Volume 23,
Issue 10,
2010
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目次
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エマージェンシー・ケア 23巻10号, 972-973 (2010);
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特集
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場面でわかる! 実践できる! 救急領域の感染管理
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エマージェンシー・ケア 23巻10号, 977-977 (2010);
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エマージェンシー・ケア 23巻10号, 978-985 (2010);
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救急領域における感染管理は,ほかの院内部署の基本的な感染管理の概念・方法と同じであり,そのことを認識して院内の他部署とも連携していくべきである.しかし,救急領域では通常の感染管理よりも注意しなくてはならないポイントが存在する.そのポイントを踏まえながら,スタンダードな予防策に加え,一歩進んだ安全な環境を患者やスタッフに提供できるよう進めていかなければならない. 岩手医科大学救急医学講座・岩手県高度救命救急センター(以下,当センター)では,救急領域で特に注意すべき感染対策について,センター所属のICD(Infection Control Doctor)10名により,院内のICT(院内感染対策チーム)と連携を取りながら,救急現場に合った感染の追加対策を行い,救急領域の感染対策確立に向け努力を行っている.
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エマージェンシー・ケア 23巻10号, 986-994 (2010);
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救急現場では感染症に罹患した傷病者と接触する機会が多く,キャリアであるかどうかさえ分からない場合が多い.そのため,すべての傷病者が何らかの感染症を有しているものとして医療活動を行わなければならない.また,傷病者の家族も感染源となっている可能性や,時には医療者自身が感染源となる危険性があることを忘れてはならない.医療従事者の感染対策としては,①曝露予防,②曝露後対策,③ワクチン接種の3 つの柱が挙げられるが,本稿では救急現場での曝露予防を中心に説明する.
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エマージェンシー・ケア 23巻10号, 995-1000 (2010);
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エマージェンシー・ケア 23巻10号, 1001-1005 (2010);
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エマージェンシー・ケア 23巻10号, 1007-1016 (2010);
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救急現場では,血液や体液,排泄物などの湿性体液物質の曝露や環境汚染などによる接触感染,結核やSARS,新型インフルエンザなどの空気感染・飛沫感染など,すべての感染経路において曝露のリスクが高い.一方で,救急外来や救命救急センターへ搬送される患者は緊急性が高い場合が多く,迅速な処置や治療を優先するために,自分自身の身を守ることに無防備になりがちである. 職業感染制御研究会におけるエピネット日本版サーベイ2009 によると,針刺し事故の発生場所として救急部門の割合は4%であり,決して多い件数ではない.しかし,病室や手術部などの発生場所とは違い,感染症が特定できていない患者への対応が多い中での4%という数字は,決して軽視することができない.また,針刺し事故の受傷者を職種別に見ると看護師が最も多く,この理由として看護師が患者へ接触する機会が多いことが考えられる.そのため,医療従事者,特に看護師が感染源とならないようにすることは当然ながら,職業感染対策を講じることは,救急現場で働く医療従事者の安全を確保する上で,必要不可欠である.
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連載
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E Word 私の課題となる言葉
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エマージェンシー・ケア 23巻10号, 961-961 (2010);
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どんとこい救急! 緊急度・重症度・頻度で学ぶ救急疾患
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エマージェンシー・ケア 23巻10号, 962-967 (2010);
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救急現場では,いったん患者さんが運ばれてくれば,すべてのことが患者さんに集中します.チームの足手まといにならないために,知識も経験もがむしゃらに詰め込む……そんな新人スタッフの方もいるかもしれません. でも,救急外来で見逃してはいけない症状と疾患の特徴,その緊急度・重症度・頻度をおさえておくだけでも,ずいぶんとスキルが上がります.あわせて,救急外来はすべての患者さんの診断を行う場所ではなく,「鑑別すべき疾患と鑑別手段を整理する」いわば関所の役割を持つ,と理解しておきましょう.
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家族
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エマージェンシー・ケア 23巻10号, 974-976 (2010);
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“しょうがない”でおわらせない! 救急現場のマイナー&メンタルトラブル解決法
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エマージェンシー・ケア 23巻10号, 1020-1024 (2010);
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From ExpertNurse 救急看護認定看護師からのメッセージ
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エマージェンシー・ケア 23巻10号, 1030-1030 (2010);
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どう診る? どう対応する? 乳幼児の頭部外傷と虐待
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エマージェンシー・ケア 23巻10号, 1033-1039 (2010);
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2009(平成21)年,厚生労働省・神経疾患研究班によって「『虐待が疑われる乳幼児頭部外傷(Abusive head trauma in infants and young children;AHT)』診断・治療・予防の手引き」がまとめられた.子どもの虐待の背景にはさまざまな社会的・心理的背景が存在し,その診断には最大限の慎重さと正確性が求められる.医療現場での対応が,子どもとその家族の将来を左右することから,虐待の発見と再発予防において,救急医療スタッフの果たす役割は大きい.本連載では,乳幼児の初期診療にあたる救急医療チームがAHTが疑われる症例に遭遇したとき,何を念頭に置き,何をなすべきかについて6回に分けて解説する.
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救急スタッフのための もうこれであわてない! 救急現場で使われる英略語⑤
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エマージェンシー・ケア 23巻10号, 1041-1042 (2010);
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Emergency Case
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エマージェンシー・ケア 23巻10号, 1044-1049 (2010);
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わが国における脊髄損傷患者の年齢構成は若年と中高年にピークがあり,近年では,高齢者の転倒に起因した外傷に伴う頸髄損傷の割合が増加している1).高齢の頸髄損傷患者では,身体機能予備力の個人差やさまざまな既往疾患の存在,老化に伴う適応能力や表現能力の低下,合併症の出現しやすさなどから,若年者と比べて経過が複雑である場合が多い.当センターでも過去5 年間に搬送された50 名近い頸髄損傷患者のうち,60 歳以上が6 割を占め,経過は順調でないことが多い. 今回,横隔膜機能が残存した高齢のC4 頸髄損傷患者の事例を紹介する.頸髄損傷の重症度分類にはASIA Impairment Scale(ASIA;表1)2)が多く用いられており,患者はASIA B に該当した.このスケールではA 分類に近づくほど重篤となるが,B 分類に該当しても運動機能が完全になくなるわけではなく,麻痺高位でも回復が見られるケースもある3).また,呼吸状態を左右する横隔膜機能はその神経支配がC3・4・5 頸髄にあるが,C4 頸髄より下位の損傷では人工呼吸器の離脱が可能な場合もある4).人工呼吸器から離脱できるかどうかは,患者や家族のQOL を左右する大きな問題である.そのため,本事例では的確な機能評価と予後の見極め,急性期からのアプローチが大きなテーマとなった.さらに,患者は呼吸器系疾患の既往歴を有しており,環境不適応や疼痛,呼吸補助筋の疲弊などの多くの問題が生じたことから,多職種によるケアを行った.本稿ではその経過を振り返り,今後も予想される高齢の頸髄損傷患者とのかかわりを見据えて報告する.