Volume 20,
Issue 12,
2007
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特集
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救急蘇生ガイドラインを使いこなそう
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1181-1181 (2007);
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1182-1188 (2007);
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院内では予期せぬ心停止,予想されない呼吸停止が起こる可能性があり,医療従事者は事務職員も含めて緊急事態に対処できるように一次救命処置(basic life support;BLS)の訓練を受けておく必要がある.つまり,日本版救急蘇生ガイドラインなどに基づいた標準的な心肺蘇生(cardiopulmonary resuscitation;CPR)を理解し,必要な場合は直ちに実行できるように準備しておかなければならない.日本版救急蘇生ガイドライン1,2)に基づいたBLSのプロトコールを図1に示す.院内では,心原性の心停止のみならず低酸素やショックが先行する心停止もある.いずれの場合も,現場に居合わせた病院職員が直ちに質の高いCPRを開始することが,患者の生存に影響してくる.そのため医療従事者は,フェイスマスクやフェイスシールドを用いた1 人法のCPR,バッグマスクを使用した2人法のCPRに習熟しておくことが必要である.また呼吸停止のみの急変もあるので,病院内の医療従事者はバッグマスクの使用についても習熟していなければならない.
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1190-1196 (2007);
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日本版救急蘇生ガイドラインは,「心肺蘇生と緊急心血管治療における科学と治療の推奨に関わる国際コンセンサス2005」(InternationalConsensus on Cardiopulmonary Resuscitationand Emergency Cardiovascular Care Sciencewith Treatment Recommendations ; CoSTR)をベースにして,AHA(American Heart Association)およびERC(European ResuscitationCouncil)の新ガイドラインを参考にして,日本の救急医療体制や慣習などを考慮して策定された.当然のことながら幹となる部分はどのガイドラインも共通しており,最も重要なコンセプトとして「質の高い心肺蘇生(cardiopulmonaryresuscitation ; CPR)」を「絶え間なく」行うことを推奨している.ALSにおける心停止に対する高度な気道確保(気管挿管など)や薬剤投与が生存退院率を改善させるというエビデンスは十分でなく,優先順位は,質の高いCPR と除細動が最優先される.
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1197-1206 (2007);
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乳児とは1 歳未満,小児とは1 歳〜思春期(目安としてはおよそ中学生まで)である.
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1208-1212 (2007);
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愛知万博で心室細動(VF)により心停止になった5名の来場者のうち,AEDによる除細動で4 名が救命されたのは記憶に新しいと思う.今,プレホスピタルでの変革が始まっている.厚生労働省によれば1),全国でAEDの整備も進み(人口10 万人当たり17),心停止事案の36 %にバイスタンダーCPR が行われている.本稿では愛知県の取り組みを中心に記す.
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1213-1220 (2007);
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アメリカ心臓協会(AHA)の「心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドライン2005」(以下,ガイドライン2005)には,心肺停止時の対応だけでなく,生命の危機に直結する不整脈,急性冠症候群,脳卒中の対応についても言及されている.この項では,不整脈,急性冠症候群,脳卒中への対応,およびアルゴリズムの概略について説明する.詳細については「ガイドライン2005」1)をぜひご覧いただきたい.
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1221-1224 (2007);
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すでに以前の心肺蘇生の知識を持っている医療従事者を対象に新ガイドラインを効率良く周知させるために,筆者の施設での例を挙げ,いくつかの院内講習の方法を提示したい.今回のガイドラインの改定の多くはBLS の部分についてである.従って,実習を含めた講習というものがどうしても必要となる.ただし,決して前ガイドラインを否定するわけではないので,職員数が多い当院では,比較的近い時期に前ガイドラインでの講習会に参加した人は免除している(表1).
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1225-1229 (2007);
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10 年ほど昔,1997 年ごろに戻ってみましょう.そのころの日本にもたくさんの救急患者がいました.患者の高齢化もすでに始まっていました.病院の数も,医師や看護師の数も現在とほとんど変わりません.しかし,救急医療を取り巻く環境は,現在とは随分異なっていました.AEDもACLSも,まだ日本に導入されていませんでした.救急救命士は1994 年から養成が始まったばかりで,BLSという言葉も知られていませんでした.国民への心肺蘇生法の普及も,日本赤十字社など一部の組織によって行われるのみで,全国の消防署がようやく普及啓蒙を開始した時期でした.病院内では電気除細動器を操作できる医師は循環器専門医と救急医のみでした.
