内科

日常診療に直結したテーマを精選して特集として掲載し、タイムリーな情報をクオリティの高い編集で提供する内科総合誌です。総合診療の現代において広く横断的な知識を得るのに最適で、とくに年2回の増大号は他の内科系雑誌の追随を許さない情報量です。
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総目次
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目次
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【特集】コロナ禍で見えた感染症検査の原点回帰各種検査の特徴とその解釈
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- 鼎談
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感染症検査と医学教育 コロナ禍で見えた感染症検査教育のあるべき姿
131, 6(2023);View Description
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本鼎談では「感染症検査と医学教育」と題し,新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019:COVID19) 流行下でわれわれ感染症専門医が感じた感染症検査の問題点などを踏まえ,医学教育をどのように改善していくべきかといった点について,このテーマを語るにふさわしいお二人と議論していきたいと思います. 笹原先生,岡本先生,どうぞよろしくお願いいたします.
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その他
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【特集】コロナ禍で見えた感染症検査の原点回帰各種検査の特徴とその解釈
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- [Chapter 1]今必要な感染症検査とその解釈
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今求められる感染症検査
131, 6(2023);View Description
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▪ COVID‒19パンデミックは多剤耐性菌対策の進展を妨げた.▪ 多剤耐性菌の増加や新興・再興感染症の発生に対応できる公衆衛生インフラを整備する必要がある.▪ 感染症診療の基本は原因微生物の特定である.▪ 広く普及した PCR 機器は多くの可能性を秘めている.▪ NGS は耐性菌や新興感染症への対策にも有用な道具である.▪ 今後起こりうる新たな脅威に対応するために,新しい技術を有効活用し,よりよい検査体制を整える必要がある. -
感染症検査の解釈とピットフォール
131, 6(2023);View Description
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▪ 感染症診断の原則は,患者背景因子の把握,感染臓器の特定,原因微生物の推定・同定である.▪ 感染症検査の結果を正しく解釈するためには,診断精度と検査前確率を意識すべきである.▪ 適切な微生物検査結果を得るためには,適切な検体採取,適切な検体搬送と保存,適切な検査依頼が重要である.▪ 塗抹・培養検査結果を正しく解釈するために,必要な知識を取得すべきである. -
遺伝子検査の原理と種類,解釈
131, 6(2023);View Description
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▪ 病原体核酸検査は,高速性,高い感度・特異度,多項目同時測定を期待して実施される.▪ 病原体核酸検査の工程は,検査前プロセス,検査プロセス,検査後プロセスに大別される.▪ 検査プロセスは,解析前プロセス(核酸抽出),解析プロセス(核酸増幅・検出),解析後プロセス(データ解析・判定)に大別される.▪ 検出限界値に影響が大きいのは解析前プロセスである.▪ 病原体核酸検査の原理は核酸増幅法,ハイブリダイゼーション,シークエンシングの三つに大別される.▪ 多施設で得られた検査結果を時系列で評価するには国際標準化が必要である.▪ 異なる新興感染症の検査のための精度管理試料確保は重要な課題である. - [Chapter 2]血液検査から感染症を考える
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血算とCRP値
131, 6(2023);View Description
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▪ 感染症は,白血球数や CRP 値などの非特異的炎症マーカーの異常だけで診断がつくわけではない.▪ 感染症に対する感度に限界もあるため,これらの値が正常範囲内であっても必ずしも感染症の除外ができるわけではない.▪ そこで起きている何かを考え始めるきっかけにはなりうるが,最終的には他の所見や経過などと合わせて総合的に判断していく必要がある. -
プロカルシトニン(PCT)
131, 6(2023);View Description
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▪ プロカルシトニン(PCT)をはじめとする炎症マーカーはその特徴や限界を理解し,上手に使うことが大切である.▪ PCT のみを,細菌感染症や敗血症の診断,予後予測,抗菌薬治療の判断に使うべきではない.▪ 敗血症や呼吸器感染症において,PCT を抗菌薬中止基準の一つとして用いることができるかもしれない.▪ 非感染性の病態や非細菌感染症でも PCT が上昇することがある.