外科

・1937年創刊。外科領域の月刊誌では、いちばん長い歴史と伝統を誇る。
・毎号特集形式で、外科領域全般にかかわるup to dateなテーマを選び最先端の情報を充実した執筆陣により分かりやすい内容で提供。
・一般外科医にとって必要な知識をテーマした連載が3~4篇、また投稿論文も多数掲載し、充実した誌面を構成。
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目次
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特集【痔瘻を極める―この1冊で痔瘻のすべてがわかる】
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- Ⅰ.総論
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1.肛門の解剖と痔瘻診療のポイント
85, 6(2023);View Description
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痔瘻と直腸肛門周囲膿瘍は肛門陰窩から侵入した細菌の感染により肛門周囲の筋組織,上皮組織やその周辺の軟部組織の間に存在する組織間隙に沿って発生する.痔瘻の正確な診断と適切な治療を行うためには型分類を把握し,肛門周囲の筋組織を含めた解剖を理解することが重要である.診察においては問診,視診および肛門指診を組み合わせることで膿瘍の形成部位や瘻管の走行を把握することがある程度可能となる. -
2.痔瘻の外科治療(開放術,括約筋温存術,seton法)―各種術式の適応とピットフォール
85, 6(2023);View Description
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痔瘻の根治は手術による.手術は開放術,括約筋温存術,seton 法の三つに分類できる.根治の原則は原発口,一次瘻管,原発巣を切除または開放することで,禁制保持の必要条件は恥骨直腸筋,原発口より頭側の内括約筋を温存することである.手術を行う際は根治性と機能温存(禁制保持),形態保持が求められる.それぞれの術式の特徴とピットフォールを知ることにより,痔瘻の型に応じて適切な手術を行うことができる. - Ⅱ.各論
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1.痔瘻の画像診断―経肛門超音波検査
85, 6(2023);View Description
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肛門周囲膿瘍・痔瘻は問診,肛門診によりまず疑うことが大切である.特に深部の肛門周囲膿瘍は肛囲皮膚に発赤や腫脹をきたさないため診断が困難な場合がある.通常の肛門診察に画像検査を併用することでより正確な診断につながる.経肛門超音波検査は外来診察で簡便に行え,患者の苦痛が少ない検査である.肛門診察では得ることができない膿瘍の位置や範囲,周囲構造物との関係を描出することで,診断に有用で適切な治療へと結びつく. -
2.痔瘻の画像診断―ここまでわかる,深部痔瘻術前の立体構築理解に役立つジャックナイフ位MRI法
85, 6(2023);View Description
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深部痔瘻,複雑痔瘻の診断,治療は触診のみでは不可能であり,ほかの画像診断を併用する必要がある.肛門部MRI 検査は,軟部組織のコントラスト分解能が高いため,膿瘍や瘻管の存在の正確な解析が可能な非侵襲的検査である.さらに手術時と同じ体位でMRI 検査を行い,肛門括約筋の軸に垂直および平行にスライスするジャックナイフ位MRI 法は,手術に必要な痔瘻の立体構築に関して,もっとも客観的な情報が治療者全員に得られる検査法である. -
3.浅部痔瘻に対する外科治療の手技とピットフォール
85, 6(2023);View Description
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浅部痔瘻(隅越分類Ⅰ型・Ⅱ型)は日常診療でしばしば遭遇する疾患である.痔瘻根治術の原則は一次口から原発巣,二次口にいたる瘻管をすべて切除あるいは開放することであるが,根治性を重視しすぎると肛門括約筋損傷や肛門変形による術後の肛門機能低下をきたすおそれがあり,肛門周囲の解剖と生理を熟知したうえでの繊細な手技が求められる.近年,専門病院ではさまざまな括約筋温存術式が試行されているが,本稿では外科医が習得すべき基本術式を中心に,根治性と機能温存性の両者に配慮した手技のポイントについて解説した. -
4.深部の痔瘻に対する外科治療の手技とピットフォール―坐骨直腸窩型
85, 6(2023);View Description
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深部の痔瘻治療ではイメージすることのむずかしさと1 回で治癒させる大切さがある.根治性と形態・機能温存のためには原発巣の確実な処置と無理のない修復がポイントである.そのためには十分な経験と技量を必要としイメージどおりに術式を円滑に施行できるよう外科的手技を磨くことである.経肛門的超音波検査を活用し自身の痔瘻診療にフィードバックしてきたが,坐骨直腸窩型の術式をとおして深部治療の実践的な外科的手技について述べる. -
5.Crohn病に合併した痔瘻の診断と治療の選択
85, 6(2023);View Description
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Crohn 病の痔瘻は原発口や瘻孔も特徴的な所見を有するが,Crohn 病に特徴的な肛門病変(skin tag,裂肛,cavitating ulcer)を併発していることも多く,それらの特徴を理解することが早期診断に役立つ.痔瘻の治療に対しては根治が可能か否かを見極めることが重要である.根治不可能な痔瘻に対しては直腸切断術を考慮する.根治可能な症例に対してはtight seton 法を行う.またCrohn 病の活動性に応じた治療計画が必要である.Crohn 病の活動性増強に伴い副次的に生じた痔瘻に対しては抗体製剤などの内科治療が効果的である. -
6.多発痔瘻に対するアプローチ―診断と治療戦略・手術手技
85, 6(2023);View Description
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多発痔瘻には,通常の肛門腺の初期感染巣から起こるもの,炎症性腸疾患,特にCrohn 病によるもの,乳児痔瘻などさまざまなものがある.治療をすすめるうえで,病因,痔瘻の数,位置,術前の肛門機能などの診断が重要であり,保存的か外科的治療か,一期的か分割手術かなど治療計画も大切である.特に複数の病変を手術する場合は,それぞれの病変部の括約筋に侵襲が加わるため,術後の肛門機能障害や変形などを残さないような術式の選択が求められる.
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- 外科医の私論
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