糖尿病ケア

Volume 5, Issue 3, 2008
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特集 計算のいらない食事指導を目指して
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計算のいらない食事指導を目指して
5巻3号(2008);View Description
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糖尿病治療の基本といえば、「食事療法」「運動療法」「薬物療法」です。なかでも食事療法は、生活に根づいている行動であるだけに、指導も実行も難しいといえます。その一助となるように作成され、広く使用されているのが『糖尿病食事療法のための食品交換表』(以下、食品交換表)です。食品交換表は食事療法への理解を高めるために使用されていますが、一方では患者さんから「計算が難しい」「どう覚えてよいかわからない」などといった意見もあります。糖尿病の食事指導は、人間が空気を吸って生きていくように、食事療法が自然に身についていくことが目標なのです。そのためには、自身が楽しく健康に生きていくために必要な食事量を理解できることが重要です。今までの栄養指導の中には、長い経験や学習を強いられた指導もあったと思われます。しかし、患者さんには毎日の生活や仕事があるために学びの時間が少なく、理解はしていても実行できない人も大勢います。そんな患者さんに「いかに覚えてもらうか」「いかに学んでもらうか」「いかに実行してもらうか」ということは、栄養指導を行ううえでの大きな課題であるといえるでしょう。そこで今回の特集では、食品交換表の指導について改めて学ぶための企画を立てました。食品交換表の基本的な指導方法を理解するとともに、その弱点や、一部で「使いにくい」といわれる指導方法の理由を説明していきます。そして、その理解を助ける指導方法や、食品交換表に加えて覚えると食事療法がスムーズに行えるような方法、新しい考え方を加味した方法を解説しています。今回の特集が、これからの食事指導の新たな展開のお役に立てることを願っています。 -
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食品交換表の難しいところ
5巻3号(2008);View Description
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『糖尿病食事療法のための食品交換表』1)(以下、食品交換表)は、糖尿病の食事療法を医師や管理栄養士が具体的に指導しやすく、また患者さんと家族にもよく理解でき、指示された栄養量でそれぞれの食習慣や生活環境に応じて無理なく実行できるようにとの目的で作成されたものです。この食品交換表の正しい使い方を患者さんと家族に十分に理解し習得してもらうことが、糖尿病の良好なコントロールにつながります。『科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン(改訂第2 版)』2)の食事療法に関する解説の中でも、「日本では管理栄養士が食品交換表を用いて栄養指導することが多いが、理解の不十分な場合は、実際の食品やフードモデルなどを用いて指導する」2)と記述されています。しかしながら、その解説文では、「日本では食事指導に食品交換表を頻用するが、十分な理解を得られないことも多い」2)とも述べられています。そこで、本稿では食品交換表の理解が得られ難い点について、その対応策を検討していきたいと思います。 - 食品交換表の理解を助けるために
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(1)パソコンを活用した食事指導
5巻3号(2008);View Description
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食事指導の成否は、患者さんが食べすぎの認識を持つか否かにかかっています。しかし、計算された摂取量がいかに過剰であっても、個々の患者さんにとっては自身が設定してこれまで食べてきた量が適量であり、この概念を覆すことは紙上の数値では困難です。パソコン(PC)はワープロや計算のみではなく、ハイビジョンDV(HDV)を含めた映像の作成にきわめて有用なツールです。ステンドグラスは文字を読めない人に、聖書を教えるために工夫されたものであり、古来より映像の教育効果は認識されていました。「文字はヒトを“formal”にし、映像はヒトを“casual”にする」と言われ、これがマルチメディア(映像+音声あるいは文字)がコミュニケーション手段や教育媒体として有効とされる所以です。本稿では、PC で作成した食品ファイルや教育媒体による食事指導の実際を述べます。 -
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(4)ホームページを用いた在宅管理支援システム
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肥満を伴う耐糖能異常者に対し、食事と運動と生活習慣介入をすることで、糖尿病発症率を抑制することが報告されています1、2)。しかし、慢性疾患である糖尿病は、初期の段階では症状がないことが多いため、治療の重要性が軽視され、特に働き盛りの世代では治療を中断する人も多いようです。そこで、自宅で自己管理ができるようなシステムの開発が望まれています。近年急速に普及したインターネットやメールは、画像の使用が容易で、かつ双方向のコミュニケーションが取れるといった特徴を持ち、健康支援の分野においてさまざまな活用ができるものと期待されています3)。そこで本稿では、生活習慣改善のための在宅支援システムの一つとして、当院で行っているホームページ(HP)を用いた支援について紹介します。 - 食品交換表に加えたい指導
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連載
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- デンナースのヒュゲリな生活
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- 糖尿病の文献 これだけはおさえておこう!
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- 聞いて! 聴いて! 効いた! 食事指導
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- 今こそ取り組む災害時糖尿病対策
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- ケアの?に理学療法士が答える! 糖尿病療養援助誌上相談室
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運動後の低血糖対策を教えてください。運動はいつ行い、運動の前後ではどのような点に気をつけるとよいのでしょうか?
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- 糖尿病の検査と病態 正しく学ぶ! AtoZ
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レポート
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