Volume 14,
Issue 10,
2009
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特集
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下部尿路機能障害のケアの基本
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泌尿器ケア 14巻10号, 949-949 (2009);
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泌尿器ケア 14巻10号, 950-955 (2009);
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下部尿路機能障害について,用語の解説,排尿・蓄尿のメカニズム,下部尿路機能障害の種類について基礎知識を解説します.下部尿路機能障害のケアの具体的なポイントについては,このあとの特集のなかで,ケーススタディなどを通して,分かりやすく述べられていますので,今後の診療・ケアに役立てていただきたいと思います.
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泌尿器ケア 14巻10号, 956-962 (2009);
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「尿が出にくい!」といって外来を訪れた患者さんが初診された場合,まず問診で排尿症状について詳細に聞く必要があります.特に高齢の患者さんでは,症例のように「尿が出にくい」という排尿症状のみでなく,「トイレが近い」「トイレが間に合わない」などの蓄尿症状が同時にみられることが多いようです.このような種々の症状をスクリーニングするためには,国際前立腺症状スコア(IPSS)が有用です.これはもともと男性の前立腺肥大症の診断に用いられた症状スコアですが,女性でも当てはまります.症状がいつごろからみられたか(急性か慢性か),ほかに既往歴や合併症がないか,常用している薬はないか,などを聞くのも重要です.大学病院では待ち時間が長いことが多いので,診察前にこれらについての問診票とIPSS を一緒に渡して書いておいてもらうと時間が省けます.
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泌尿器ケア 14巻10号, 963-968 (2009);
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頻尿に限らず排泄に関する悩みは,恥ずかしさもあり,なかなか他人には相談しにくいものです.日本排尿機能学会の調査では,頻尿などの下部尿路症状があっても医療機関を受診する方は男性で36.4%,女性で7.7%と,ごくわずかであることが指摘されています.当院を受診する患者さんからも「トイレが近いのは年のせい,こんなことで病院へ行くなんて」という言葉がよく聞かれます.それでも思い切って受診したきっかけは「トイレが近くて旅行にも行けない」「トイレで目が覚めて寝不足」など,下部尿路症状が日常生活に影響を及ぼし非常にこまっているためです.このような患者さんに看護師はどのような対応をしたらよいでしょうか.まずは「これから何をされるのだろう」とドキドキしている患者さんに診察の大まかな流れを説明し落ち着いていただくことではないでしょうか.
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泌尿器ケア 14巻10号, 969-977 (2009);
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泌尿器科に受診する患者さんは,とても緊張していることがあります.特に尿失禁で受診する女性は少なからず泌尿器科に敷居が高い思いを抱いているので,女性外来の時間を設けて,待合所に女性患者が多くいる状況をつくったり,女性スタッフが声かけなどをして,リラックスしてもらう努力をするとよいでしょう.
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泌尿器ケア 14巻10号, 978-983 (2009);
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間質性膀胱炎は本邦ではまれな疾患といわれてきましたが,欧米ではcommon disease といわれごく一般的な疾患です.本邦においては2001 年に日本間質性膀胱炎研究会が設立され,学術総会も開かれ,専門書1)が発行され,患者会も発足し,京都で国際会議が行われました.これらに加え診療ガイドライン2)も作成され,間質性膀胱炎に対する認識が大きく変わりつつあり,患者数も増加しています.その実は,もともと患者数は多く,疾患の数そのものが増加したというより,潜在的な患者がきちんと診断されるようになってきたという側面が大きいように思われます.筆者は1998 年と2004 年に疫学的調査を行いましたが,疾患に対する医療側の認識が大きく変わってきたように思います.かつては「年のせい」,「気のせい」で片付けられていたものが,間質性膀胱炎という疾患と認識されるようになってきたのです.
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泌尿器ケア 14巻10号, 984-992 (2009);
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排尿日誌とは,頻尿や尿失禁の悩みを抱えている患者さんの症状を客観的に観察するためのツールです.排尿日誌に記載された患者さんの排尿回数や失禁回数,失禁の種類,1 回排尿量,1 日の排尿量などのデータからは排尿障害のタイプや程度などの把握が可能です. 患者さんの排尿習慣を問診だけで把握しようとすることは難しい場合があります.例えば問診時に患者さんが「尿がよく出ます」と訴えた場合,こちらは「多尿かな?」と判断してしまいそうですが,実際,排尿日誌で患者さんの排尿状態を確認すると1 回排尿量は多くなく頻回に排尿している「頻尿」の症状であることが明らかになったり,「毎日20 回ぐらい尿が出ます」という方に日記をつけていただいたら,実際は8 回程度の排尿回数だったりするケースも少なくありません.このように排尿日誌は患者さんの排尿状態を問診等よりも客観的に観察することができるので,下部尿路機能障害の診断や治療,看護介入の効果の評価を行う際に有用なツールとなります.また,排尿日誌は身体への侵襲を与えることなく,経済的にも手軽に使用できるというメリットも持ち合わせています. また,この排尿日誌は,患者さんが自らの排尿習慣の振り返りを行うことによりこれによって生じるセルフモニタリング効果(日誌を記載することだけで失禁が消失するなど,日誌記載自体に介入の効果があること)があるともいわれています1).このように,排尿日誌は排尿状態の評価が可能であるばかりではなく,排尿日誌を記載すること自体が下部尿路機能障害のケアに貢献している一面を持ち合わせています.