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連載
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救急医療の横顔〜For Emergency Members【最終回】
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1165-1165 (2007);
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昨今の重大な医療事故を受けて,各施設ではさまざまな医療安全への取り組みが行われている.救急現場においても,煩雑な業務の中で医療事故をどのように防ぐかは重要な課題である.そこで今回は,アニメを使った医療安全教育に取り組むなど,医療安全分野の発展に尽力する大阪大学医学部附属病院中央クオリティマネジメント部の中島和江先生(写真前列左)に,医療安全の今とこれからについてお話を伺った.
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Re-Birth【最終回】
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1168-1168 (2007);
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宮崎県の高千穂にて,神楽面師,工藤正任さん(74)の工房を訪れた.生きた表情を求めて彫りながら,その出来映えを吟味するために時折手を休め,背筋をピンと伸ばして面をじっと見つめる.その真摯な姿が強烈に印象に残る.
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Check out 危険な心電図 緊急度を予測してこう動く!
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1169-1172 (2007);
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From ExpertNurse 救急看護認定看護師からのメッセージ
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1173-1173 (2007);
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私が認定看護師教育課程の受講を考えたのは,臨床経験8年目のときでした.ICUでの勤務も5年目となり,今行っている看護に疑問を感じたり,後輩への指導に悩んだり,これからの自分について考えたりと,とにかくいろいろなことで悩んでいる時期でした.
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家族
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1176-1178 (2007);
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当院は救命救急センターを持つ354床の総合医療センターです.年間約2千台の救急搬送を受け入れています.CPAで来院し,救急室で死亡確認を受ける方は年間約35名です.周知の通り,CPA患者の対応は時間的ゆとりがありません.行った支援に対する患者,家族からのフィードバックも少なく,行った看護の振り返りが難しいと日々感じます.今回,遺されたご家族に再会する機会を得ましたので,そのかかわりについて振り返ってみたいと思います.
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Q&Aで学ぶ 救急現場の精神症状【最終回】
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1231-1235 (2007);
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精神症状を伴う患者さんが救急施設に入院した場合,比較的短期間でも改善し得るせん妄などは,入院中にその治療が完結することもあります.しかし,中には精神症状を伴ったまま救急施設から転院となる患者さんもいます.例えば,自殺企図の患者さんなどで,退院した後も他院での入院治療やリハビリテーションを継続する必要がある人もいるでしょう.また,統合失調症や認知症などを伴いつつ,身体的な救急疾患が生じて救急施設に搬入された患者さんもいるでしょう.このような患者さんが転科や転院となる際,精神症状が伴っていることで,ほかの患者さんと同じように手続きがうまく進まないことがあります.精神科には身体疾患を理由に,内科や外科には精神症状を理由に断られ,転科や転院ができるまでずいぶん長い間救急施設で入院を続けていた患者さんを担当した経験はないでしょうか?このことには医療体制として深く大きな問題が潜んでいると思いますので,すぐに根本的な解決はできないと考えます.しかし現在の状況の中でも,なぜ転科・転院が困難なのか,転科・転院を進める際に看護師としてどんなことに注意しておくべきなのかを知っておくと,患者さんにとってより良い医療につながると思います.そこで今回は,精神症状自体ではなく,精神症状を伴う患者さんの転科や転院に関して述べていきたいと思います.
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めざせ! 救急看護認定看護師 EMERGENCY QUIZ
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1245-1250 (2007);
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誌上で検証 プレホスピタルでの患者のみかた
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1251-1256 (2007);
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通報内容:自宅で呼吸困難.症例:66歳男性.主訴:呼吸困難.現病歴:慢性呼吸不全で在宅酸素療法中.4日前から呼吸がやや苦しかったが,2007年○月×日朝から呼吸困難が急速に増強したため,11時38分,救急車を要請した.現場到着時の状況:自宅居間の布団上に仰臥位でおり,呼吸困難を訴えていた.
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EMERGENCY TOPIC
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1257-1263 (2007);
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2007 年6 月27 日,CDC(米国疾病予防管理センター)は新隔離予防策ガイドラインを公開した.このガイドラインは1996 年の「病院における隔離予防策のためのガイドライン」の改訂版であり,正式名を「隔離予防策のためのガイドライン:医療現場における感染性微生物の伝播の予防,2007年」1)という.MRSAなどの多剤耐性菌の伝播を予防するためのガイドライン(「医療現場における多剤耐性菌対策のためのガイドライン」2))については,2006年秋にすでに公開されているが,多剤耐性菌ガイドラインは新隔離予防策ガイドラインの一部と考えてよい.隔離予防策ガイドラインの改訂を導いた事項は表1の通りである.本稿では,新隔離予防策ガイドラインの中かから,救急医療に関連する感染対策についての情報を抜粋して紹介する.
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総目次
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エマージェンシー・ケア 20巻12号, 1264-1271 (2007);
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