糖尿病ケア

Volume 6, Issue 5, 2009
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特集
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- ポイントで学ぶ&テストで確認!糖尿病の療養指導
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2.糖尿病の食事療法
6巻5号(2009);View Description
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糖尿病治療の基本である食事療法は、適正に実施することによって血糖コントロールの改善を図り、また肥満、高血圧、脂質代謝異常の改善により糖尿病の血管合併症を予防することにあります。食事療法の基本目的は、体内分泌インスリンの必要量を減らすこと、健康に生きるための栄養を保つことです。そのためには1 日の摂取エネルギー量、三大栄養素の配分、ビタミン、ミネラルの適正補給が重要になります。 -
3.糖尿病の運動療法
6巻5号(2009);View Description
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血糖に対する運動療法の効果には、急性効果と慢性効果があります1、2)。急性効果には、骨格筋収縮の刺激自体が骨格筋の糖取り込みを活性化するインスリン非依存性糖取り込み作用や、運動による血流増加によるインスリンの組織到達量増加などがあります。慢性効果は、インスリン刺激による骨格筋での糖取り込み作用に関係するGLUT4 という糖輸送担体が増加し、同量のインスリンでも糖取り込み能力が増加する、いわゆる「インスリン抵抗性の改善」が主です。そのほかの慢性効果としては、内臓脂肪の減少によるアディポネクチン増加やTNF- αの分泌減少によるインスリン抵抗性の改善、骨格筋維持・増加、血清脂質や血圧の改善、体力増強、ストレス軽減などがあります。つまり運動療法により、さまざまな効果が得られます。 -
4.糖尿病の経口薬療法
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経口糖尿病薬は血糖を下げる薬、食後の急激な血糖上昇を抑える薬、インスリンの効果をよくする薬の3 種類に分類できます。薬剤によって服用のタイミングが変わることがあります。服用し忘れたときの対処もさまざまなので、よく理解して患者さんにわかりやすく説明することが大切です。 -
5.糖尿病のインスリン療法
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現在、わが国では多数のインスリン製剤が市販されています(図1)。一般に、その種類はインスリンの組成とそれに由来する作用時間の違いによって分類されています。したがって、誤った種類を処方・投薬、また注射してしまうと、事故につながる可能性が高まります。そこで、インスリン製剤を取り扱う人(医療従事者、患者さん)は識別法を認識し、常にチェックする必要があります。チェックの方法は、「名称で区別する」「識別色で区別する」「タクタイルコードの利用」などがあります。一般的には名称と識別色が頼りになりますが、患者さんにとっては識別色を認識してもらうことが有用です。ヒトインスリンの識別色は全世界共通です。タクタイルコードとはインスリン注入器に設けられた突起(凹凸)のことで、その突起を触ると種類の区別が可能になるというものです。まず、医療従事者がその識別を理解し、その有用性を患者さんに伝達することが重要です。 -
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7.糖尿病のセルフケア教育
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ドロセア・E・オレムは、「セルフケアとは、個人が生命、健康、および安寧を維持するうえで自分自身のために開始し、遂行する諸活動の実践であり、意思決定を含んだ主体的な行動である」と述べています1)。その前提には、「人はセルフケアを行う力をもつ存在である」という考え方があります。つまり、主体は患者さんであり、糖尿病をもちながら生活するうえで、自分に求められることをどのように満たし、生活を調整していくのかは患者さんが決め、行っていくということなのです。 そして、セルフケア能力は学習によって高めることが可能です。新たな状況に対処するためには、学習によってセルフケア能力を伸ばしていくことが必要になります。医療者はできないことにばかり目を向けるのではなく、できることや伸ばせることを見出して、患者さんの主体的な取り組みを支えるという態度でかかわることが求められています。 -
8.糖尿病の一次予防
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2007 年に厚生労働省が実施した糖尿病実態調査によれば、質問票とHbA1C 値から推計される「糖尿病が強く疑われる人」は約890 万人、「糖尿病の可能性を否定できない人」は約1,320万人、合わせると約2,210 万人に上ることが明らかになりました。また、いずれの人数も2002年の前回調査を大きく上回っています1)。この調査が示すように、日本における糖尿病人口は増加の一途をたどっており、早急な対策、とりわけ一次予防のための対策が必要とされています。また、糖尿病患者数の増加によって糖尿病、およびその合併症の治療に必要な医療費の増大が引き起こされることから、医療経済の観点からも糖尿病の発症予防が重要視されるようになってきています2)。 このため、わが国では2005 年度から「糖尿病予防のための戦略研究」(Japan DiabetesOutcome Intervention Trial:J-DOIT)3)が立ち上げられました。この戦略研究は以下の3 つの柱から成り立っています。㈰ハイリスク者からの糖尿病発症予防を目的としたJ-DOIT1㈪かかりつけ医への支援を通じて糖尿病患者さんの治療中断を減らそうとするJ-DOIT2㈫集学的治療で糖尿病による合併症の発症、進展を予防しようというJ-DOIT3 この中で、一次予防に関連するのがJ-DOIT1です。 -
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連載
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- 巻頭言
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- その案いただき! 糖尿病患者さん指導用アイデアグッズ
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- 1型糖尿病患者日記 糖尿病と向き合う瞬間
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- 2型糖尿病患者日記 糖尿病と向き合う瞬間
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- これからの食事療法がかわる! カーボカウント・マスターガイド
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- 知っておきたい! 深めたい! 糖尿病の用語解説
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- デンナースのヒュゲリな生活
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- おさえておきたい 糖尿病の海外文献
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- あなたの町の糖尿病看護認定看護師
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- Dr.サトーがアドバイス! 療養指導おなやみ解決塾
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- 糖尿病のくすりのはなし
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- 現場発これはいい! 製品情報
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日本糖尿病教育・看護学会における交流集会の活動報告 事例検討の結果
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糖尿病看護に携わっている方であれば、看護の展開について悩まされる患者さんとの出会いがあるのではないでしょうか? そのようなとき、事例検討会を行うことがたびたびあると思います。 私たち糖尿病看護認定看護師の会「阪神の会」では、2007 年、2008 年の日本糖尿病教育・看護学会の交流集会にて事例検討会を行ってきました。今回は2008 年度の交流集会の活動を報告します。