糖尿病ケア

Volume 5, Issue 10, 2008
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巻頭カラー
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大切な未来のために
5巻10号(2008);View Description
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2 型糖尿病は、乱れた食事や不規則で不活発な生活習慣を長期間続けていると、知らず知らずのうちに高血糖を招いてしまう病気です。健診などで高血糖を指摘されながら、特に痛みを伴わないことや仕事が忙しいなどを理由に、結果的に放置してしまうという方も少なくありません。そして、多飲多尿、口渇、急激な体重減少などの具体的な症状が現れて、はじめて病院を訪れるという方が多いのも事実だと思います。このように、何らかの理由で放置してしまったり治療を自己中断してしまったりすると、糖尿病はさらに進行して、糖尿病合併症や大血管障害などを発症し、ついには身体障害を抱えてしまう段階へと進展してしまうおそろしい病気であることは、みなさんもご存知だと思います。 - その案いただき! 糖尿病患者さん指導用アイデアグッズ
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糖の流れT シャツ
5巻10号(2008);View Description
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糖尿病を理解するうえで最初に必要なのが、「糖の流れとインスリンの役割」だと思います。そこで、患者さんに説明する際に「ふしぎなポケット」のメロディにのせて歌いながら、その仕組みを実演し、視聴覚的に印象に残るような作品をつくりました。 - 1型糖尿病患者日記 糖尿病と向き合う瞬間
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仲間との再会と出会い
5巻10号(2008);View Description
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私の住む愛媛県の隣の高知県で、あるイベントが開催されることを聞きつけ、そちらの会場へと足を運んだ。隣県といえども、私の住む地域から高知市まで行くのはたいへん不便で、車で3時間はかかる。松山市に出るのも2時間半はかかるのだが、それ以上に遠く長い道のりだった。 - 2型糖尿病患者日記 糖尿病と向き合う瞬間
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時差の調整
5巻10号(2008);View Description
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海外旅行が好きで、インスリンを所持しながら旅している。今年はヨーロッパ。いつもは時差の影響があまりないアジアが多かったのだが、今回はちょっと苦戦した。
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特集
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- どんなときでもここまでできる!外来・クリニックで使えるアイデア集
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- こんなときに使える! 外来・クリニックアイデア集
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(1)待合室での時間を有効に活用したいとき
5巻10号(2008);View Description
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開院当初から再診は完全予約制で診療を行っていますが、初診患者さんが来院したり、病態や検査の都合によって、待ち時間はどうしても出てきます。そこで、診察までの待ち時間をより有効に活用するため、スタッフの協力を得て問診(ときに医療面接)、検査、指導のスムーズ化を図っています。開院時に「“ 狭さ” が“ 親切さ” につながるクリニックでありたい」という目標を掲げましたが、病院との違いである“ 狭さ” が療養指導に効果的に働くようにと、スタッフ間のコミュニケーションを心がけています。 -
(2)療養指導に十分に時間がかけられないとき
5巻10号(2008);View Description
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糖尿病腎症の食事(以下、腎食)を導入する際、患者さんの腎食に対する戸惑いを医療者は察する必要があります。そして、正しい腎食の実践が行えるよう、医療者も患者さん側も厳しい決意をしなければなりません。特に制約された外来診療の時間内で、十分な成果を得るのは非常に難しいと考えられます。 そこで当院では、糖尿病腎症の病態、食事療法の意義、また実践方法までを具体的にわかりやすく説明することを目的として、医師と栄養士が協力し、「体験食つき糖尿病腎症教室」を開設しています。 -
(3)継続的な食事指導ができないとき
5巻10号(2008);View Description
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管理栄養士による栄養指導は、午前診の中の30 分程度の枠で、毎日5、6 人を対象に予約制で行っています。最低3 回程度の指導を行いますが、継続が必要な場合や患者さんの希望によっては、長期の指導を行う場合もあります。しかし、全員に栄養指導を受けてもらうことは困難であり、患者さんの時間制約や性格1)によっては適合しない場合もあります。診察の流れの中で、できるだけ短時間で食事のヒントを伝えたい場合や、初診時に伝えておきたいことなどが生じることもあります。そこで、「医師、看護師、臨床検査技師が少しでも栄養指導のエッセンスを伝えることができないか」と考え、実践しているアイデアを紹介します。 -
(4)患者さんが治療を中断しそうなとき
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糖尿病患者さんが外来通院を中断する理由として、転院によるものは意外に少ないことが知られています。通院を中断するほとんどの2 型糖尿病患者さんは、「症状がないから」といった理由で医療機関に通わず、そのまま放置している場合が多いようです。中断してから半年、場合によっては数年後、合併症が進行してから再受診することもあり、「もう少し早く再受診してくれていたら」と残念に思うことも少なくありません。 -
(5)運動してもらうスペースがないとき
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当院にはメディカルフィットネス施設や運動指導スペースはありません。そこで、診察室を離れての「大阪DM ウォークラリー」(図1)に参加しています。ウォークラリーは、実際に患者さんと触れ合いながら、インスリン注射前後の血糖測定を通して、運動の効果や注意点を学ぶことができるよい機会と考えます。一方、院内では正しいウォーキング方法を診察の場で実践指導したり、栄養相談の中で膝体操の指導を行っています。本稿では、院内で行っているウォーキング指導ならびに膝体操について紹介します。 -
(6)チームを活性化させたいとき
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チーム医療とは、医療者が互いに対等に連携し、各々の立場で主体的に提言したりフィードバックしながら、チームとして総合力を結集して患者さん中心の医療を実現しようとする医療のしくみです。糖尿病では一般に、医師、看護師、栄養士、臨床検査技師、理学療法士、健康運動指導士、薬剤師、事務員などで構成されます。 -
(7)患者さんを楽しませたいとき
