エマージェンシー・ケア
Volume 23, Issue 9, 2010
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目次
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特集
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- 法律家が教える救急医療と法律の関係 事案から分かる 救急医療の「やってはいけない!」NG行為
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②救急医療に関する訴訟の争点
23巻9号(2010);View Description Hide Description医療関連訴訟に関して,診療科別の統計報告はあるものの,「救急医療」というまとめ方はされておらず,その実数は不明である.しかし,公刊物などから裁判例を確認する限り,救急医療に関しての訴訟は常に起こっているはずである.本稿では,安全で効果の高い救急診療を行い,事故や紛争を防止・予防する観点から,救急医療従事者にぜひ知っておいてほしい救急医療に関する訴訟の争点を解説する. -
③救急看護をめぐる訴訟
23巻9号(2010);View Description Hide Description救急看護に関する過誤にはさまざまあるが,裁判となり判決まで至る案件はそれほど多くない.本稿では,公刊された裁判例から,救急看護にも関連性の深いと考えられる事案を解説する. -
④インフォームド・コンセントをめぐる法律問題
23巻9号(2010);View Description Hide Description医療現場では,インフォームド・コンセントの実施が重要である.しかし,特に救急現場では,傷病者の意識がない場合や自らの意思表示ができない場合がある.その点で,通常の医療機関での通院入院治療とはインフォームド・コンセントの形式が異なり,その実践の仕方が課題となる.本稿では,通常の医療現場で起きた事案の考察を踏まえて,救急医療における説明義務の注意点を述べる. -
⑤救急搬送をめぐる法律問題
23巻9号(2010);View Description Hide Description本稿では転院搬送時に想定されるケースを挙げ,法律の観点から考察する.それとともに,医師,看護師,救急隊員,それぞれがそのケースに遭遇した際に行うべきことを述べる. -
⑥トリアージをめぐる法律問題
23巻9号(2010);View Description Hide Description多数傷病者が発生している集団災害現場に看護師が派遣され,さらにトリアージの実施を要請されることはほとんどないと考えられるが,医療機関内で急きょトリアージが必要になり,要請されることはあり得る.こうした集団災害に伴うトリアージに関して,法律学の視点から考察する. -
⑦救急患者からの暴行をめぐる法律問題
23巻9号(2010);View Description Hide Description粗暴な患者による暴力沙汰や刃傷沙汰,収容された認知症患者が引き起こす事件,破廉恥行為や業務妨害行為……残念ながら,誠実に患者に接しようとする医療従事者は,こうした問題に日々頭を悩ませているのが現状のように見受けられる.今は,医療スタッフに対しても,厄介な法律問題を迅速かつスマートに処理していく姿勢が求められている.また,患者とのトラブルを未然に防ぐという点では,刑法の基本的な知識の習得も不可欠となってくる.本稿では事案を挙げ,医療関係者が知っておくべき刑法上の論点を解説するとともに,患者からの暴行にいかに対処すべきかについても言及する.院内暴力と法律問題を論じるための参考にしていただきたい.
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連載
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- E Word 常に心にある言葉
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- 迷画を明画に! Let's challenge 画像読解Q&A
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外傷のprimary surveyの胸部写真
23巻9号(2010);View Description Hide DescriptionER で撮られる外傷のprimary survey の胸部写真が今回の問題です.外傷患者の場合,バックボードに乗った状態で撮影されることが多く,通常の写真よりも少し分かりにくい部分があります.また,いくつか見落としやすい個所がありますので,その個所を中心に見てみましょう. - どんとこい救急! 緊急度・重症度・頻度で学ぶ救急疾患
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動 悸
23巻9号(2010);View Description Hide Description救急現場では,いったん患者さんが運ばれてくれば,すべてのことが患者さんに集中します.チームの足手まといにならないために,知識も経験もがむしゃらに詰め込む……そんな新人スタッフの方もいるかもしれません. でも,救急外来で見逃してはいけない症状と疾患の特徴,その緊急度・重症度・頻度をおさえておくだけでも,ずいぶんとスキルが上がります.あわせて,救急外来はすべての患者さんの診断を行う場所ではなく,「鑑別すべき疾患と鑑別手段を整理する」いわば関所の役割を持つ,と理解しておきましょう. - 家族
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- “しょうがない”でおわらせない! 救急現場のマイナー&メンタルトラブル解決法
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- 救急スタッフのための もうこれであわてない! 救急現場で使われる英略語④
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- From ExpertNurse 救急看護認定看護師からのメッセージ
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- どう診る? どう対応する? 乳幼児の頭部外傷と虐待
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AHTの画像診断②画像は口ほどにものを言う?!
