眼科ケア
Volume 13, Issue 5, 2011
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目次
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連載
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特集
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【1 部. 検査機器のキソ手順】 1 オートレフラクトメータ
13巻5号(2011);View Description Hide Description遠視・近視・乱視の強さ(屈折度数)と、角膜の大きさ(角膜曲率半径)や形状を測定し、視力検査やコンタクトレンズのベースカーブを決めるときの手掛かりとするための検査に使用します。オートアライメント(自動追尾)機能により器械の操作は簡単で、屈折度数と角膜曲率半径を同時にすばやく測定することができます。屈折度数の測定範囲は、遠視・近視の度数(球面度数)が± 20.00D、乱視度数(円柱度数)が± 8.00D 程度です。2mm 以上の瞳孔径があれば測定できます。 検査の説明を理解できるようであれば、3 歳前後の子どもから測定可能です。ただし視力が不良であったり、検査の説明が理解できないといった、視標を固視できない人には検査困難となります。 -
【1 部. 検査機器のキソ手順】 2 ノンコンタクトトノメータ
13巻5号(2011);View Description Hide Description眼圧測定のスクリーニング目的として使用されます。眼圧とは目の硬さのことをいい、目の形状を維持するために、つねに一定の圧力が必要となります。器械の操作は簡単で、検査員の熟練度に左右されずに測定することができます。空気の吹きつけによる測定のため、点眼麻酔の必要がなく痛みを伴いません。また、眼球に直接接触しないため感染症のリスクも低いので、すばやく多くの人を測定するのに適しています。あくまでもスクリーニングが目的であり、測定値が変動しやすいので数回の測定が必要となります。操作は簡便ではありますが、視力が不良である、検査の説明が理解できないといった、視標を固視できない患者さんには検査困難となる場合があります。 -
【1 部. 検査機器のキソ手順】 3 オートレンズメータ
13巻5号(2011);View Description Hide Descriptionオートレンズメータは、眼鏡を載せるだけで球面度数、乱視度数、乱視軸と角度、プリズム度数、プリズム基底方向といったレンズ情報を自動的に測定することができます1)。とくに累進レンズの測定において威力を発揮し、正確に測定するためのアシスト機能が充実しています。忙しい眼科診療のなかで、検者の負担を軽減することができる非常に便利な機械です。ただし、正確な度数を測定するためには、正しい測定手順と、いくつかの注意点を知っておく必要があります。機種によって多少の違いはありますが、ニデック社のオートレンズメータLM-990A の単焦点レンズ測定モードと、累進レンズ測定モードを参考に、測定手順を紹介します。 -
【1 部. 検査機器のキソ手順】 4 スペキュラマイクロスコープ
13巻5号(2011);View Description Hide Description角膜内皮細胞の観察のために開発された生体顕微鏡です。角膜の最も前房側にある層「角膜内皮層」にある細胞の形状変化や数を観察します。現在では、角膜上皮細胞・水晶体上皮・涙液膜の観察にも使用されています。白内障の術前術後検査や、コンタクトレンズ装用者の角膜の状態の把握によく使われます。角膜内皮細胞は、一度障害されると再生しません。障害を受けて細胞が死んでしまった空隙を補うために、周囲にある細胞が大きくなって隙間を埋めていきます。 -
【1 部. 検査機器のキソ手順】 5 ハンフリー視野計
13巻5号(2011);View Description Hide Descriptionハンフリー視野計(以下HFA)は、ゴールドマン視野計(以下GP)では検査困難な中心部の視野(感度閾値)を測定することを目的としています。そのほか、視野異常が疑われる場合や、スクリーニングの検査として非常に有用です。HFA は、視野平坦部の暗点検出に優れていますが、各測定点の間の小さな暗点は検出できないため、暗点の広がりがわかりにくいと覚えておくとよいでしょう。 HFA は検査前に正確な説明をすれば、検者の熟練に左右されずに検査ができます。そのため、検者が代わっても比較的安定した結果を得ることができるのが利点です。患者さんが高齢者または小児であり、HFA での応答が難しい場合には、GP で検査を行うほうがよいこともあります。検者は説明を簡略化することなく、患者さんの年齢や理解力に応じて説明時の言葉を変えることも大切です。 HFA における光視標は、GP のそれとは異なり被検者に見つけられにくいため、得られる検査結果が同様にならない場合があります。検査終了とともに解析が行われますので、測定後すぐに数値化した結果を確認することができます。数値化した結果は、経過を観察する際に適しています。検査結果は内蔵のハードディスクと、フロッピーディスクおよびUSB フラッシュメモリに保存可能です。 -
