エマージェンシー・ケア

救急の現場で薬剤を使用する場合，緊急性が高く，静脈注射の指示は口頭で行われることがほとんどである．このような場面において，間違いやすい類似した注射薬があること，1アンプル（A）内のmg，mLなどの内容量，溶解方法，投与速度など，ある程度の薬剤の知識がなければ誤薬につながる危険がある．ここでは救急部で使用する主な注射薬を挙げ，投与方法，副作用などについて述べる．

当連載では毎月一つの疾患について，まず電話から受診後の対応までの一連の流れを2パターンのシミュレーションをもとに紹介し，続いて疾患の解説を行った後，最後にその疾患についてのプロトコルを示します．このプロトコルは①経験年数・知識・技術に差があってもスタッフ全員が標準的看護を実践することができる，②看護師が救急看護に興味を持ち，自信を持って対応できるようになる，③救急部専従以外の医師，研修医に対し医療の標準化につながる，④研修医，医学生への教育的資源となることを目的に作られたものです．ぜひ読者の皆さんの施設でもこのプロトコルを標準的看護の実践に役立てていただければと思います．