泌尿器ケア
Volume 13, Issue 4, 2008
Volumes & issues:
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特集
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- イラストでカンタン・理解 泌尿器科で知っておくべき解剖生理と泌尿器科の病気
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3D画像で見る 泌尿・生殖器の解剖
13巻4号(2008);View Description Hide Description臓器の位置を把握しやすいように消化器系の臓器は半透明に見えるように処理しています. -
腎臓のはたらきと腎臓の疾患
13巻4号(2008);View Description Hide Descriptionさて,人間は一生の間にどれだけオシッコをするのでしょうか.1 回の排尿時間は,個人差がありますが30 秒としましょう.1日6 回として3 分.1 ヵ月で3 × 30 日で90 分.1 年だと12倍の1080 分だから18 時間.20 歳で360 時間(15 日).80歳まで生きると2 ヵ月間オシッコをしていたことになります. 量の方は,1 日1L としても,20 年でドラム缶40 本近く.80 年ではその4 倍,重さにして30t くらいになります.たいへんな量ですね.この項では,こんな働き者の腎臓の構造と役割,そして腎疾患についてお話しします. -
腎盂・尿管のはたらきと腎盂・尿管の疾患
13巻4号(2008);View Description Hide Description腎杯から腎盂・尿管下端までを上部尿路と呼び,腎盂・尿管は腎で作られた尿を膀胱へ輸送する働きをしています.腎からの尿は腎盂に移動し,尿管の蠕動運動によって膀胱へ輸送されます.腎盂・尿管に結石や腫瘍が存在すると多くは尿の流れが障害されて腎盂が拡張する水腎症という状態となります.また,急激に尿の流れが悪くなると側腹部の疝痛発作をきたします.本稿では,腎盂・尿管の働きと代表的な疾患について説明します. -
膀胱のはたらきと膀胱の疾患
13巻4号(2008);View Description Hide Description膀胱は袋の形をした臓器で,内側は粘膜(尿路上皮)に覆われ,平滑筋の層が外側を取り巻いています.膀胱のはたらきは,腎臓で作られ尿管を通ってきた尿を一時的に低い圧で蓄えておき(蓄尿),一定の量が溜まると尿道から体の外に速やかに出すこと(排尿)です.腰髄や仙髄から発した神経が膀胱の機能を調節しています.膀胱で起こる疾患としては感染,蓄尿や排尿などの機能異常,結石,そして癌などがあります. -
前立腺のはたらきと前立腺の疾患
13巻4号(2008);View Description Hide Description前立腺の疾患にはさまざまなものがあり,主なものとして前立腺肥大症や前立腺癌,前立腺炎などが挙げられます.特に良性疾患である前立腺肥大症は,高齢の男性では一般的な疾患であり,悪性腫瘍である前立腺癌も日本で最も増加が著しい癌となっています.本稿では「新人ナースのみなさんが見てすぐ分かる前立腺疾患」をモットーに,前立腺のはたらきと疾患をイラストを交えて解説したいと思います. -
尿道のはたらきと尿道の疾患
13巻4号(2008);View Description Hide Description尿道とは,尿が膀胱から体外へ排泄されるときに通る管のことで,男性と女性でずいぶん異なります.男性の尿道は約16 〜20cm と長く,さらに2 ヵ所で大きくS 状に曲がっていますが,女性の場合は約3 〜 4cm と短くて真っすぐです.男性の尿道は排尿以外にも精液を射出するための管にもなります.ここでは尿道の仕組み・はたらきや尿道カテーテル挿入のコツ,代表的な疾患などについて,分かりやすく説明します. -
精巣のはたらきと精巣の疾患
13巻4号(2008);View Description Hide Description精巣(睾丸)は陰.のなかにあって,精子と男性ホルモンをつくっています.さらに,陰.のなかには精巣上体(副睾丸),精管,精索も存在します.本稿ではこれらの男性生殖器の仕組みとはたらき,代表的な疾患について述べます.
