内科

日常診療に直結したテーマを精選して特集として掲載し、タイムリーな情報をクオリティの高い編集で提供する内科総合誌です。総合診療の現代において広く横断的な知識を得るのに最適で、とくに年2回の増大号は他の内科系雑誌の追随を許さない情報量です。
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特集【胆道・膵疾患を診る―早期診断・早期治療のために】
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- 胆膵疾患総ざらい
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肝膿瘍
130, 1(2022);View Description
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▪ 肝膿瘍はさまざまな病原体が感染して肝臓に膿瘍を形成する疾患であり,治療は膿瘍のドレナージ,抗菌薬での治療が主体である.▪アメーバ性肝膿瘍の場合にはmetronidazole が使用される.▪ 原因疾患は胆道由来,血行経路,隣接臓器炎症の直接経路,肝胆道系の侵襲的処置後などがあげられ,原因疾患への治療も並行して進める必要がある.▪ 細菌性肝膿瘍は肝胆道系基礎疾患や併存疾患の存在に加えて,非特異的な症状から早期診断が難しく,集中治療を要し一定数の死亡率が報告されている.▪ 感染初期の微小膿瘍多発時期は画像診断は困難であり,原因のはっきりしない発熱や敗血症の際にはダイナミック造影CT を用いた評価が重要である.
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Book Review
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POPAI 直伝!FFR 使いこなしハンドブック wire based からvirtual まで
130, 1(2022);View Description
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※この記事は書評です。
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特集【胆道・膵疾患を診る―早期診断・早期治療のために】
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- トピックス
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膵がん・胆道がんにおけるゲノム診療の現状と将来
130, 1(2022);View Description
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▪がん遺伝子パネル検査によりがん遺伝子診療が現実のものとなった.▪ 臓器横断的なターゲット(MSI‒H,TMB‒H,NTRK 融合遺伝子)があるが,胆膵がん領域では陽性率は低い.▪ 膵がんでは,生殖細胞系列BRCA1/2 変異患者における維持療法としてポリアデノシン二リン酸リボースポリメラーゼ(PARP)阻害薬olaparib の無増悪生存期間延長が示された.▪ 胆道がんでは,主に肝内胆管がんにみられるFGFR2 融合遺伝子に対する線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)阻害薬pemigatinib の有効性が示された.その他,IDH1 変異,BRAF V600E 変異,HER2/neu 増幅,BRCA1/2 変異などが期待されている標的である. -
高齢者の膵がん・胆道がん診療
130, 1(2022);View Description
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▪高齢の膵がん・胆道がん患者は増加している.▪高齢者に対するがん治療は十分なエビデンスがない.▪高齢の膵がん・胆道がん患者に対する外科的治療は全身状態が許せば,選択肢になる.▪ 高齢の膵がん・胆道がん患者に対する多剤併用療法は適切な治療選択下において,安全で有効である.▪高齢がん患者に対する総合機能評価は治療選択決定に有効である可能性がある. -
膵がん・胆道がん診断のバイオマーカーの進歩
130, 1(2022);View Description
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▪膵がん・胆道がんはともに切除不能な場合の生命予後は厳しく,早期発見が望まれる.▪ がんの早期発見を目的としたバイオマーカーの研究は日進月歩であり,近年リキッドバイオプシーの広まりとともに体液中の微量な腫瘍由来分子の解析によるがんの早期発見が試みられている.▪ 多くの有望なバイオマーカーが報告されてきており,今後の臨床応用によって膵がん・胆道がんの生命予後が改善されることが期待される. -
胆膵領域の内視鏡診断と治療の進歩
130, 1(2022);View Description
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▪ 胆膵領域では,内視鏡・処置具の開発や内視鏡技術が大きく進歩したことにより胆膵内視鏡は目覚ましい発展を遂げている.とくに,超音波内視鏡(EUS)による診断治療手技の発展や,バルーン内視鏡(BAE)を用いた術後再建腸管の胆管挿管や,経口胆道鏡(POCS)による通常の内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)での結石除去困難症例に対する胆道鏡下で電気水圧衝撃結石破砕装置(EHL)やレーザー砕石装置(LL)を使用した治療など,従来の内視鏡では不可能であった手技が可能となってきている. -
COVID-19 と胆膵疾患診療
130, 1(2022);View Description
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▪ 新型コロナウイルス感染症(COVID‒19)の流行による消化器内視鏡診療において,感染拡大を防ぐため,また個人防護具の不足から,当初は内視鏡検査数の制限が行われた.▪ 健診受診者の減少や受診控えに伴うがんの発見の遅れや予後への影響が危惧されており,胆膵領域においても流行前と同様に診断・治療を行うための感染防御が重要である.▪ COVID‒19 と膵炎の関連性についても報告があり,留意しておく必要がある. - Overview
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急性膵炎・急性胆管炎update
130, 1(2022);View Description
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▪ 急性膵炎と診断した後はまず重症化のリスクを判断し,重症化した場合,もしくは重症化が高率に予想される場合には適切な施設への搬送と適切な治療をシステマティックに行うことが求められ,「Pancreatitis Bundles 2021」の積極的活用が望まれる.▪「 Pancreatitis Bundles 2021」で改訂された内容として,軽症急性膵炎には予防的抗菌薬は使用しないこと,経腸栄養は経胃でも可であること,感染性膵壊死に対するステップアップ・アプローチ,などがあげられる.▪ 急性膵炎診療における地域連携ネットワークの重要性は「急性膵炎診療ガイドライン2021」でも強調されており,各地域それぞれのネットワークづくりが求められる.▪ 急性胆管炎の診断には長らくCharcot 3 徴(発熱・黄疸・腹痛)が用いられてきたが,実際にはCharcot 3 徴をきたさない急性胆管炎が多く経験され,「急性胆管炎・胆囊炎診療ガイドライン2018」では急性胆管炎の診断は「全身の炎症」「胆汁うっ滞」「胆管病変」の3 因子を用いて行われている.▪ 急性膵炎・胆管炎,いずれの病態も重症度評価は頻回に行い,当初は軽症の症例でも重症化する可能性を常に念頭に置き,重症化のタイミングを逃さないようにすることが肝要である. - 座談会
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膵がん・胆道がん早期診断のための医療連携 クリニックと高度医療施設をつなぐ中間的な役割の重要性
130, 1(2022);View Description
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本日の座談会は「膵がん・胆道がん早期診断のための医療連携」と題しまして,3 名の先生方にお集まりいただきました.膵がん・胆道がん診療では早期診断が,そしてそのための医療連携がきわめて重要です.ご出席の先生方におかれましては,クリニックから大学病院までそれぞれのお立場でご活躍されていらっしゃいますので,本日は実臨床の経験に基づいたお話をお伺いしていきたいと思います.
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- 〈新連載〉医療用ITツールのイマとミライ
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