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患者さんとの交流の観点から、大阪糖尿病協会の患者会支部として、院内に「オレンジの会」を作っています。その中の行事に、「大阪DMウォークラリー」への参加があります(p.44)。1 型糖尿病と2 型糖尿病の方が一緒に親睦を深め、糖尿病について診察室を離れてスタッフとともに学ぶ場になっています。 当院では、1 型糖尿病の患者さんが多く通院していることもあり、院内の1 型糖尿病患者さんのための勉強会(患者さん同士の親睦会、情報交換会を含む)も行っています(図1)。勉強会の中で、1 型糖尿病患者さんから「忘年会をやってほしい」という声が上がりました。ウォークラリーや患者会の遠足の経験から、食事の時間が一番盛り上がることがわかっていたため、患者さんと楽しく食事をしながら血糖管理の勉強をするという目的で、すぐに企画することにしました。 - 特集2
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連載
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- Dr.サトーがアドバイス! 療養指導おなやみ解決塾
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合併症説明時には、スタッフと患者さんとのあいだに認識の差があることを意識すべし。
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蛋白尿が出現している患者さんに糖尿病腎症を説明するとき、「このままでは透析しなければならなくなって大変ですよ。今からでも食事療法、薬物療法をしっかりとがんばりましょう」と話しました。特に厳しい言葉ではないと思うのですが、患者さんは落ち込んでしまい、療養に対して投げやりな態度になってしまいました。なぜでしょうか? - 今こそ取り組む災害時糖尿病対策
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災害避難生活での運動療法 理学療法士による緊急災害時の運動療法
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ここ15 年のあいだに阪神・淡路大震災や新潟県中越地震、最近では岩手・宮城内陸地震と大きな震災が相次いで起こり、日本が地震多発国であることを改めて実感しています。 これらの大震災は、被災者の「こころ」と「からだ」に、大きなストレスをもたらしたことでしょう。そしてそのストレスの大きさは、私たちの想像をはるかに超えているに違いありません。このような災害時に直面したときの運動の捉え方、注意事項など、日ごろから心得ておきたい点について考えてみたいと思います。 - 糖尿病の検査と病態 正しく学ぶ! A to Z
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足関節血圧−上腕血圧比(ABI)
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糖尿病足壊疽の原因として、末梢動脈障害(PAD;peripheral artery disease)の存在が非常に重要なことはよく知られた事実です。PAD は、日本では古くから下肢閉塞性動脈硬化症(ASO;arteriosclerosis obliterans)と呼ばれてきました。これは欧米人に対して、日本人では動脈硬化に伴う下肢血管の閉塞、つまりASO よりも、原因不明の血栓症によって起きる閉塞性血栓性血管炎(TAO;thromboangiitis obliterans、またはバージャー病)の有病率が比較的高く、病態からTAO とASO を区別する必要があったためです。しかし、日本でも生活習慣の欧米化に伴って糖尿病患者数が増加し、ほとんどの下肢動脈閉塞症が動脈硬化を主因とするものになってきたため、近年では欧米諸国にならってPAD と呼ぶようになってきています。足関節血圧−上腕血圧比(ABI;ankle-brachial pressure index)は、そのPAD のスクリーニング法として広く普及している検査法です。 - デンナースのヒュゲリな生活
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食いしん坊バンザイ!
5巻10号(2008);View Description
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最近コペンハーゲンで、ある病院のすばらしい病院食システムが話題です。それは、レストランのように豊富なメニューから患者さんが食べたいものを選ぶシステム。主菜と副菜、主食、パンの種類、デザートに至るまで選び放題です。糖尿病など食事制限が必要な患者さん用の低脂肪、および低糖の食品、宗教や思想上の制限がある患者さんへの選択肢も用意されています。 - おさえておきたい糖尿病の海外文献
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食後高血糖
5巻10号(2008);View Description
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動脈硬化の危険因子として注目されている食後高血糖は、経験的に軽症(早期)段階から認められることが多いと考えられています。この論文では、それを最新の血糖持続モニターを用いて立証しています。 - あなたの町の糖尿病看護認定看護師
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あなたの町の糖尿病看護認定看護師
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糖尿病患者さんのサポートをするため、日々奮闘しています。教育入院はもとより、下肢切断、心疾患、網膜症、腎症を持つ患者さんの気持ちに添い、合併症を進行させないように退院後の日常生活のケアを一緒に考えています。 - LOOK!LOOK! CDE活動状況報告書
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北海道糖尿病看護研究会
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北海道糖尿病看護研究会が発足する前には企業主催の研究会があり、その企画に参加していました。しかし、継続した開催は数年で終わってしまいました。それであれば、糖尿病看護に携わる看護師が主体となった研究会を立ち上げ、自分たちが取り組んだ研究や看護実践を発表・討論する場を持ちたいと考えました。発足当時は発表経験がないため演題を出すことに躊躇する施設が多く、第1 回目はわずか2 つの施設からの5 演題でスタートしました。 - ケアの?に理学療法士が答える! 糖尿病療養援助誌上相談室
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歩くと足がしびれる患者さんに運動療法を行う際、足のしびれ以外にも何か気をつけるべきポイントはありますか?
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患者さんが「歩くと足がしびれる」と言います。このような患者さんが運動療法を行う際、足のしびれ以外にも気をつけるべきポイントはありますか? - CDEJ資格更新のコツ
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- 投稿エッセイ
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サポーターとしての糖尿病療養指導士(CDE)の役割
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このページでは、糖尿病に携わるスタッフや患者さんから寄せられたエッセイをご紹介します。