ナーシングビジネス

看護を続けていくことを悩み迷う中堅看護師が、続けていくことができるよう支援するための教育のあり方として、どのようなことが重要になってくるのだろうか。副院長の水野たつ子さんが考える、大切な5つのポイントについて伺った。

看護師約380名のうち、臨床経験5年以上の人が4割近くを占める埼玉社会保険病院。これら中堅看護師のモチベーションを上げ技量を十二分に発揮させることが「病院力」の強化につながると考え、グループワークによる研修を試みている。

　看護の現場を離れた看護師の職場復帰については、さまざまな支援の取り組みが紹介されています。しかしながら、このような職場復帰支援は看護師不足を解決する手段の一つではあっても、必ずしも有効ではないことがこれまでの取り組みの非効率性から読み取れます。　ならば、今働いている人、これから働く人が離職しなくてすむ方法を見つけ出すことのほうが、より有効ではないでしょうか。本稿では、これまでの公表データと独自のアンケート結果等をもとに、皆さまとともに、大好きな看護の仕事を楽しく、やりがいを持って働き続けられるための方策を考えていきたいと思います。

入職後数年が経ち、周りからの期待を背負い、必死に頑張っていらっしゃる方も多いかと思います。しかし、その一方で、「やりがいが見出せなくなった」「もう、新人でないことはわかっている。でも、何にでも自信があるわけではない……」そんな悩みを抱いたことはないでしょうか？ナーシングビジネス編集室では、そんな経験を『中堅の危機』と定義しました。『中堅の危機』からどのようにして抜け出し、やりがいを見出していったのかについて、次のようなアンケート調査を行いました。ここでは、寄せられた回答を紹介します。

ホスピタル・プレイ・スペシャリスト（HospitalPlay Specialist：HPS）をご存知だろうか？　治療や検査の名のもとに、さまざまな制限や苦痛を余儀なくされ、「遊び」や「学び」の環境を失っている病院の子どもたち。HPSは、そんな子どもたちの権利や福祉を守る視点から英国で誕生し、オーストラリアやニュージーランドにも根づいている“小児医療の現場で働く、医療を専門としない専門職種”だ。発祥の地・英国では1988年、医師や看護師と同等に国家資格として認定され、現在すべての病院に、患児10人に1 人の割合で配置すべきとされている。日本では、先進他国に比してこのような取り組みが遅れてきたが、ここ10年ほどの間に、HPSとともに、米国の同職種にあたるチャイルド・ライフ・スペシャリスト（Child Life Specialist：CLS）が活動を始めている。ここでは、英国でHPSの資格を取得し、大阪府立母子保健総合医療センターに勤務する後藤真千子さんを取材した。

国家公務員共済組合連合会平塚共済病院（489床）の新人看護師の胸には、1 年間、新人の証である四葉のクローバーのチャームがついている。これにより、病院内の職員だけでなく、患者や地域の人々と一緒に新人看護師を見守り育てる仕組みができたという。その具体的な内容と効果についてお話を伺った。

新卒看護師の獲得が、地方都市を中心に難しくなっている。そのため、潜在看護師の掘り起こしが、どの施設でも重要な課題とされる。大分健生病院（大分県大分市）では、2007年度より、潜在看護師向けの復帰支援講座を開催している。名づけて「カムバックナース・プログラム」。実習を重視することで、ブランクのある潜在看護師に自信とやる気を持たせようという試み。施設をあげての取り組みについて紹介する。

地域連携の重要性に鑑みて、近年では、急性期、回復期を問わず、地域連携室に看護職を配属する病院が増えてきた。トヨタ記念病院（愛知県豊田市、513床）の地域医療連携室主任看護師の前千登世さんは、2003年から同部署に所属しており、そのパイオニアの一人である。持ち前のフットワークを頼りに、“道なき道”を開拓し連携の仕組みづくりとコーディネートに奔走してきた。

人は誰でも、社会生活のさまざまな場面で、いわれなき差別を受けることなく、公平で公正な扱いを受けたいという欲求をもっている。不公平、不公正な扱いは、人々に大きな心理的ストレスを生じさせ、その回復に向けた行動を強く喚起することになる。こうした事情は組織活動の場面でも同様である。組織では、採用、教育・訓練、昇進・昇格、昇給、配置転換（異動）、解雇といった人材マネジメントに関する多くの事柄が公正の問題と深く関わっている。とくに、成果主義や能力主義といった、個人間の差異を人材マネジメント上の基準とする新たな制度が急速に進展しつつある現在、経営組織における公正の問題はあらためて大きな注目を集めている。

目標管理を世に送り出したドラッカーは、「目標設定への参画」「自己統制」という二つの理念を提唱した。今回は、この二つの理念について説明し、また、その実践にあたって生じる問題と、解決への取り組みの例を紹介しておく。

医療崩壊を防止するためには、日々の臨床現場における“チーム医療”の推進が重要であることは論をまたない1, 2）。今回は、現在の不適切な診療報酬を適正化するための取り組みにも“チーム医療”が不可欠であるということを述べたい。つまり、さまざまな医療職種がバラバラに取り組んだり、既得権を主張し合うエゴのぶつかり合いに終始するよりも、一枚岩となったほうが、行政はもちろん、医療の外の世界、健康な一般国民へのアピールの上でも、インパクトが格段に強いということである。

より良い医療・看護を提供する基盤となるのは、円滑なコミュニケーションです。本連載では、チーム医療のための基本的なコミュニケーション術を再確認していきます。まずは、「ビジネスマナー」のおさらいからスタートしましょう。スタッフナースへの指導にも役立ててください。

今回は、Ａ病院のＢ室に5 年以上にわたり入院したまま退去しない患者Ｃに対して、病院が、訴訟で患者の退去を求めた、きわめて珍しい事例を紹介します。

　副看護師長の役割は、「看護師長の命を受け当該看護単位の看護業務や部下職員及び看護学生の教育・指導を行うにあたって看護師長を補佐する。看護実践においては部下の役割モデルとなり、看護計画の立案・実施・評価の指導を行う1）」と述べられている。副看護師長は、看護師長の補佐という立場上、看護師長と重複する業務内容が多いことや施設により異なる役割も求められることから、業務範囲が拡散状態にあるといえる。つまり、果たすべき役割の焦点化が難しい状況に置かれているのではないかと筆者らは考えた。副看護師長の役割は広範囲なため、全項目に同じ比重で労力を注ぐことは困難であり、マネジメントの権限を副看護師長に委譲していく師長の力量や師長・副師長間の協働の中身が問われ、また、看護師長と重複している役割については、その細項目の到達レベルを、師長と副師長のどちらが主体になって、どこまで実践するかを明確に分担しておくことも必要である。

厚生労働省の平成21年度予算案がまとめられ、2008年12月24日に主要事項が明らかにされた。予算案の総額は25兆1,568億円であり、そのなかの社会保障関係費は24兆6,522億円となった。今回は医療関連の予算項目に「安心と希望の医療確保ビジョン」と「日本看護協会の要望書」がどのように反映されているかを中心に、予算案の概要を見ていくこととする。

2008年12月、米国メディケア・メディケイド管理センター（Center of Medicareand Medicaid Services；CMS）は全国的保険償還判定機関（NationalCoverage Determination；NCD）を通じて、3項目の予防可能な外科的医療過誤を保険料償還制限の対象とすることを提案した。