眼科ケア
Volume 12, Issue 6, 2010
Volumes & issues:
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目次
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第一特集
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- ここが違う! 新人とベテランの視力検査
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1.オートレフラクトメータ
12巻6号(2010);View Description Hide Description他覚的屈折検査には検影法とオートレフラクトメータによる方法があります。検影法で正しく測定するためには熟練が必要ですが、オートレフラクトメータは誰でも短時間で手軽に患者さんの屈折状態を把握することができます。 最近のオートレフラクトメータの精度は高くなっていますが、操作・測定方法を誤ると信頼性の低いデータとなる場合があります。しかし測定方法に注意し正確な検査結果を出すことにより、自覚的屈折検査の精度を上げ、時間の短縮にもつながりたいへん有用な機器となります。 屈折検査はすべての検査の基礎となるため、さまざまな点に注意しながら検査を進めていく必要があります。 -
2.成人の視力検査(遠見視力・近見視力)
12巻6号(2010);View Description Hide Description成人の視力検査は最も多い眼科検査の一つです。それだけに対象は、年齢も幅広く、さまざまな疾患、症状の患者さんの検査を行います。同じ症状でも患者さんの表現はさまざまですし、正確でないことも多々あることでしょう。しかし、患者さんの訴え、とくに今までの見えかたとの変化や違和感を聞き逃さないようにします。正確な視力測定を行うためには、まずカルテからの情報は重要です。たとえば半盲の患者さんには視標の呈示位置にも気を配る必要があります。そのうえで、患者さんが実際に感じていることと検査結果に整合性があるかどうかを確認しましょう。また近見視力検査は、遠見視力が正確でないと正しい結果が得られないため、つねに遠見最高視力を出すようにしましょう。 -
3.小児の視力検査(遠見視力・近見視力)
12巻6号(2010);View Description Hide Description子どもの視力検査は「正確な検査結果を出すぞ!」と、ついつい検査に夢中になっていると、患児が検眼枠をずらして良いほうの目でのぞいていたり、集中力が低下してきて返答があいまいになっていたりするといった変化を見逃しがちになってしまうことがあります。患児のためにも自分のためにも、休憩をとったり違う検査をしたり、興味のある話をしたりしてクールダウンしましょう。お互い気分も一新してうまくいったりするものです。 それでも無理な場合は「今日はここまで」と引くことも肝心です。視力検査に対して嫌な印象を持たれてしまうと次回の検査にも影響するので「よく頑張ったね」と声を掛けて笑顔で終わるように心掛けましょう。 -
4.近視の患者さんの視力矯正
12巻6号(2010);View Description Hide Description眼科検査のなかで、最も多いのは矯正視力検査です。さらにそのなかでも近視の患者さんの視力矯正は、検査のいちばん初めに習得する、また、しなければならない必要不可欠な知識、技術といえます。理論上、近視の矯正は調節の介入をあまり考えなくてよいといわれていますが、検査する側の知識が不足していると過度な調節を強いることになったり、患者さんの応答をそのまま鵜呑みにすると、思わぬ落とし穴にはまってしまいがちです。でも、ちょっとした注意、知識でそれらは回避できます。事例をもとに、基本理論を振り返り、臨床での注意点をもう一度確認しましょう。 -
5.遠視の患者さんの視力矯正
12巻6号(2010);View Description Hide Description遠視患者さんの視力検査を行っていると、「視力が出にくい」「お答えに時間がかかる」「オートレフの値と実際のレンズ度数が合わない」など、スムーズに検査が進まずに戸惑うことがあると思います。 患者さんに比較的若年層が多い施設など、普段から近視患者さんの検査に慣れていると、たまに来る遠視患者さんに対し、なおさら感じることでしょう。 遠視患者さんの特徴は年齢層(幼児〜高齢)、遠視の程度(軽度遠視〜強度遠視)、眼鏡の有無(遠用眼鏡〜近用眼鏡)など、さまざまな要因により変化します。 遠視患者さんを測定する際に注意しなくてはならない点は「調節の介入」です。今回は「調節の介入」の例を挙げてその特徴を知り、視力測定の際、スムーズに検査が進められるポイントを習得しましょう。 -
6.乱視の患者さんの視力矯正
12巻6号(2010);View Description Hide Description球面矯正で調節の介入を防ぎ、最小錯乱円を正しく網膜上にもってくることができたら、乱視の矯正に入ります。乱視の矯正方法には、乱視表を用いる方法と、クロスシリンダーを用いる方法があります。それぞれの基本手順や、前焦線、最小錯乱円、後焦線と網膜との位置関係、乱視表や視標の見えかたを理解しておかなければなりません。 -
7.患者さんとのコミュニケーション
