Volume 13,
Issue 11,
2008
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特集
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なぜ? がわかる泌尿器科ドレーン・カテーテル管理
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泌尿器ケア 13巻11号, 1097-1097 (2008);
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泌尿器ケア 13巻11号, 1098-1100 (2008);
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血尿スケールは,ここで紹介するヘマトクリット値を基準にしたもののほか,ヘモグロビン値を基準にしたものもあり,各施設でいろいろなものが作られているようです.血尿スケールを利用するメリットは,血尿の程度を評価するにあたって各人の主観的判断ではなく,その施設内でコンセンサスが得られることにあります.
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泌尿器ケア 13巻11号, 1101-1106 (2008);
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一般に,ドレーンとは,体内に貯留した体液,血液,滲出液,膿などを体外に排泄させるための管のことをいいます.またカテーテルとは,体内に挿入して検査や治療を行うための細く軟らかい管のことをいいます.今回は泌尿器科手術時に留置するドレーン・カテーテルの管理について考えるという特集を企画しましたので,それぞれ,術後予防的に留置するドレーンおよび尿道留置カテーテルに絞って話を進めたいと思います.
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泌尿器ケア 13巻11号, 1107-1112 (2008);
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術後のドレーンは,創内の感染の可能性がある血液,リンパ液,または尿の局所貯留を阻止するために使用されます.血腫や尿腫が存在すると感染や膿瘍形成の危険性が高くなるためです.一方,ドレーンは皮膚や外界環境からの細菌の侵入経路になるのと同時に,細菌侵入に対し組織を感染しやすくさせます.相反する作用ですが,創部からの出血・分泌物・滲出液や尿,あるいは膿汁などが貯留する可能性が高ければドレーンを留置します.
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泌尿器ケア 13巻11号, 1113-1119 (2008);
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一言で答えるとすれば,術後にドレーンが留置されるのは体内に溜まった滲出液,血液,膿,消化液などの除去,泌尿器科領域の手術では特に尿を除去するためです. ドレーン(drain)には,排水する,水をはかせて空にするという意味があります.術後の創内や体腔に血液や滲出液が貯留すると,炎症による苦痛や体力の消耗,感染による創の治癒遅延などを起こす危険があります.血液や滲出液などを体外へ誘導する方法をドレナージといい,この目的に挿入される管をドレーンといいます.術後に挿入するドレーンはその意味どおり,体内に溜まった余分な液体を体外に排出するために留置します.
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泌尿器ケア 13巻11号, 1120-1129 (2008);
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2 ウェイや3 ウェイと呼ばれるカテーテルは尿道留置カテーテルを意味することが多いです.2ウェイカテーテルとは尿の流出する出口(ドレナージルーメン)とカフを膨らますのに必要な蒸留水の注入口(インフレーションルーメン)のあるカテーテルです.一方,3 ウェイカテーテルとは2 ウェイカテーテルと同じ2 つの出口,注入口に加え,灌流液の注入口(イリゲーションルーメン)が加わったカテーテルです.灌流液の注入口がある分,一般的に3 ウェイカテーテルのほうがやや太めのカテーテルを使用することが多いです.
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泌尿器ケア 13巻11号, 1130-1139 (2008);
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泌尿器科で尿路管理に用いられるカテーテルには,主に尿道カテーテル,腎瘻カテーテル,膀胱瘻カテーテルの3 つがあります.すべてのカテーテルは“ 異物” であり,挿入されている限り“ 感染”は生じます.ケアが充実しても,尿路感染をゼロにすることはできません.また,いくら“ 清潔に” と言ってもエビデンスのないケアは必要ありません.感染を最小限に止めてケアをしていくことが重要です.長期にわたるカテーテル留置の患者さんにおいては,生活スタイルに合わせたケアやオーダーメイドな処置・対応も必要です.
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巻頭言
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泌尿器ケア 13巻11号, 1089-1089 (2008);
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介護保険の制度化によって社会全体での介護基盤をつくる方針をわが国がスタートしたことは,画期的といえます.一方,介護が公的に担われることとなってもそれだけでは十分とはいえず,介護にあたる家族の介護負担はまだまだ大きいといえます.在宅における高齢者虐待の要因として,虐待者の性格や人格,高齢者本人との人間関係が関連することがありますが,高齢者の認知症による言動,身体的自立度の低さ,排泄介助の困難さがある場合などに,介護負担や介護の困難に関連した虐待が生じている場合も少なからずみられているのが現状です.
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誌内雑誌
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排尿ケア
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特集 排尿ケアケーススタディ 排尿日誌のアセスメントを学ぼう!
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泌尿器ケア 13巻11号, 1146-1149 (2008);
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根治的前立腺全摘除術を受けた69 歳の男性Y さん.術前に医師から尿失禁の説明を受けましたが,術後カテーテルを抜去した翌日の排尿回数が10 回,尿失禁は12 回ありました.Yさんはシーツや下着を汚さないか心配しています.
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目からウロコ情報局
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泌尿器ケア 13巻11号, 1150-1151 (2008);
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排尿障害はつい泌尿器科だけの疾患と思いがちですが,他科疾患が原因となっていることも少なくありません.特に整形外科領域ではその疾患・治療の特性から排尿障害をきたすことが多く,さらに高齢患者の割合も高いため,入院などをきっかけに排尿障害が見つかることもあります.そこで今回は,当院の整形外科病棟における排尿障害のケアについて紹介したいと思います.
