バスキュラー・ラボ
Volume 7, Issue 5, 2010
Volumes & issues:
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目次
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特集
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- 動脈硬化を診る
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- Knowledge
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動脈硬化を促進する因子,抑制する因子
7巻5号(2010);View Description Hide Description動脈硬化性疾患は世界の死亡原因の第1 位であり,生活の質を脅かす病態でもあることから,その予防は重大なテーマである.そのため,個人や集団での促進因子を調べて除去・軽減する一方,抑制因子の不足にも対策を講じる. ここでは後者も合わせて危険因子と呼ぶ.代表的な因子について解説し,それらを統合して診療する際の問題点を述べる. -
動脈硬化はどんな病態を惹起させるのか
7巻5号(2010);View Description Hide Description「人は血管とともに老いる」という名言がある.もう100 年も前に,アメリカの医学者ウィリアム・オスラー(William Osler)が言った言葉である.そんなにも昔から,人々は血管というものに注目してきたのだ.加齢に伴う血管の老化というものは,半ば仕方がないとも言えるが,近年のわが国は,ライフスタイルや食生活の欧米化による高血圧,脂質異常症や糖尿病,喫煙などといったいわゆる血管危険因子が増加し,原因が加齢だけではない血管病変,とくに動脈病変への進展が急増してきている. - Technique
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動脈硬化疾患を疑うべき身体所見と類似疾患
7巻5号(2010);View Description Hide Description血管にかかわる疾患は,動脈系,静脈系,リンパ系の3 つの脈管系のいずれか,あるいは2 つ以上の複合した状態で病状を呈しているのが常である.そして,これらの脈管系は全身に広がるものであり,またお互いに連結して密接なネットワークを形成していることを念頭において診る必要がある. 下肢の痛み,しびれを訴えて受診した症例において,下肢のみの診察で終えてしまい,腹部の動脈瘤,狭窄病変,あるいは膠原病などの全身疾患を見落とすこともまれではない.一方,検査を依頼された検査技師も,足の血流を観察しただけで終えてしまったのでは,いかにも寂しい.血管検査機器の発展には目覚ましいものがあるが,やはりまずは問診であり,続いてバイタル(血圧,脈拍,呼吸)のチェック,そして視診,触診,聴診を行うよう心掛けたい.本章では,種々の身体所見からどのような動脈硬化疾患あるいは類似疾患を想定するべきかについて概説し,的確な診断への手掛かりとしていただければ幸いである. - Treatment
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病態別の治療の進め方と患者指導
7巻5号(2010);View Description Hide Description動脈硬化疾患を制圧できれば,どんなに生命予後は改善することだろうかと期待される.そのこともあって動脈硬化に対する治療も日々進歩しているが,いまだ十分には克服できていない領域と言える. 動脈硬化は血管病であり,全身に起こりうるものである.動脈硬化の合併症として,血管は狭窄し,プラーク破綻を生じて閉塞する.時には動脈瘤の合併も認める.ターゲットとなった臓器の障害で,脳血管障害,虚血性心疾患,腎臓病,虚血肢など,病態は異なるが,治療の進め方としては大差ない.原則はリスク管理である. 動脈硬化の危険因子は,多くの大規模疫学調査によって,幾つかが明らかになっている1, 2).脂質異常症(高脂血症),高血圧,糖尿病,喫煙,加齢,性別などが挙げられるが,近年新しい危険因子の報告もある.リスク管理を行い,動脈硬化を予防するとともに,その退縮を目指していきたい.
