ナーシングビジネス
Volume 4, Issue 2, 2010
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PHOTOGRAPH
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FEATURE
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- 第1特集
- 看護師長が身につけたい 5つのマネジメント力
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5つのマネジメント力への期待
4巻2号(2010);View Description Hide Description変化する医療界において、看護のあり方も様変わりしている。それに伴って、看護管理者に求められる役割も変化しており、各部門のマネジメントを担う看護師長にも大きな役割が課せられている。そのようななか、最近では、現場での実践を通じてマネジメント力を培うだけでなく、日本看護協会が設けた認定看護管理者研修などでマネジメントを学ぶ人も増えている。多忙ななかで、看護師長が身につけたい力とはどのようなものか、また、身につけるべき力とはどのようなものだろうか。 本特集では、看護師長に必要な「マネジメント力」を5 つ取り上げて紹介しているが、まず本稿では、これら5 つの力を師長に期待する理由について解説していく。 -
(1) 組織力
4巻2号(2010);View Description Hide Description本特集で登場する中澤文子氏も述べているように(p28参照)、各マネジメント階層に必要な能力を専門的能力、対人的能力、概念化能力と分類して、階層ごとにその割合の差があるという考え方がある。前述した要素も含め組織力を考えるとき、どの階層でも同様に必要な能力である「対人的能力」が大きな影響を持つ。とくに看護は人と人との間で直接的に行われるヒューマンサービスである。人(スタッフナースたち)が創り上げるサービス(商品)の質を高め、効率的・効果的に提供し成果につなげることで、組織力を高めることになる。このサービスの最前線に立ち「やりくり」を行う師長の組織力が、組織全体の力を向上させる鍵を握ると言えるだろう。 以下、組織力と深く関連する動機づけ・モチベーションとリーダーシップ、コミュニケーションについて考えていくこととする。 -
(2)-1 キャリア育成力
4巻2号(2010);View Description Hide Descriptionまず、「キャリア」とは何かを見てみよう。広辞苑では、「職業・生涯の経歴や専門的技能を要する職業についていること」と記している。また、ホール(D.T.Hall)は、キャリアを「人生の生涯にわたり、仕事に関連した処々の体験や活動を通して個人が自覚しうる態度や行動のつながり」1)と定義している。これらから、キャリアについて、個人特有のものととらえていることや、キャリア形成されていくプロセスに注目していることがわかる。一方、シャイン(EdgarSchein)は、「キャリアとは、生涯を通しての人間の生き方・表現である」2)としており、キャリアを人生そのものとしてとらえ、自分自身の生活や家庭生活と切り離すことができないものだと考えていることがわかる。 次に、キャリア開発の「開発」について見てみよう。「開発(development)」には、開発あるいは、成長や発達という意味がある。「開発」には、組織の作用で個人の力を発展させるという、他から働きかけられて行動する状態を想像させる。一方、「発達」は、個人が自ら成長していくために、自らが働きかける状態を想像させる。 このようにキャリア開発は、「組織が個人を、組織のなかでどのように生かしていくかを考える視点(開発)と、個人が自分の課題を持ってどのように成長していくかを考える視点(発達)とを持つ。前者をキャリアマネジメント、後者をキャリアプランニング」3)という。キャリア開発は、これらを統合した概念の言葉として使われている。 そして本稿では、看護師長がスタッフナースのキャリア開発を進めるために発揮する力を「キャリア育成力」として、以下、この力について話を進めていく。 -
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(3) 看護経営力
4巻2号(2010);View Description Hide Description看護師長に必要な「経営力」とは何だろうか。それは、利益追求のための「金もうけ」をする力という意味ではない。良質な医療・看護を提供するという前提のもと、顧客(患者)満足のために、ヒト・モノ・カネ(または時間や情報も含め)の資源を有効活用し、協働して働くシステムを構築する力のことである。 このような看護のマネジメント力は、病院の「生き残り」に大きく関与している。医療を提供する病院の社会的な責任は利益追求ではないことも十分理解できるが、反対に利益がなければ病院の存続も厳しく、人件費の維持や新しい機器購入もできなくなるなど、病院経営に大きな影響を及ぼすことも事実である。 本稿では、看護師長に期待されている「看護経営力」を培うために必要な知識として、「情報」の活用・分析などを含めたマーケティングの考え方と、「カネ」に直結する経営的な指標について紹介する。 -
(4) 看護サービスマネジメント力
4巻2号(2010);View Description Hide Description看護師長は、自身の管理部署における看護サービスの質を保証するという責任を負っている。したがって看護師長は、病院組織における看護単位の役割を認識し、必要とされる看護サービスをマネジメントする力を備えていなければならない。 看護サービスマネジメントは、「その組織が理想とする看護サービスを明らかにしその組織全体で協働してそのサービスを実現させることである」1)とされている。看護師長には、顧客(患者・家族)満足に焦点をあてた看護・看護ケア実践のマネジメントが求められている。つまり、サービスの基本的概念を理解し、誰に・何を・どのような方法で、何を目指して提供するのかを考え、限りある資源を活用して組織的に目標を達成していく力が、看護師長に求められる看護サービスマネジメント力であると考える。 -
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- 第2特集
- これからの地域医療をどう育む?
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- 気持ちよく「うん」と言わせる交渉術
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- 看護部・病棟はもっともっと元気になる! 人と組織のマネジメントのキーをおさえよう
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