23巻9号(2010);View Description Hide Description2009(平成21)年,厚生労働省・神経疾患研究班によって「『虐待が疑われる乳幼児頭部外傷(Abusive head trauma in infants and young children;AHT)』診断・治療・予防の手引き」がまとめられた.子どもの虐待の背景にはさまざまな社会的・心理的背景が存在し,その診断には最大限の慎重さと正確性が求められる.医療現場での対応が,子どもとその家族の将来を左右することから,虐待の発見と再発予防において,救急医療スタッフの果たす役割は大きい.本連載では,乳幼児の初期診療にあたる救急医療チームがAHTが疑われる症例に遭遇したとき,何を念頭に置き,何をなすべきかについて6回に分けて解説する. - EMERGENCY TOPIC ~台湾の救急医療と上級看護実践~
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海外研修派遣報告~台湾の救急医療と上級看護実践~
23巻9号(2010);View Description Hide Description筆者が在籍する大学院の看護学国際人育成教育プログラムの一環として,2010 年3 月1 日から2 週間,台湾におけるクリティカルケア領域の視察を中心とした研修の機会を得た.このプログラムは,国際的に卓越した実践と教育・研究遂行能力を持った人材の育成とを目的に,平成20 年度文部科学省の大学院教育改革支援プログラムに採択され,現在も海外の看護専門職者・研究者の招請や学生の海外派遣などを中心とした国際交流を行っている. - Emergency Case 救急外来で精神的危機状態に陥ったCPA患者家族の看護~悲嘆感情表出の重要性を振り返る~
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救急外来で精神的危機状態に陥ったCPA患者家族の看護~悲嘆感情表出の重要性を振り返る~
23巻9号(2010);View Description Hide Description救命救急センターに来院する心肺停止(CPA)患者は,交通外傷によるCPA と内因性のCPA とがその多くを占める.CPA 患者は突然の発症によることが多く,患者の家族は予測していなかった家族の死に直面し,危機的状況に陥りやすい.特に外傷によるCPA 患者の場合,変わってしまった患者の姿を目の当たりにすることから,家族の動揺は大きい. 当救急外来では,看護体制として患者受け持ち制をとっている.受け持ち看護師の役割は,救急隊や家族からの情報収集や病歴聴取,救急車到着後から病棟入院までの状態把握・患者観察,診療の補助,患者家族への精神的援助と多岐にわたる.本事例では,夫が不慮の事故に遭ったことで,来院時から妻が精神的危機状態に陥っていた.しかし救急外来で時間がたつにつれて妻の感情表出に変化が表れ,自宅への見送りの際には死の受容へと近づいたかと思われる言動が聞かれるようになった.今回,時間経過に伴った妻の感情の変化と受け持ち看護師の行動とを振り返り,救急外来で精神的危機状態に陥った家族への援助について検討したため,ここに報告する.
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Interview
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- 救急医療の横顔~ ~ For Emergency Members /坂元美佐子さん
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『どこに住んでいても命の重さは同じ』
23巻9号(2010);View Description Hide Description「住む場所が違うだけで,命の重みが変わる」.医療搬送用ヘリコプター「ホワイトバード」の専属ナースである坂元三佐子さんは,ヘリで遠隔地や離島を訪れるたびに,都市と地方の医療格差を感じるという.離島やへき地などでは適切な医療機関にかかれない患者さんも少なくない.しかしホワイトバードは,そんな遠隔地の救急医療に柔軟に対応している.2009年より,ホワイトバード専属ナースとなった坂元さんの活動内容を紹介する.