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泌尿器ケア 14巻10号, 993-996 (2009);
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巻頭言
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泌尿器ケア 14巻10号, 941-941 (2009);
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Close-up Your Try
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泌尿器ケア 14巻10号, 1005-1008 (2009);
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芳賀赤十字病院にある「コットン外来」は皮膚・排泄ケア認定看護師を中心に女性の下部尿路機能障害を専門にみる専門外来だ.「コットン外来」が開設してまだ1 年だが,すでに受診者数が300 人を超えるなど,地域の下部尿路機能障害の窓口として定着しつつある.コットン外来という名称は病院所在地の栃木県真岡市特産の木綿からとったそうだ.芳賀赤十字病院ではこの「コットン外来」と泌尿器科医,産婦人科医,臨床心理士,皮膚・排泄ケア認定看護師からなる「排尿サポートチーム」が一体となって下部尿路機能障害に悩む女性たちをケアしている.多科にわたる排尿サポートチームではメンバーそれぞれの専門性を生かし,さまざまな下部尿路機能障害を抱える患者さんたちに対応している.今回は芳賀赤十字病院の「コットン外来」と「排尿サポートチーム」の取り組みを紹介する.
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連載
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シーン別 泌尿器ケアのトラブル対応
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泌尿器ケア 14巻10号, 997-999 (2009);
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質問BOX
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泌尿器ケア 14巻10号, 1000-1004 (2009);
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わかりやすい! ナースのための泌尿器科手術講座
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泌尿器ケア 14巻10号, 1009-1011 (2009);
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泌尿器科 最新トピックス
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泌尿器ケア 14巻10号, 1012-1012 (2009);
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ケースで学ぶ 皮膚&排泄ケア
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泌尿器ケア 14巻10号, 1013-1016 (2009);
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腹圧性尿失禁の女性は比較的失禁量が少ないことが多く,ことに女性の場合は生理用ナプキンを使い慣れているため,生理用ナプキンで代用している方が非常に多くいらっしゃいます.今回は,生理用ナプキンを代用していて,かぶれを生じた事例をご紹介します.
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ウロ・ナースの 手術室見学へ行こう!
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泌尿器ケア 14巻10号, 1017-1019 (2009);
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前立腺全摘除術は,前立腺癌を患っている患者さんに適応される手術です.当院では年間40 例ほどの手術件数があり,本手術に勃起神経の温存術や腓腹神経の移植術を追加して行う場合もありますが,今回は,温存術や神経移植術は行わない通常の手術を見学してきました.
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小児泌尿器科の常識レベルアップ 知っておきたい! 子どもの疾患・ケア
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泌尿器ケア 14巻10号, 1020-1024 (2009);
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二分脊椎は,生まれつき脊椎の癒合が完全に行われず,一部開いたままの状態にあることをいいます.脊椎の中には脳からの命令を伝える脊髄がありますが,脊椎の形成不全により,脊髄や脊髄から出る神経の障害を生じることがあります.その部位から下の運動機能と知覚が麻痺したり,さらに膀胱や直腸の機能にも大きく影響を及ぼすことがあります.ここでは,二分脊椎での下部尿路障害(膀胱・尿道の機能の異常)について述べます.
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泌尿器科略語あれこれ
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泌尿器ケア 14巻10号, 1029-1029 (2009);
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私のCIC日記
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泌尿器ケア 14巻10号, 1032-32 (2009);
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おもしろ看護泌尿器科学
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泌尿器ケア 14巻10号, 1033-1036 (2009);
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ウロ・ナースのためのカウンセリング入門
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泌尿器ケア 14巻10号, 1037-1039 (2009);
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看護研究
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泌尿器ケア 14巻10号, 1041-1047 (2009);
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本研究は,尿路ストーマ保有者の入浴の現状と入浴に対する思いについて明らかにすることを目的とした.当院ストーマ外来を受診している尿路ストーマ保有者6 名を対象にグループインタビューを行い,質的に分析した.その結果,15 のサブカテゴリーから【他者に委ねる】【(ストーマへの)間違った認識】【未体験の受容の回避】【新たな出来事への受け入れの混乱】【情報を制限する】【他人がどう思うかを気にする】の6 つのカテゴリーが抽出された.「入院中に入浴を体験しなかったので入浴できないと思った」という尿路ストーマ保有者の思いと,「パンフレット等を使用して説明をした」という医療者の間には,入浴指導に対する温度差が存在し,そのギャップを修正するためには医療者からの働きかけが必要であるが,その方法,内容についてストーマ保有者の退院後の生活を理解し,介入方法を検討することが必要である.キーワード 尿路ストーマ保有者,入浴,グループインタビュー,プリシード・プロシードモデル