三つのタイプに分類できます。以下にそれぞれの病態について説明します。
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眼科ケア 10巻12号, 1167-1170 (2008);
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網膜中心動脈から眼内に入り、網膜を循環した血液は、最終的には1 本の網膜中心静脈を通って眼外に流れ出ます。網膜中心静脈閉塞症(CRVO;centralretinal vein occlusion)は、この網膜中心静脈が視神経乳頭の後方(眼球から出たあたり)で、循環障害を起こすことによって起こると考えられています。網膜中心静脈は最終的に1 本になる前に、2 本になっている人もいます。そこで、そのうちの1 本が詰まると半側網膜中心静脈閉塞症が発症します。網膜中心静脈閉塞症は高齢者に多くみられる病気です。高血圧・動脈硬化・糖尿病などが危険因子になりますが、高齢者の場合には、これといった原因がない場合も多くみられます。また、網膜中心静脈閉塞症は若年者・壮年者でも生じることがあり、その場合には視神経乳頭の炎症や膠原病などを伴っていることがあります。
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眼科ケア 10巻12号, 1171-1175 (2008);
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網膜色素上皮とブルッフ膜の間の黄白色の斑状の沈着物で、加齢現象として40 歳ぐらいからときに認めるようになり、高齢者ほど出現頻度が高くなってきます。ドルーゼン自体では自覚症状を認めませんが、大きめのものが黄斑部近傍に出現した場合、加齢黄斑変性の前駆段階と考えられ、注意が必要となってきます。この時点で、患者さんに対する発症予防のための生活指導が大切です。喫煙は危険因子の一つで、喫煙者にはこの時点で禁煙を促すほか、日常的に緑黄色野菜を意識して摂取してもらうか、代わりにルタックスR(参天製薬)やオキュバイトR(ボシュロム社)など、ビタミンC、 E、βカロチン、ルテイン、亜鉛などを含有するサプリメントの内服を勧め、また、光線暴露を避けるために晴れた日の外出時のサングラス着用などの指導を行います。
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眼科ケア 10巻12号, 1176-1180 (2008);
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黄斑円孔の発症原因は、硝子体がとても重要な要因になっています。ご存じのように、硝子体は眼球内部に存在する、透明な卵の白身のようなゼリー状のもので、表面を硝子体皮質に覆われた形で存在しています(図1)。硝子体は、眼球の後方、黄斑部の直前では空洞を形成しています。その内部は水分で満たされており、硝子体ポケットと呼ばれています。
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徹底理解!網膜硝子体7大疾患の「眼底」と「病変」
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第二特集 神経眼科疾患の処方箋 ドクターからナースへの指示簿
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眼科ケア 10巻12号, 1205-1205 (2008);
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眼科ケア 10巻12号, 1206-1209 (2008);
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視神経炎は、文字通り視神経に炎症が起こる疾患です。視神経は、網膜で取得した視覚情報を脳へ送るケーブルのようなものです。したがって、視神経に炎症があると視機能は低下します。視力が低下し、色がわかりにくくなり、コントラスト感度が低下するのです。そのため、日常生活に支障が生じてしまいます。加えて炎症が起こっていることから、眼球運動痛や頭痛を伴います。人によっては痛みがとても強く出ることもあり、視覚障害に加えて二重苦を持つことになります。
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眼科ケア 10巻12号, 1210-1213 (2008);
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臨床実習で医学部のある学生に「甲状腺眼症って何?」と質問すると、「バセドウ病のことです」という答えが返ってきました。皆さんこれは正しいでしょうか。答えは「No」です。バセドウ病は、1840 年にドイツのメルゼブルグ市の開業医バセドウさんが甲状腺腫、眼球突出、動悸を3 徴(トリアス)とする症例を報告して以来、その名が世界に知れわたりました。私に質問された学生は、このトリアスの一つである眼球突出のことを聞かれたのだと思い、答えたのでしょう。150 年以上前であれば、学生の答えは正解だったでしょうが、残念ながら今は違います。
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眼科ケア 10巻12号, 1214-1217 (2008);
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麻痺性斜視の処方箋についてお話しする前に、まず麻痺性斜視とはどのようなものかを解説したいと思います。 斜視にはどの方向を見ても斜視の角度が変わらない共同性斜視と、目の動きが悪くなり斜視になる麻痺性斜視(非共同性斜視)があります。子どもの斜視の大部分は共同性斜視です。子どもの場合、目が内か外に寄っていても、眼球運動に問題はありません。しかし、麻痺性斜視では目の動き自体が悪くなっています。
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連載
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こんげつの眼底
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眼科ケア 10巻12号, 1141-1141 (2008);
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22 歳、女性。頭痛、嘔気、複視を自覚し当院初診。RV=(1.0)、LV=(1.2)、RT=14mmHg、 LT=16mmHg。右眼外転神経麻痺(+)。既往歴:乳児期に水頭症のためシャント術施行。
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ポイントチェック!眼科手術の説明・準備・介助
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眼科ケア 10巻12号, 1144-1147 (2008);
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さまざまな原因でまぶたが正常な位置より下がった状態を眼瞼下垂といいます。患者さんは「視界が狭くなってきた」と訴えることが多く、眼瞼下垂手術とはその下がったまぶたを正常な状態に回復させるための手術です。
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メがでる話
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眼科ケア 10巻12号, 1183-1183 (2008);
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医療がサービス業として走り出して十数年が過ぎ、「患者さん」から「患者様」へと呼びかたも変わりました。今や医療には、患者さんの満足度を追求し、質の高い洗練されたサービスが求められる時代となりました。
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めざせ!快適なメガネ こんなときどうしよう?