12巻6号(2010);View Description Hide Description眼科のいろいろな検査のなかで、最も頻度が多く、最も大切ともいえる検査は視力検査です。なぜなら、矯正視力の変化は、病状の変化と大きくかかわっているためです。毎日行っている視力検査。測定方法は理解していても、なぜかうまくいかない。後から測りはじめた先輩の患者さんのほうが、先に終わっている、途中で患者さんが怒り出した、そんな経験はありませんか。 それは、なぜでしょう。視力検査は患者さんから答えを得ることで進めていく自覚的検査だからです。つまり、私たちと患者さんの間にうまくコミュニケーションが成立しないと、スムーズにいかないのです。そのために気をつけることは何か。新人さんが経験しやすいケースを挙げてみたいと思います。
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第二特集
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- 医療者として知っておきたい! 白内障をもっと理解する3疾患
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2.「アトピー性皮膚炎」と白内障
12巻6号(2010);View Description Hide Descriptionアトピー性皮膚炎に眼合併症を伴うことはよく知られています。代表的なものとして白内障、網膜.離、円錐角膜、アレルギー性角結膜炎などが挙げられます。そのなかでも視力低下をきたす主たる眼合併症としてアトピー性白内障が挙げられます。本稿ではアトピー性白内障の特徴、成因、治療、術後の管理について解説したいと思います。 -
3.「遺伝性疾患」と白内障
12巻6号(2010);View Description Hide Description遺伝は親の形質(形や性質)が子どもに伝わることをいいます。遺伝病は親に発症している病気が子どもに伝わるか伝わらないかということではなく、遺伝を担っている遺伝子や染色体の異常が原因で起きる疾患の総称を示しています。今日、ヒトの60%は遺伝性の病気にかかっているといわれています。その発症原因は私たちが生活している周辺の環境要因と遺伝的要因の相互作用によると考えられています。生命を脅かす病原菌やウイルスに感染しても、病気が発症しないヒトがいるのは、遺伝的要因がかかわっていると考えられます。目の病気にも多くの遺伝性疾患1)が報告されていますが、水晶体が濁る白内障は、生まれながらに発症している先天白内障を除いて多くは非遺伝性であります。ただし、白内障の発症や進行およびその程度には個人差が大きく、そこに何らかの遺伝的な関与も示唆されていますが、いまだ明確にはわかっていません。そこで本稿では病気と遺伝、および遺伝的先天白内障にかかわる遺伝子について解説します。
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連載
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- こんげつの眼底
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- “たとえイラスト”でわかる! 眼科手術の原理
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- はじめてのオルソケラトロジーQ&A
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- 検査がもっと深くなる! そ〜だったのか 目トセトラ
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- インタビュー 眼科ケアな人たち
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- 施設紹介 となりの施設に聞いちゃいました 教えて! 眼科クリニック
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- 人生のパートナーを育てる 盲導犬訓練士の仕事
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- 最近気になる「目」と「心」の話 モアイの白目
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- 私の提言、苦言、放言
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- ごきげんナースとごきげんドクター
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- メがでる話
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- デイサービスの現場から 見えにくい高齢者のための介助あれこれ
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トイレに関するケアや環境整備
12巻6号(2010);View Description Hide Description「サポーター・ミズキ」は介護保険のデイサービス施設です。視覚に障害があっても在宅生活を楽しむための活力を高めていく支援を主たる目的として、介護と機能訓練を行っています。今回は、当施設で行っている「室内の環境整備」について、内容や配慮点などを説明します。