眼科ケア
Volume 12, Issue 8, 2010
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目次
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第一特集
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- 初心者のための わかる! 使える! OCT
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1. OCT って何?
12巻8号(2010);View Description Hide DescriptionOCTは生体の断層構造が非侵襲的に観察できる装置で、光を遮断する組織でなければ、従来の断層撮影ができる器機(エコー、CT、MRIなど)に比べてはるかに解像力に優れます。深さ方向への撮影には限界がありますが、小さく複雑な構造を持つ眼球にはふさわしい検査装置であるといえます。そういったことから眼科領域から開発がスタートし、現在では消化管内視鏡などに応用されています。 OCTは日本語では「光干渉断層計」と呼びますが、その名の通り、光の干渉現象を利用して得られた情報を画像化する検査装置です。具体的には、近赤外線の測定光を眼球に当て、その反射光と、基準反射光との波長ずれが干渉作用を生み、それを信号化します(図1)。これを深さ方向と測定軸方向に繰り返すことによって二次元画像を得ます(光干渉現象については、高度な物理学の知識が必要ですから、ここでは理解したつもりになってください)。 従来のOCT(タイムドメインOCT;TD-OCT)は一度のスキャンで1点の情報しか得られず、深さ方向に繰り返しスキャンすることが必要でしたが、現在主流となっているスペクトラルドメインOCT(SD-OCT)は一度のスキャンで深さ方向すべての情報を得ることができ、撮像の高速化を実現しました。 -
2.さわってみよう! OCT
12巻8号(2010);View Description Hide Description1997 年にOCT が国内に導入され、これまで直接見ることができなかった生体の網膜断層像の観察が可能となり、網膜硝子体疾患の診断に大きな進歩をもたらしました。 OCT の原理については特集1で触れていますが、機種はさまざまな会社から発売され、撮影の方法も異なります。ただし、画像から得られる情報は大まかにはほぼ同じです。近年の機種の目覚ましい進歩により、検査に費やす時間は短縮し、画質も大幅に改善しました。この項目では、当院で実際に使用している2 つのOCT についてご紹介します。 -
3.使ってみよう! OCT
12巻8号(2010);View Description Hide Description今日、光干渉断層計(optical coherence tomography:OCT)には多くの機種が発売されており、具体的な操作手順はそれぞれの機種で異なります。ここでは、どの機種を扱うときにも共通していると思われるポイントに重点を置いてお話します。また、ご紹介する実際の手順は当科で使用しているOptovue 社のRTVue-100 のものです。 -
4.OCT 画像をみてみよう!
12巻8号(2010);View Description Hide DescriptionOCT(光干渉断層計;optical coherence tomography)は、近赤外光を用いて生体の網膜・脈絡膜をはじめ視神経乳頭の断層写真を非侵襲的に撮影し、硝子体や網膜、脈絡膜、視神経乳頭の形態的な変化を観察する装置です。最近のOCT 画像の高解像度化により、病理組織に近い精密な画像を得ることができるようになりました。眼底疾患においては従来の眼底検査やフルオレセイン蛍光眼底造影、インドシアニングリーン蛍光眼底造影で得られる平面的な情報にOCT の断層像が加わることによって病変部を立体的に観察できるようになり、視神経乳頭の画像からは緑内障診療における情報を得ることができるようになりました。このことからOCT は登場以来、黄斑疾患や糖尿病などの眼底疾患やぶどう膜疾患、緑内障の診断、治療方針の決定、効果の判定に欠かせない検査となっています。 画像はカラーで表示することが多いですが、網膜の層構造を詳細に観察する上ではグレースケールで表示した画像のほうがわかりやすいので、この項目ではグレースケールにて解説します(カラー表示の写真は8 ページの「ColorPhoto CONTENTS」に別途掲載します)。 -
5.OCT 検査の後にすること
12巻8号(2010);View Description Hide DescriptionOCTの撮影が終わったら、撮影した画像を診察で使うべく目的に応じて解析したり、電子カルテに転送・保存したり、プリントアウトしたりする必要があります。この項目では、撮影したいくつかの画像から必要な画像を選ぶ方法、画像を解析・補正する方法、電子カルテへ転送する方法、プリントアウトを行う方法について説明します。
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第二特集
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- ここまでできなきゃ! 点眼薬の患者説明
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連載
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- こんげつの眼底
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- “たとえイラスト”でわかる! 眼科手術の原理
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黄斑疾患の手術
12巻8号(2010);View Description Hide Description今回から硝子体手術の各論になります。今回は黄斑疾患の話をしたいと思います。黄斑疾患といってもたくさんの疾患がありますが、今回は硝子体手術の適応になりやすい黄斑上膜と黄斑円孔について説明します。下の漫画は黄斑円孔の硝子体手術を例えたものですが、黄斑上膜も黄斑円孔も黄斑部に対する牽引が病気の本体として存在しており、硝子体手術で牽引を取り除くことが目的になります。 - はじめてのオルソケラトロジーQ&A
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- インタビュー
- 眼科ケアな人たち
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- 施設紹介
- となりの施設に聞いちゃいました 教えて! 眼科クリニック
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- 人生のパートナーを育てる 盲導犬訓練士の仕事
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- 最近気になる「目」と「心」の話 モアイの白目
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- 私の提言、苦言、放言
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- ごきげんナースとごきげんドクター
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- メがでる話
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- デイサービスの現場から 見えにくい高齢者のための介助あれこれ
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スタッフ会議( デイサービス実施後)
12巻8号(2010);View Description Hide Description高齢視覚障害特性を理解し、利用者個別のニーズに合わせたケアを行うためには、スタッフ(職員)全員のチームワークが大切です。そのためにはスタッフ会議が重要な役割を担っています。当施設では、スタッフ全体会議のほか、デイサービスの実施前後に毎回、当日担当するスタッフだけの会議を開きます。前回は、「デイサービス開始前に行うスタッフ会議」について説明しました。今回は、「デイサービス実施後に行うスタッフ会議」について説明します。 - 検査がもっと深くなる! そ〜だったのか 目トセトラ
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