眼科ケア
Volume 11, Issue 8, 2009
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第一特集
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- 点眼薬知識のおさらい&トラブルの回避と対処
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1.まずはこれだけ点眼薬の超キホン
11巻8号(2009);View Description Hide Description点眼薬は眼科における治療の基本であり、局所に高い濃度の薬剤を投与することができ有効濃度を確保しやすいというメリットがあります。 しかし液状の薬剤であるため、点眼方法や取り扱いには十分な注意が必要です。誤った方法では薬の効果が得られないうえに、副作用のリスクもあります。以下に点眼薬についてのいくつかの基本的な事柄について説明します。 -
2.メーカー発 覚えておきたい点眼薬のキホン
11巻8号(2009);View Description Hide Description目の病気には目薬と相場が決まっているようですが、すべての目の病気が目薬で治るわけではありません。ひょっとしたら治らない病気のほうが多いかもしれません。それでも、目薬(目薬と書きますと、イメージとして一般用点眼薬、すなわちOTC 目薬を連想しますので、ここからは、医療用点眼薬をイメージしてもらえるよう、点眼薬と書きます)、いや点眼薬を使うのはなぜでしょう。ドライアイや眼アレルギー、眼感染症などの外眼部疾患や緑内障や白内障といった前眼部疾患には、点眼薬が効果的です。これは内服薬では、吸収されて一度血中に入って全身を巡るので、これらの眼部位に十分な薬が届かず、一方、点眼という局所投与では、血中に移行しないので、必要な量の薬が疾患部位に届きやすいというメリットがあります。 それでは、治療に使われる点眼薬とはどういうものでしょうか。「有効性」と「安全性」と「安心感」という3 つの切り口で考えると、前の2 つはよく議論されていると思いますので、ここでは安心感について説明したいと思います。点眼薬における安心感が、実は基本中のキホンで、これからの高齢化社会を考えてみても非常に重要だと思います。 -
3.外来での点眼指導
11巻8号(2009);View Description Hide Description外来患者さんでの治療は自宅での点眼治療が主体ですので、適切な治療を行ううえで、点眼指導は非常に重要になります。とくに注意を要する対象患者さんは、高齢者、乳幼児の家族、初診の患者さんです。また何種類かの点眼薬を処方された場合や、手術の前後の処方では、より正確な点眼ができるように配慮することが大切です。点眼方法そのものもさることながら、点眼の順序や開始日など細かな配慮が必要な場合もあります。高齢患者さんの場合には家族への説明と協力が不可欠な場合もあります。 -
4.病棟での点眼指導
11巻8号(2009);View Description Hide Description当眼科病棟では、患者さんの自己管理として重要な点眼指導を、看護師だけでなく薬剤師と連携を取りながら行っています。入院時、患者さんにはまず点眼ビデオによる指導を行います。その後、看護師が管理していた点眼行為を、退院指導の一環として自己点眼開始となった時点で、病棟担当の薬剤師が各患者さんの点眼表を作成し、それに基づいて自己点眼指導を始めます。患者さんや家族は薬剤師から説明を受け、日々の担当看護師や受け持ち看護師から点眼指導を受けます。 -
5.治療でよく使われる抗菌点眼薬
11巻8号(2009);View Description Hide Description抗菌薬はその名のとおり、細菌の増殖を抑えたり殺したりする薬です。内科でも外科でも、風邪をひいても傷ができてもよく使用されるのでなじみのある薬だと思います。 眼科領域にも細菌性結膜炎や麦粒腫(ものもらい)、角膜感染症などさまざまな細菌によりひき起こされる病気があります。もちろん眼科でも感染症の治療方針は他科と同じで感染した微生物に効果のある薬剤を投与することが重要となりますが、眼科で特別なところは他科と違って病気のターゲット(感染巣)に抗菌薬を直接的に行き渡らせることができるところです。 内服や点滴などの全身投与は抗菌薬としては濃度が高いのですが、投与した薬がまずは全身に行き渡り、そこから血流に乗って目に届くので眼球自体に届く濃度はずいぶん薄くなってしまいます。また、血管がない組織である角膜(くろめ)には血行を経由する全身投与の薬はなかなか行き渡りません。それに比べて点眼薬や眼軟膏は薬の濃度自体は点滴などに比べて低いですが、直接目に投与して目のなかへと広がっていくので、目の感染症(とくに角膜や結膜)では局所投与が治療の第一選択になります。 -
6.治療でよく使われる緑内障点眼薬
11巻8号(2009);View Description Hide Description現在、緑内障の治療として確立されているものは、眼圧を十分に下げることによって視神経障害の進行を遅らせることだけです。そのなかでも比較的安全性の高い点眼薬は非常に重要な位置を占めています。 ここでは、緑内障点眼薬の種類とその作用についてだけではなく、緑内障の患者さんによく使われる内服薬や注射薬についてもご紹介します(表1 〜 9)。 -
7.治療でよく使われるアレルギー点眼薬
