スマートナース

右ページのアンケート結果からもわかるように、ナースは人工呼吸器に触れる機会が多いにもかかわらず、約半数が「ヒヤリ･ハット」を経験し、6割以上が人工呼吸器関連のトラブルに対応できないのが現状です。しかも人工呼吸器の操作は、ほんのうっかりミスが患者さんの生命を左右する重大な事故につながりかねません。今回の特集では、だれもが経験しやすい人工呼吸器事故の「ヒヤリ･ハット」事例から、原因・対策を考え、未然に防止できる方法をわかりやすくご紹介します。

全国の国立病院機構傘下の病院では、人工呼吸器を巡る医療事故が2001年からの3年間で23件発生、15人が死亡しています。患者さんの多くは難病を抱え、長期間、人工呼吸器を装着していました。どうして人工呼吸器関連の事故は多発するのでしょうか？

人工呼吸器は、(1)吸気・呼気の回路を確保する、(2)吸気ガスは加温加湿しなければならない、(3)呼吸器本体はガスの混合と換気の調整、およびそれらのモニタリングを行っていることがわかれば苦手意識はなくなります。また人工呼吸器は、自発呼吸と違って陽圧換気を行うものであり、「不自然な呼吸」だとつねに意識しましょう。

人工呼吸に関連するトラブルの多くは、数秒ないし数十秒といった非常に短時間に対処しなければなりません。「どうしよう」とパニックに陥っている時間はないのです。日ごろから万一に備えてトレーニングし、どのようなトラブルが起こりやすいかを知っておくことが重要です。これから挙げる50項目のヒヤリ・ハット事例を参考にして、ヒヤリ・ハットを起こさない、起こってもただちに対処できるようにしておきましょう。

ここまで、ナースがやってしまいがちなヒヤリ・ハット事例を取り上げました。一度は経験のある事例が多かったのではないでしょうか。最後に、人工呼吸器事故を起こさないために、日ごろから心掛けておくべきことを整理しておきましょう。

日本で初めて設立されたがん医療の専門機関、癌研究会附属病院は、2005年3月に東京・有明へ移転し、癌研有明病院となった。同院の緩和ケア病棟（PCU：palliative care unit）では、抗がん剤などによるがん縮小の治療だけでなく、がんの進行に伴う痛みを取り除く緩和ケアをがん医療における積極的な治療に据え、がん患者の身体的・精神的苦痛を取り除いている。ターミナル期に限らず、早期からの緩和ケアを行い、これまでのホスピス、緩和ケア病棟のイメージを覆す「痛みケア」を推し進めている。

胃がんで、肝転移・骨転移の70歳男性Mさん。1週間前からJCS3.-300。家族へは医師から、かなり状態の厳しいことが説明され、今後、延命治療はしないことが決まっている。本日より尿排泄量30mL／日。喘鳴が強く、下顎呼吸。家族が面会に来たところを新人ナース（6カ月目）が対応したが……。

睡眠時無呼吸症候群の精密検査のため、入院してきたY さんは、きちんと検査ができるかどうか不安で、ナースであるあなたに相談に来ました。Y さん「病室のベッドだし、緊張して寝られなかったら、検査できないんじゃないでしょうか？」さて、あなたはどうアドバイスしますか？

コミュニケーション能力、それは間違いなくナースに求められる最も重要な能力の1つとして挙げられる。でも、コミュニケーション能力はどのように磨けばいいのだろうか。そのヒントを、今回は大学でビジネス実務を教える大島武さんに伺った。ビジネスの世界から大学の教師に転じ、教えじょうずな大学の教師を選ぶコンテスト『ベスト・エデュケーター・オブ・ザ・イヤー』で最優秀賞に選ばれたこともある大島さんの研究は、仕事や日常で使える実践的なコミュニケーションスキルや知恵であふれている。核となるのはプレゼンテーション・マインドだ。

ビジネスの世界で商品や企画を売り込むことだけではなく、人前で少しまとまった話をすることすべてがプレゼンテーション。相手にわかりやすく正確に伝え、相手の理解を深めてもらうためのプレゼンテーションの技術やノウハウは、必ずナースの仕事にも役立つはず。

プレゼンテーション・マインドは、あらゆる場面のコミュニケーションに活かせる。コミュニケーションにかかわる読者のお悩みに、プレゼンテーション・マインドの発想ならどんな解決が考えられるか、3つのケースについて実践的なアドバイスをいただきました。

仕事におもしろみが感じられなくて、やる気なしの後輩。病気を甘く見ているのか、医師に言われたことに真剣に取り組もうとしない患者さん。なんとかしたいけど、なかなかなんともならないこんな人たちも、プレゼンテーション・マインドでコミュニケーションすれば、前向きにすることができるかもしれない。

他人から何か言われると、とっさに防衛本能が働いて拒否反応を露骨に出してしまう人がいます。逆に、同じ話でも相手の言葉を冷静に分析できる人もいます。出だしが同じでも結果が違うのは、どんなところに原因があるのでしょうか？

「私は欲張りなんですよ。仕事も家族も大事。やりたいこともいっぱいある」。ベテラン助産師として、そしてアロマセラピストとして大活躍の大本さん。家族全員がスクラムを組んで、いきいきと生活しています。

1996年の発足以来、看護領域の期待をどんどん高めている認定看護師制度。高度な知識と技術をもち、リーダーシップを発揮していく認定看護師がどんな道のりをたどったのか、先輩たちの活躍を見てみよう。

一人の力は小さくても、いつも前向きに

古瀬優美は、福祉住環境コーディネーターの資格を活かし、毎日4件ほどの家庭を回りながら、訪問看護師として活動している。生活環境の改善もできるナースとして、患者さんと介護者の信頼も厚い。

前回は「相手の権利を侵害することなく、自分の感情や要求を誠実に率直に対等に伝えることのできる態度や行動の理論と方法論」という、アサーティブネスの概念についてお話ししました。今回からは、さっそく具体的な「伝えかた」のポイントを紹介していきましょう。

ストレスためずに元気になろう！ナースには「人間関係」だけでなく、「不規則な生活」「患者の命を預かる」などのストレスもあります。でも、ストレスをためすぎても良いことは何もありません。毎年、2000人以上にカウンセリングを行う山本先生が、ストレスをためすぎず、気持ちが楽になる簡単な方法を紹介してくれます。

毎回、会員さんをゲストにお迎えして、皆さんからいただいたアンケートを基に、テーマについて編集室とお話しをしていただく「スマート・カフェ」。今回は、皆さんの落ち込むポイントや怒りのポイントが多数寄せられました。

気が付くと、肩がこっていませんか。頭痛になり、時に吐き気までしてくる。胃の裏が張って、胃腸の調子が悪くなることも。気分の超低空飛行、楽しいことにも笑えず不機嫌街道まっしぐら。肩の力も抜けないから、鎧よろいを着たような体型と気持ちに、な〜んてことをやめましょう。