外科
・1937年創刊。外科領域の月刊誌では、いちばん長い歴史と伝統を誇る。
・毎号特集形式で、外科領域全般にかかわるup to dateなテーマを選び最先端の情報を充実した執筆陣により分かりやすい内容で提供。
・一般外科医にとって必要な知識をテーマした連載が3~4篇、また投稿論文も多数掲載し、充実した誌面を構成。
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目次
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特集【体腔鏡手術の教え方・学び方】
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- Ⅰ.総論
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1.Virtual reality技術を活用した内視鏡外科手術教育
86, 3(2024);View Description Hide Description内視鏡外科手術は外科手術において一般的な手法となったが,高度な技術と判断に熟練を要するため適切かつ効果的な教育を受ける必要がある.一方で,コンピューターや可視化デバイスの性能向上により,virtual reality(VR)テクノロジーが医学教育の分野でも取り入れられ始めた.内視鏡外科手術教育においては,360°カメラで録画した映像,医用画像解析やVR シミュレーターを用いた取り組みがなされ成果を上げつつある.VR 技術を用いた医療教育・トレーニングは無限の可能性を秘めた没入型技術であり,臨床での熟練度を高め,医療の安全性を高めるための費用対効果に優れた手段となるであろう. -
2.体腔鏡手術教育の未来
86, 3(2024);View Description Hide Description内視鏡外科領域における手術教育は,これまで主観的・定性的に行われることが多かった.手術の質やスキルを客観的・定量的に評価することができれば,より効率的で科学的な手術教育・トレーニングにつながる.本稿では,従来の手術パフォーマンス評価とその整理を行い,画像認識モデルの開発とそのための手術動画データベースについて,さらには人工知能(AI)による手術パフォーマンス評価の取り組みについて紹介する. - Ⅱ.各論
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1.食道:1)低侵襲食道切除における術者教育―食道癌の内視鏡外科技術認定合格者を胸腔鏡術者経験2年以内で輩出してきた食道外科教育システム
86, 3(2024);View Description Hide Description食道癌手術は症例数も豊富でなく,計画性をもって術者を育てる必要がある.どんな高難度手術においても手術基本手技を遵守することで安全な手術が可能であり,低侵襲食道手術を学ぶ際にも,まずは手術基本手技の習得が必須である.必要な微細解剖の知識や定型化された手術手技およびそのコンセプトを理解したうえで,手術基本手技の遵守のもと,部分術者から段階的に手術を経験することで,効率的に低侵襲食道切除術の習得が可能となる. -
1.食道:2)縦隔鏡手術の教育と学び
86, 3(2024);View Description Hide Description縦隔鏡特有の手術解剖を理解し,頸部と腹部からの異なる縦隔アプローチを同時に習得するのは容易ではない.当科では,導入当初から現在まで,基本,頸部操作後に経裂孔操作を行う手順と執刀の分担性を採用している.術者教育は,執刀医の育成はもちろんであるが,チームとして安全かつ確実な手術を安定して行うためにある.そのためには,チームにおける役割分担,チームとしての習熟が不可欠である.周術期合併症対策ツールの有効活用も重要である. -
2.胃:1)ロボット手術時代の新しい学び方―OICI式タスクローテーション
86, 3(2024);View Description Hide Descriptionロボット手術について一つのプロセスを4 つのパート(肝圧排~No.4sb リンパ節郭清,結腸テイクダウン~No.6 リンパ節郭清,膵上縁郭清,No.1,3 リンパ節郭清~再建)に分け,異なるロボット術者が順番に担当する.これにより,多くの若手医師がロボット操作のトレーニングを積むことができ,duet surgery により腹腔鏡下手技の習得も可能である. -
2.胃:2)低侵襲胃切除の術者教育:教え方・学び方―内視鏡・ロボット合同胃切除術(LARCS)による専攻医に向けた次世代教育
86, 3(2024);View Description Hide Descriptionロボット支援下胃切除術の増加に伴い,若手外科医の執刀機会が減少傾向にある.当院では若手外科医の教育機会確保のために,腹腔鏡・ロボット合同胃切除術(laparoscopic and robotic procedures combined surgery:LARCS)を開発・導入した.LARCS では術者の役割をconsole surgeon とpatient side surgeon に割り振ることで複数の術者での手術を実現し,教育的で安全性の高い手術を実践することが可能となった.外科医の高齢化と専攻医の減少が著しい消化器外科にとって,若手外科医に魅力的な環境を作り出すことが早急の課題であり,執刀機会というインセンティブを与えるべく開発したわれわれの教育方法について述べる. -
2.胃:3)ロボット支援下胃切除術における教育システムの構築―胃癌手術の教育・継承への鍵:role sharing surgery
86, 3(2024);View Description Hide Description胃癌領域において,精緻かつ安全な手術を提供しうるロボット手術の導入を画策する流れは継続している.ロボット胃癌手術のパラダイムシフトを乗り越えるためには,より多くのロボットサージョンを育成するための教育システムの構築の重要性が高い.Role sharing surgery は,「患者さんファースト」の絶対的理念を土台におき,手術のクオリティの担保と厳格な時間管理を徹底した新たな教育システムである. -
3.大腸:1)ロボット支援下大腸癌手術における術者教育
86, 3(2024);View Description Hide Description日本におけるロボット手術の普及に伴い,効果的な教育体制の必要性が高まっている.ロボット手術特有のソロサージェリー要素,術者の若年化を考慮すると,バランスの取れた手術能力育成とフィードバック方法が重要である.本稿では,教育者と修練者双方の心構え,適切な教育対象者と症例の選定,当グループにおける教育プログラムなどを詳述し,ロボット手術技術の安全な伝搬と後進育成について考察する. -
3.大腸:2)腹腔鏡下大腸手術における術者教育のポイント
86, 3(2024);View Description Hide Description当科では,手術の質や安全性の維持を意識したうえで腹腔鏡下大腸手術の執刀経験を若手外科医に積極的に与えており,その教育のポイントを概説する.まず腹腔鏡手術の術者教育において手術の定型化は重要である.定型化された手術の一挙手一投足を真似することが上達への近道である.また自身やエキスパートの手術映像を繰り返しみることで,高い学習効果を得られる.手術支援人工知能(AI)や3D スコープの使用も手術の上達に一役買っている.