外科
・1937年創刊。外科領域の月刊誌では、いちばん長い歴史と伝統を誇る。
・毎号特集形式で、外科領域全般にかかわるup to dateなテーマを選び最先端の情報を充実した執筆陣により分かりやすい内容で提供。
・一般外科医にとって必要な知識をテーマした連載が3~4篇、また投稿論文も多数掲載し、充実した誌面を構成。
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目次
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特集【外科修練医必携 これだけは押さえておきたい外科日常診療の基礎】
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- Ⅰ.周術期管理
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1.周術期における栄養・代謝:1)術前・術後の栄養管理の基本(経腸栄養/経静脈栄養の適応・特徴など)
86, 5(2024);View Description Hide Description・ 経腸栄養を基本とし,早期経口摂取を考慮する.誤嚥などのリスク評価が重要である.・ 経腸栄養ができない,あるいは不十分な場合は静脈栄養を施行する.過剰輸液により腸管浮腫が生じ,術後の腸管機能回復遅延の原因となる可能性を理解する.・ 退院後の栄養摂取量の低下に注意を要する.Oral nutritional supplements(ONS)は効果的な手法である.術前から術後にいたるシームレスな管理を構築していくことが必要である. -
1.周術期における栄養・代謝:2)栄養の評価法
86, 5(2024);View Description Hide Description・ 術前患者の15~40%が栄養障害に陥っている可能性がある.・ 適切な栄養評価により栄養障害患者を同定し,栄養療法により栄養状態を改善することは合併症の減少や医療コストの抑制につながる.・ 栄養評価は,複数の栄養指標・臨床指標を組み合わせて多角的に行う.・ アセスメント方法には,問診・身体計測・理学的所見,血液生化学検査,体組成測定,機能的検査がある.・ 栄養スクリーニング・アセスメントツールは,治療効果判定や術後合併症などの予後推定指標にも用いられている. -
2.周術期感染症:1)外科感染症の診断と対策
86, 5(2024);View Description Hide Description・ 外科感染症には,当初から治療目的となる感染症と手術部位感染(SSI)や遠隔部位感染(RI)などの術後感染症がある.・ SSI とは,手術操作が直接及ぶ部位に発生する感染症をさし,感染が及んだ部位別に表層切開創SSI,深部切開創SSI,臓器/体腔SSI に分類される.・ RI には,呼吸器感染症,尿路感染症,抗菌薬関連性腸炎,ドレーン感染症,カテーテル関連感染症などがある.・ 診療ガイドラインを遵守して,外科感染症管理を行うべきである. -
2.周術期感染症:2)感染予防抗菌薬の適正使用と薬剤耐性
86, 5(2024);View Description Hide Description・予防抗菌薬は手術部位感染対策の一つである.・ 予防抗菌薬は術野汚染菌数を宿主が制御可能なレベルまで減少させることを目的とする.・主な術野汚染菌は宿主の常在菌であり薬剤耐性の進行が問題となっている.・地域や医療機関の薬剤耐性状況を経年的に監視して予防抗菌薬を選択する必要がある.・ 近年,膵頭十二指腸切除術で予防抗菌薬として広域薬を使用する方法が提唱されている. -
3.高齢者に対する術前術後管理:1)外科治療における高齢者の特性
86, 5(2024);View Description Hide Description・高齢者人口の増加に伴い,高齢者を手術する機会が増え続けている.・しかし,わが国では,高齢者に対する外科治療に関する系統的な教育はされていない.・ 米国外科学会および米国老年医学会が発行した,高齢者の外科手術時の適切な評価・対応を定めた合同ガイドラインでは,まずは術前評価チェックリストで評価し,問題があった場合に専門的な評価・介入を実施することを推奨している. -
3.高齢者に対する術前術後管理:2)高齢者の耐術能の評価(脆弱性)
86, 5(2024);View Description Hide Description・ 術前リスクの評価のために複数の方法が提示されている.その中には高齢者の予後を予測するのに有用なものもあるが,これらには高齢者の周術期管理に重要な包括的機能評価が含まれていない.・ 高齢者の術前評価には従来の術前リスク評価法に加えて包括的高齢者評価(CGA)7やG8 といった簡易的なツールによる包括的機能評価,J-CHS,Asian working group for sarcopenia(AWGS)2019 に基づくフレイル,サルコペニアの評価を併せて行うことが重要である. -
3.高齢者に対する術前術後管理:3)疼痛コントロール
86, 5(2024);View Description Hide Description・ 高齢者では予備力の低下がみられるが,これの個人差が大きいことが特徴である.・ 加齢は疼痛の受容や認知,表現,鎮痛薬に対する感受性や効果持続時間,副作用の発生頻度に影響する.・ 高齢者では術後の機能低下や回復の遅れを招く可能性があり,強い疼痛はそれに拍車をかけるおそれがある.・ 高齢者の術後鎮痛では,複数の鎮痛法や鎮痛薬を組み合わせて痛みの経路を複数箇所で抑えるmultimodal analgesia を行う.・ 高齢者では,術後痛が遷延する可能性がある. -
3.高齢者に対する術前術後管理:4)高齢者に特有な術後合併症とその対策
86, 5(2024);View Description Hide Description・高齢者では術前にフレイルやサルコペニアを評価して治療方針を決定する.・ 待機手術では,術前状態の改善を目的としたプレハビリテーションを実施し,術後早期離床のためのenhanced recovery after surgery(ERAS)プロトコルを遵守する.・術後せん妄では非薬物療法を優先し,薬物療法実施時には副作用に留意する.・誤嚥性肺炎対策では嚥下機能評価と口腔ケアが重要である.・転倒対策では,転倒歴の聴取が参考となり,ポリファーマシーを回避する.
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