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排尿ケアつれづれ日記
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泌尿器ケア 13巻11号, 1152-1152 (2008);
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9 月13 日に開催された日本間質性膀胱炎研究会の特別講演で帝京大学外科学の渡辺聡明教授の講演の座長をさせていただきました.テーマは「潰瘍性大腸炎,過敏性腸症候群と間質性膀胱炎との類似点」.間質性膀胱炎にも潰瘍があるし,食事やストレスで症状が増悪します.潰瘍性大腸炎にはステロイドが有効です.しかし,過敏性腸炎は何ら器質的病変がないというのが定義であるということでした.
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連載
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泌尿器科略語あれこれ
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泌尿器ケア 13巻11号, 1096-1096 (2008);
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略語の語源は,ほとんど英語です.それだけ英語が広く浸透しているからでしょうが,たまにラテン語やドイツ語も出てきます.ferrum(鉄)というラテン語を略して“Fe”,Entlassen(エントラッセン=退院)というドイツ語を略して“Ent.(エント)”.そういえば日本語もありました.膀胱洗浄を略して“ 膀洗” etc.アレ? “etc.”ってなんの略語だっけ?!
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質問BOX
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泌尿器ケア 13巻11号, 1140-1141 (2008);
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経尿道的前立腺切除術(TURP)後の牽引固定は本当に必要ですか?
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シーン別 泌尿器ケアのトラブル対応
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泌尿器ケア 13巻11号, 1153-1156 (2008);
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59 歳のA さん(女性)は,膀胱癌(直腸浸潤)に対し,骨盤内臓器全摘除術を受けてから10 日目です.回腸導管の尿管カテーテルが抜去され,尿の処理や装具交換の指導を開始しています.ところが,これまではなかった装具からの尿漏れが生じるようになりました.
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私のCIC日記
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泌尿器ケア 13巻11号, 1157-1157 (2008);
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今まで通っていた整形外科の病院は自宅から車で片道2 時間もかかるので,近所のE 総合病院にかわることにしました.生まれてからずっと診てくれた主治医の先生の元を離れるのはすごく不安でした.今までけがや褥瘡がひどくても主治医の先生のところへ行くと不思議と治りが早かったので,今後の治療のことを考えると不安な気持ちがありましたが,私は今病院をかわるのが一番いいと思ったのです.両親も私が20 歳を過ぎたころから「これからは百々が自分で決めなさい」と言って背中を押してくれました.
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わかりやすい! ナースのための泌尿器科手術講座
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泌尿器ケア 13巻11号, 1158-1160 (2008);
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この10 年の間に,腎摘除術(以下,腎摘)の術式選択は大きく変化しました.僕が泌尿器科医になった15 年くらい前は開腹手術が主流でしたが,現在では腹腔鏡手術が第一選択になってきました.腹腔鏡下腎摘除術には,腹腔を経由して行う方法や,片手を術野に挿入する方法(ハンドアシスト),後腹膜のみで行う後腹膜鏡下腎摘除術(RPN)があります.この稿では,RPN を中心に話を進めます.
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泌尿器科 最新トピックス
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泌尿器ケア 13巻11号, 1161-1161 (2008);
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勃起神経・射精神経について,特に泌尿器科で問題となるのは,泌尿器科手術時のこれらの神経の損傷による勃起性交障害(Erectile Dysfunction:ED),ならびに射精障害(EjaculatoryDysfunction:EjD)の発生とその予防ならびに治療です.
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おもしろ看護泌尿器科学
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泌尿器ケア 13巻11号, 1162-1165 (2008);
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ウロ子:最近,患者さんの相談のなかで,がんに関することが多いような気がするわね.ネモト先生:治療の選択や緩和治療の相談は,泌尿器科の外来でも多くなってきてるね.ウロ子:他の専門病院のセカンドオピニオンを希望する患者さんもいるものね.ネモト先生:患者さんも家族も一番いい医療を受けたいという希望があるからね.ウロ子:特にがんは「不治の病」って言われてたから,診断が決まると本人も家族もショックなのよね.ネモト先生:1981 年(昭和56 年)以後,死亡原因のトップというのが刺激的だからね.ウロ子:国としても対策を考えてるんでしょう?
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ウロ・ナースのためのカウンセリング入門
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泌尿器ケア 13巻11号, 1166-1169 (2008);
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毎月1 回,ある病院にうかがい,ナースのためのカウンセリングを行っています.P さんは自分のカウンセリングの力を高めたいとのことで,毎月面接にやってこられます.
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症例報告
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泌尿器ケア 13巻11号, 1176-1183 (2008);
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ターミナルケアとは延命を目的とするものではなく身体的苦痛を軽減することによって生活の質を向上することに主眼が置かれ,症状の緩和に加え精神的側面を重視した総合的な処置である. 今回,ターミナル期における患者とその家族とかかわり,穏やかに最期のときを迎えることができたと感じられた.その結果から看護の対象が患者とその家族であることを改めて実感したので報告する.