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連載
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- 検査・診断に知っておきたい 血管の局所解剖アトラス
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- 決め手の一枚
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- バスキュラーアクセスを知る・学ぶ- これで納得!シャントエコーの基本と実際
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VA 作製と超音波検査①
7巻5号(2010);View Description Hide Descriptionバスキュラーアクセス(vascular access:VA)の作製について解説する前に,もう一度VA の種類について述べてみたい.今回と次回の2 回にわたって,VA 作製前の超音波検査法について概説する.前回解説したようにVA は大きく,“ シャント” と“ 非シャント” に分けられる.シャントは動脈と静脈を交通させるものであるが,直接動・静脈を吻ふん合する“ 自己血管内シャント(arteriovenousf i s t u l a : A V F ) ” と“ 人工血管内シャント(arteriovenous graft:AVG)” がある.また,非シャントには“ 動脈表在化法” と“ カテーテル法”がある.それぞれ長所・短所があるが,作製が容易で,長期使用に耐え,合併症が少ないという点で,AVF が最も優れており,第一選択となっている.今回は,術者の立場からVA の作製の考え方を解説する. - 超入門 血管エコー これであなたもエキスパート
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- なぜ?からわかる放射線基礎講座 ーワンランクアップの血管診療を目指してー
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循環器疾患におけるMRI(撮像の原理と臨床応用について)
7巻5号(2010);View Description Hide DescriptionMRI では,強い磁石とエネルギーの低い電波を利用してMRI 画像を得る.そのため被検者の放射線被ばくがなく侵襲度も低いため,人間ドックなどの健康診断にも使用されている.主磁石と呼ばれる強い磁石とは異なる,傾斜磁場と呼ばれる電磁石を用いることで,断面のMRI 画像が得られる. MRI の利点としては,以下の点などが挙げられる.①放射線被ばくがない,②コントラスト分解能が高い,③任意の方向の断面が得られる.④骨や石灰化のアーチファクトがない,⑤撮像条件によりコントラストが可変,⑥流れや生化学的情報が得られる. 一方,MRI の欠点としては,以下の点などが挙げられる.①被検者の制限,②持ち込み器具の制限,③検査時間が長い,④骨や石灰化の情報が得られない,⑤撮像時の騒音,⑥被検者への注意が多い(閉所恐怖症など),⑦画像の解釈が難解. 本項では要点を絞りMRI の解説を行うが,各論についてはほかの教科書を参照してほしい. - 学びのひろば 小波も,いずれは大きな波動へ
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- 脈管専門医・血管診療技師・脳神経超音波検査士認定試験対策ゼミナール Let's challenge!認定試験対策オリジナル問題
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- 症例から学ぶ血管疾患
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- モダリティーをきわめる-血管画像診断の適応と限界
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- 日常診療に役立つ 最新!血管疾患の生理と病理
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血管病理の現状と展望
7巻5号(2010);View Description Hide Description最新の厚生労働省の統計白書によれば1),突然死につながる急性冠症候群,心筋梗塞,脳血管障害などの重大な疾患の発症率が増加している.これらの基本病態は動脈硬化であり,その発生と進行,病態の解析と治療に注目が集まっている. 本稿では,われわれが現在行っている動脈硬化症自然発症マウスであるアポリポタンパクE ノックアウト(apolipoprotein E knockout:ApoE KO)マウス動物実験の結果を踏まえて,最新の血管病理の現状を述べ,その後,血管病理の現状と展望について概説する. 現在,動脈硬化症の病因に関する研究はおもに分子生物学的に行われており,さまざまな研究が進行中である2 ~ 4). - ラボ探訪Vascular Labおじゃまします!
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株式会社麻生 飯塚病院生理機能検査室
7巻5号(2010);View Description Hide Description1918 年,麻生炭鉱病院として開業した飯塚病院.心電図や心エコー検査を行う循環器検査室と血管エコー検査や腹部エコー検査を行う超音波検査室に分かれ,あらゆる疾患の検査に対応している.最近は血管疾患の増加にともない,血管エコー検査の要望が増えているという.つねに時代の先端を行く検査室づくりの中心を担っている,副技師長の秋永理恵先生と主任の森俊明先生にお話を伺った.(編集部) - こんな時どうしてる? これでラボでの悩みすっきり解消!!
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- Vascular Lab技師長日記
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- Vascular Lab流 わたしのリラックスタイム
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