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Close up! Your Try
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東京慈恵会医科大学泌尿器科 前立腺がん地域医療連携ネットワーク CaPMnet(Cancer of the Prostate Management Network)
13巻4号(2008);View Description Hide Description前立腺疾患の増加が著しい.10 年生存率が90%と予後の長い前立腺癌患者を支えるにあたって,急性期病院と地域の診療所の連携は重要である.しかし,大学病院や地域の中核病院が自院で治療した患者の長期のフォローアップも担っているという状態であり,外来患者の増加に拍車をかけている.手術などの治療が終わって,PSA 値を経過観察する段階を診療所の医師たちと協力して取り組めるようなシステムが必要である.東京慈恵会医科大学泌尿器科と国際医療福祉大学三田病院では地域連携クリティカルパスを用いながら,このようなネットワークづくりに取り組んでいる.急性期病院と地域の医院・クリニックが役割分担し,お互いが密接に連携しながら質の高い医療を提供する.それが前立腺がん地域医療連携ネットワーク(CaPMnet:Cancer of the Prostate ManagementNetwork)だ. 今回は東京慈恵会医科大学泌尿器科准教授の山崎春城先生にCaPMnet について話をうかがった.
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誌内雑誌
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- 排尿ケア
- 特集 排尿ケアケーススタディ 排尿日誌のアセスメントを学ぼう!
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膀胱脱を併発した腹圧性尿失禁のケース
13巻4号(2008);View Description Hide DescriptionA さん(女性・76 歳)は2 年前より極少量の尿漏れを自覚するようになりました.今回,「尿がトロトロと時間がかかって出る」という訴えで泌尿器科を受診しました.一方,A さんは陰部の違和感から婦人科も受診し,膀胱脱の診断でリングの挿入を受けました. - 目からウロコ情報局
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大学病院がめざす排尿管理とは
13巻4号(2008);View Description Hide Description大学病院での診療の特徴の一つに,特殊検査が(遠慮なく)行えることが挙げられます.私は特殊検査の一つである尿流動態検査を多く行ってきました.この検査が煩雑で人が寄り付かない検査であったため,仲間うちでも重宝されていたように思います.しかし,数年前より膀胱機能をうまく評価できても,それが日々の排尿管理に反映されなければ,せっかくの特殊検査も無駄になるのではないか,しかも,日常の排尿管理を充実したものにするには医師の力だけでは限界があり,患者さんの生活により身近にいる看護職や介護職のサポートがもっとあればいいなと感じています. ここで,事例を提示します. - 排尿ケアつれづれ日記
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いろいろな立ち位置から物事をみよう!
13巻4号(2008);View Description Hide DescriptionNPO 法人「快適な排尿をめざす全国ネットの会」を立ち上げて3 年になります.これまで介護セミナーを12 回開催してきました.この講習会の特徴は薬剤メーカー,オムツメーカー,介護用品メーカー,建築家,介護師,理学療法士,作業療法士,看護師,医師などサービスを提供しようとする側のほぼすべてが参加して討議していることです.先日,事例検討のため4つのグループに分かれて次のような急性期病院入院例で在宅に向けてリハビリ病院,老健施設の必要性などについて討議しました.
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巻頭言
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失禁ケアにおけるマニュアルについて
13巻4号(2008);View Description Hide Description最近は偏りのない,一定の水準を保つサービスを提供する目的で,マニュアルやガイドラインの作成が急増しています.20 年前には見られなかったことです.
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連載
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- 泌尿器科最新トピックス
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男性専門外来?