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眼科ケア 10巻12号, 1184-1187 (2008);
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患者さんの背景 8 年前にクモ膜下出血を発症し、右側同名半盲になった。その間、自分で工夫して生活してきたが、混雑したところでは人にぶつかることが多く、インターネットで同名半盲に対してのプリズム療法があることを知り来院した。
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インタビュー眼科ケアな人たち
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眼科ケア 10巻12号, 1189-1191 (2008);
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おもな業務は医薬品の有効性・安全性に関する情報提供なので、コメディカルの皆さんがよく目にされているように、ドクターや薬剤師の先生と毎日面談しています。弊社のMR は全国の眼科施設を網羅しており、そのうち私が担当しているドクターは約50 名です。
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施設紹介
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眼科ケア 10巻12号, 1192-1193 (2008);
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当院では1987年の開院当初より白内障の日帰り手術を行っており、いかに安心して手術を受けていただけるかということに最も力を入れています。そのために、まずドクターとスタッフ全員で当院オリジナルのパンフレットを作製しました。これはつねに改良を重ね進化させています。高齢の患者様も多く、パンフレットだけではご理解されにくいことがあり、説明ビデオも皆で作製しました。ドクターの説明の後にビデオをご覧いただき、その後に看護師がもう一度説明するというシステムにしています。診察の際も患者様とのコミュニケーションを最も大切にし、個々の患者様のニーズに合った最善の医療を提供しています。
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アロマセラピーでeyeを癒そう!
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眼科ケア 10巻12号, 1197-1197 (2008);
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今、眼科領域でもアロマセラピーが注目されています。正しい知識を身に付けて、患者さんだけでなく、自分も癒していきましょう。
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転んでもタダでは起きるな!ORTのベリーズ体験記
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眼科ケア 10巻12号, 1198-1199 (2008);
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暇をもてあまして始めたことは、「ベリーズの点字普及大作戦」です。一般的なインフラはある程度揃っているこの国ですが、障害を持つ人たちとの共生の域にはまだまだ達していません。私の活動先であるBCVI(ベリーズ視覚障害協会)で点字教育の普及に力を注いでも、実際にそれを使えるのは点字化された教科書を読むときぐらいで、公共の施設に行っても点字掲示板などは見たことがありませんでした。
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私の提言、苦言、放言
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眼科ケア 10巻12号, 1200-1201 (2008);
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もう二十年ほども前だろうか、大学病院で経験した忘れられない二つの出来事を今回と次回とで紹介する。
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ごきげんナースとごきげんドクター
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眼科ケア 10巻12号, 1202-1203 (2008);
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お酒は「百薬の長」と言われる。一方タバコは、「百害あって一利なし」と言われる。どちらも高校時代には「20 歳になったらできる大人の行為」だっただけに、似たようなイメージがあるが、喫煙はエイジングのもっとも大きなリスクファクター。がんの発生率が上がる、動脈硬化になる、心筋梗塞になる、糖尿病のリスクが上がる、黄斑変性の可能性が高まる、皮膚にしわができる……など、悪いことばかりである。だから医療従事者としては、「タバコはやめましょう」と大きな声を出して言える。そこには迷いがない。
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どうぶつの目医者さん
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眼科ケア 10巻12号, 1204-1204 (2008);
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悪性黒色腫は、腫瘍のなかでも悪性度はとても高いとされています。今回は人にはない、動物の瞬膜に発生したケースの紹介です。悪性黒色腫という最終病理診断は、手術後の検査で確定されたものですが、臨床所見からおおよその判断はつきました。でも、この犬のような瞬膜への発生例は珍しいのではないかと思っています。
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知っておこう 役立てよう 見えにくい人の福祉サービス
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眼科ケア 10巻12号, 1218-1219 (2008);
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投稿 私たちのとりくみ
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眼科ケア 10巻12号, 1220-1225 (2008);
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近年、さまざまな施設・分野においてバリアフリー化が進められ、障害者に対する配慮がなされるようになりました。しかし、コミュニケーションや情報に関する障害を持つ人は、4 割以上が外食店を利用する際に障壁 (バリア) を感じており1)、いまだに多くの行動制限が存在する現状にあります。 一方、外食市場は個人消費上昇を背景に現在も拡大を続け、店舗環境や料理の質・種類も多様化しています2, 3)。さらに、最近ではインターネットでメニュー、サービス、店舗の特徴などの情報を公開する外食店も増加しました4)。飲食店におけるこれらの傾向は、今後もさらに発展すると予想されていますが5)、視覚的な情報を得にくい人では行動が制限されることが考えられます。そこで本研究は、視覚障害者における外食時の行動を調査し、障害者の看護に応用可能な支援・配慮について検討することを目的としました。