【1 部. 検査機器のキソ手順】 6 眼底カメラ
13巻5号(2011);View Description Hide Description眼底カメラはカラー写真、蛍光写真、無赤色撮影などができます。撮影方法によって写真から得られる情報が変わりますが、どれも眼科的疾患の状態を客観的に記録することができます。そのほか、全身的な疾患に関連するものや、スクリーニングにも利用が可能です。 TRC-50DX は、撮影した写真を画像転送装置によりパソコン本体とリンクさせています。撮影した写真をすぐにデータとしてパソコン本体に送るため、リアルタイムで画像の確認を行うことができます。大きいパソコン画面に転送された写真では、ファインダー越しで確認できなかったわずかなピントのずれもはっきりわかりますし、撮り直しが必要かどうか瞬時に判断できます。また、こういったファイリングシステムは、臨床における膨大な患者データ管理を容易にするだけでなく、グループ化して保存すればデータ出力時に検索も簡単で、今後症例の検討や研究発表、教育を行ううえで非常に有用です。 -
【1 部. 検査機器のキソ手順】 7 OCT(眼底)
13巻5号(2011);View Description Hide Description光干渉断層計(optical coherence tomography;OCT)は眼球およびその付属器を観察、撮影または記録するために使用されます。今までのタイムドメインOCT とは違いスペクトラルドメインOCT(SD-OCT)は撮影速度が高速化されたことで、分解能が上がり、1 回の測定で得られる情報が増えています。スペクトラルドメインOCT ではB スキャンを並べることで、3次元画像を得ることができます。また、分解能が上がったことで、網膜以外の部位も前よりわかりやすく撮影することができます。 -
【1 部. 検査機器のキソ手順】 8 A モード
13巻5号(2011);View Description Hide Description組織面で反射した反射波が到達するまでの経過時間を横軸に、反射波の強さを縦軸に波形を表示したもので、おもにIOL パワー算定に必要な眼軸長の測定や、真性小眼球の鑑別に使用されます。測定は、専用のあご台や細隙灯顕微鏡のアプラネーショントノメータを使用する方法と、検査台を使用せず仰臥位で行う方法があります。 -
【1 部. 検査機器のキソ手順】 9 B モード
13巻5号(2011);View Description Hide Description超音波エコーを用いて眼窩内や眼球断面の組織を二次元的に映像化し、病変の位置関係や形状の把握を行います。眼腫瘍などの眼窩内病変の診断や、角膜および中間透光体の混濁による眼内の透見性が不良な場合の網膜剥離の有無など、眼内の状況把握に有用で、座位もしくは仰臥位で行います。 -
【1 部. 検査機器のキソ手順】 10 IOL マスター
13巻5号(2011);View Description Hide DescriptionIOL マスターは、白内障の手術時に挿入する眼内レンズ度数の計算に必要なデータを取得する装置です。測定後、度数計算まですることが可能です。眼軸長、角膜曲率、前房深度および角膜径を測定できます。眼軸長は非接触状態で測定できるので、圧迫による影響をなくすことができます。 -
【1 部. 検査機器のキソ手順】 11 角膜形状解析装置(トポグラフィー)
13巻5号(2011);View Description Hide Description角膜に投影したプラチドリング像をもとに、角膜の曲率半径や屈折力を算出し、角膜形状の解析を行います。角膜の不正乱視・円錐角膜などの観察、コンタクトレンズのフィッティング、白内障術前の角膜乱視の確認、白内障術後の角膜形状の変化を観察することができます。 -
【1 部. 検査機器のキソ手順】 12 OCT(前眼部)
13巻5号(2011);View Description Hide Description2007 年に、前眼部光干渉断層計(anterior segment optical coherence tomograph;前眼部OCT)が臨床応用されました。前眼部OCT は、近赤外光を観察光に用いた光干渉断層装置で、超音波生体顕微鏡(ultrasound biomicroscope;UBM)をはるかに上回る解像度で隅角を画像化することが可能になりました。前眼部OCT は、網膜の観察に用いられていた技術を前眼部用に特化して開発されたものです。眼底用OCT より長い波長の近赤外光を使用することにより、強膜や虹彩といった不透明組織がある前眼部での組織侵達度を高くして、角膜・結膜・強膜・虹彩・隅角の微細構造まで描出できるようになりました。タイムドメイン方式の前眼部OCT であるVisanteTM OCT(株式会社カールツァイスメディテック)と、フーリエドメイン方式のSS-1000 CASIA(株式会社トーメーコーポレーション)があります。いずれも測定は座位で行い、非接触で検査が可能です。利点は、UBM をはるかに上回る高解像度であるということ、測定時間が短いことが挙げられます。前眼部OCT の限界はUBM と同様、どの施設でも可能な検査方法ではないこと、測定にあたっては、眼瞼の影響を受けやすく、上下方向の撮影が困難となることが挙げられます。とくに、狭隅角眼や原発閉塞隅角緑内障眼では、眼瞼の狭い症例が多いため、上下方向の撮影はより困難となります。また、組織侵達度に限界があり、UBM のような虹彩後面や毛様体の観察は困難です。しかし、患者さんへの負担が少なく、測定再現性は良好であるため、経過観察に有用であると期待されています。 -