13巻4号(2008);View Description Hide Description女性,男性と患者さんの対象を性別で限定し,その性特有の疾患や悩みに対応する診療を“ 性差医療” と呼びます.わが国では2001 年に鹿児島大学が女性専用外来を開設したのをはじめとして,公的病院としては全国で100 を優に超える女性専用の外来が設けられています. - 排尿アセスメントの強い味方! ブラッダースキャン使いこなし術
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ブラッダースキャンの使用方法
13巻4号(2008);View Description Hide Description今回は携帯型3 次元超音波断層測定装置「ブラッダースキャン」を用いて実際に膀胱容量(残尿量)を測定する場合の注意点について解説します. - シーン別 泌尿器ケアのトラブル対応
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患者さんがストーマサイトマーキングに協力的でない
13巻4号(2008);View Description Hide Description膀胱癌で回腸導管を造設することになったA さん.外来で手術について説明を受け,手術目的で入院してきました.入院後に再度,説明がなされストーマサイトマーキングの目的で患者さんのもとを訪れると「後にして」と言われ,改めて訪室すると今度は「明日にして」と言い,マーキングを実施することができないまま,とうとう手術前日になってしまいました. - 私のCIC日記
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- Female Urology 女性泌尿器科疾患FILE
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頻尿と過活動膀胱
13巻4号(2008);View Description Hide Description頻尿は日常診療において遭遇する機会が極めて多い蓄尿症状です.その原因はさまざまで代表的なものの一つに過活動膀胱があります.過活動膀胱とは膀胱の不随意な収縮により起こると考えられる尿意切迫感を有する疾患で,切迫性尿失禁の原因にもなります.2006 年以来,副作用が少なく使いやすい新薬の登場が相次いだことから取り上げられる機会が増え,医療機関を受診する患者も増加していますが,女性ではまだまだ潜在患者が多いと考えられています. - 質問BOX
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抗癌剤膀胱内注入療法の排尿処理について
13巻4号(2008);View Description Hide Description膀胱癌に対して抗癌剤の膀胱内注入療法を行った場合,薬剤注入後の排尿処理はどのように行えばよいでしょうか.BCG の場合と同様に消毒して処理すべきでしょうか? - おもしろ看護泌尿器科学
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新臨床研修制度(1)
13巻4号(2008);View Description Hide Descriptionウロ子:毎年,この季節になるとドクターもナースも新人教育で大変ね.ネモト先生:病院中が初々しくなって,春が来たって感じだね.ウロ子:研修医もホカホカ.ネモト先生:社会人の1 年生だからね,緊張するよね.うらやましいなあー.ウロ子:このごろ,センセイは年齢にジェラシーを感じてるものね.ネモト先生:だってもうウン十年前だもん,初めて“ せんせい” って呼ばれたのは.ウロ子:そのころも“ 研修医” だったの?ネモト先生:いやいや,私のころは研修医制度はなかったんだよ.ウロ子:えっ,じゃあ最初から研修もなしで,いきなり医師だったの?ネモト先生:大学を卒業してすぐに医師国家試験を受けて,それに合格さえすれば,即,医師だった.どこの病院でも,医師として働けた.ウロ子:ふーん,臨床研修もなしに,すぐに医師になったのね.大丈夫なのかしら,それで. - ウロ・ナースのためのカウンセリング入門
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相手の成長を信じる
13巻4号(2008);View Description Hide Description毎月1 回,ナースのためのカウンセリングをしに病院にうかがっています.今日もプリセプターのP さんが面接にやってこられました.
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看護研究
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根治的前立腺全摘除術患者の術前の不安内容と看護援助
13巻4号(2008);View Description Hide Description近年の前立腺特異抗原(PSA)を用いた検診の普及に伴い,前立腺癌の早期発見率は向上している.早期前立腺癌に対する前立腺全摘除術は,癌の根治性が最も高い治療法である一方で,術後の排尿機能障害や性機能障害などQOL への影響が最も大きい治療法である.Gray ら1)は,34 名の前立腺癌患者に面接を行い,前立腺癌患者と配偶者の診断から手術までの体験として,“ 診断へのショック”,“ 夫婦関係の見直し”,“ 情報の探求”,“ 手術への恐怖の最小化の試み” などを報告している.Moore ら2)は,根治的前立腺全摘除術後8週にある63 名の患者に対する面接により,術前の不安は,“ 前立腺癌の診断への対処”,“ 情報収集”,“ 意思決定”,に集約されると報告している.また,退院時にカテーテルケアや術後痛,尿失禁,勃起不全について,多くの知識とのギャップがあることを明らかにし,電話によるフォローアップや,紙面情報の追加などの援助の必要性を示唆している. しかし,欧米と文化的背景の異なるわが国において,前立腺全摘除術を受ける患者が術前にどのような不安を抱え,手術までにどのような援助を必要としているのかについては十分に解明されていない.当院では,手術日決定後,3回の自己血貯血を経て手術数日前に入院するシステムをとっている.術前の患者の不安に焦点をあて,患者の側に立った援助を検討することは,術前の数日間の看護援助のみならず術後早期の効果的な看護援助につながるものと考える.本研究の目的は,当院において根治的前立腺全摘除術を受けた患者の術前の不安内容を明らかにし,根治的前立腺全摘除術を受ける患者への入院中の看護援助を検討することである.
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