11巻8号(2009);View Description Hide Descriptionアレルギー性結膜疾患の治療としては、炎症をひき起こす化学伝達物質をたくさん含む肥満細胞に作用し、それらの物質の放出を防ぐ点眼薬や、肥満細胞よりすでに放出されたヒスタミンの作用を阻害する点眼薬、そして全般的に炎症を抑える非ステロイド系抗炎症薬や副腎皮質ステロイドの点眼薬が使用されます。また、最近では重症な症例に対しては、リンパ球の一種であるT 細胞のサイトカインという生理活性物質の産生を抑制する免疫抑制剤の点眼薬も使用するようになりました(図1)。 ここでは治療によく使われるアレルギー点眼薬を、㈰メディエーター遊離抑制薬、㈪ヒスタミンH1 受容体拮抗薬、㈫非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)、㈬副腎皮質ステロイド薬、㈭免疫抑制剤の5 つに分類して順に紹介していきます。 -
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8.スタッフの点眼 トラブル回避&対処
11巻8号(2009);View Description Hide Description眼科診療に携わるなかで点眼トラブルを経験した、もしくは回避できたがヒヤリとした経験を持つ方は多いのではないでしょうか。今回は頻度の高い点眼トラブル例を挙げながら、回避の対策と起こってしまった場合の対処について説明したいと思います。 -
9.患者さんの点眼 トラブル回避& 対処
11巻8号(2009);View Description Hide Description毎日診療をしているとさまざまな患者さんに出会います。点眼薬が1 剤であれば間違いは少ないのですが、2 剤、3 剤と増えていくと患者さんには大変なことです。似たような名前、色、形の点眼薬は医療従事者でも混乱することがありますが、それを自分で管理しなければならない患者さんの負担は大きく、そのことがコンプライアンスの低下につながる可能性もあります。そのため、私たちはできるだけ患者さんにわかりやすく説明し、その点眼薬が必要なのだということを認識してもらう必要があります。 患者さんの点眼トラブルを大まかに下記のように分類し、ランキングにしてまとめました。
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第二特集
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- 涙道疾患の基礎知識
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連載
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- こんげつの眼底
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- 検査がもっと深くなる! そ〜だったのか 目トセトラ
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- ここにフォーカス!多焦点レンズ
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- メがでる話
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- Dr.マイケルの メバチコってナンだョ?
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- 転んでもタダでは起きるな!ORTのベリーズ体験記
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- 私の提言、苦言、放言
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- ごきげんナースとごきげんドクター
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- メガネ屋オヤジのEye Love通信
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- デイサービスの現場から 見えにくい高齢者のための介助あれこれ
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投稿
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- 私の気持ち
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眼科看護に期待すること〜硝子体手術を経験して〜
11巻8号(2009);View Description Hide Description健康のありがたさは体験してみないとわからないといわれる。日ごろから健康だと自負していた私は、突然、左眼に「黄班円孔」という病名をいただき、そのことを実感した。個人的な体験ではあるが、眼科看護への期待が膨らみ、その思いのいくつかをエピソードとしてお伝えできればと思う。
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インタビュー
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- 眼科ケアな人たち
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施設紹介
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- となりの施設に聞いちゃいました 教えて! 眼科クリニック
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にしむら眼科
11巻8号(2009);View Description Hide Description当院の理念は「感謝」です。当院は患者さんに感謝していただけるクリニックを目指しています。そのためにはまず、われわれが患者さんに感謝することが大切だと考えています。感謝の気持ちをお互いが持つことで治療効果が高まると信じています。そのために以下のことにとくに力を入れています。