【1 部. 検査機器のキソ手順】 13 ERG
13巻5号(2011);View Description Hide Description光刺激に対する網膜の電気反応を記録する機械です。機能を評価する検査としては視力や視野検査などがありますが、これらは基本的には自覚的検査で患者さんの全身状態や理解力により、正確な検査をできないことがあります。ERG は他覚的検査のため、そのような影響を受けずに機能評価ができます。ERG 波形を解析することにより、網膜の外層、中層、内層のどの層に機能異常があるのか推測することができます。PE-3000 もLE-2000 もノイズレベルを下げる機能が付いており、ボタンを押すだけで容易にERG が記録できます。PE-3000 は発光装置からフラッシュが出ますが、LE-2000 はコンタクトレンズ電極にLED が装着されており、コンタクトレンズ自体が発光してERG が記録されます。LE-2000 は装置が軽量で、持ち運びが簡単です。現在、両機種とも販売中止となっていますが、現在最も日本でよく使用されている機種であり、今回はこれらの機械の使いかたを説明します。基本的に現在、トーメーコーポレーションから発売されているERG も同様の使いかたです。 -
【1 部. 検査機器のキソ手順】 14 ヘススクリーン
13巻5号(2011);View Description Hide Descriptionヘススクリーンテストは、右眼固視と左眼固視による自覚的な眼位ずれを記録する検査で、被検者の眼球の動きと複視の状態を調べることができます。外眼筋の運動制限や、過動の有無を明らかにすることができるため、麻痺筋の診断に有用です。また、図式化することにより、手術前後の経過を直感的に比較しやすいため、他科からの検査オーダーが多いのも特徴です。しかし、赤緑眼鏡を使用し、両眼の視野を分離して検査を行うため網膜対応異常や片眼の抑制といった感覚的な異常を伴う場合は、正確な検査ができないことがあります1)。ここでは、はんだや製ヘスチャートプロジェクターを用いて、検査の手順を紹介します。 -
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インタビュー
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【眼科ケアなモノたち 13コ目】 サンガードキャップ
13巻5号(2011);View Description Hide Description視覚補助具を中心に、目のケア・視覚のサポートに関わるさまざまなモノを紹介します
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施設紹介
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連載
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【どんなクレームもおまかせ! HAPPY ☆コミュニケーション 第2回】 毎回同じ訴えを繰り返す患者さん
13巻5号(2011);View Description Hide Descriptionクレーム対応が苦手なあなたに、患者さんとのコミュニケーションのコツを伝授します!今月の患者さんは、毎回医師から手術を勧められていますが、手術は気が進まないと断りつづけています。今日も睫毛抜去の処置を受け、診察を終了した後、いらだった口調で声を掛けられました。あなたならどのように対応しますか? -
【最近気になる「目」と「心」の話 モアイの白目】 目を持っていると
13巻5号(2011);View Description Hide Description霊長類のなかで「白目」があるのはヒトだけ。この事実を研究によって明らかにした小林先生は、以前から人一倍「目」に対する関心が強い。モアイ像に本当は目がついていたことを知ったときの感動が今も忘れられない。そんな小林先生が最近気になる「目」と「心」の話。 -
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【検査がもっと深くなる!そ~だったのか 目トセトラ 第18回】 オートレフの測定原理はどうなっているのですか?(その②)
13巻5号(2011);View Description Hide Description
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特別寄稿
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