別冊整形外科
整形外科領域における今日的なテーマを企画、公募によるオリジナル論文を掲載
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小児整形外科up-to-date
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- Ⅲ.上肢疾患
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3.内反肘・外反肘:内反肘と外反肘の病態と治療
43, 85(2024);View Description Hide Description小児の上肢関節疾患としては先天性,後天性(外傷性)のものが知られるが,外観上の訴えで受診する場合も少なくない.そのため本稿では,内反肘,外反肘と各形態ごとに概説する. -
4.その他:小児上肢変形に対する三次元シミュレーション手術
43, 85(2024);View Description Hide Description小児の四肢変形の原因は多岐にわたるが,成長とともに改善が期待できない許容範囲外の変形は,適切な時期に矯正手術を行うことが必要である.近年,コンピュータ機器やソフトの開発により三次元シミュレーションが可能となり,より正確な評価と治療が可能となった.これまで変形矯正手術に,その適否も含めて三次元シミュレーションを行っており,本稿では症例を交えてその概要について述べたい. - Ⅳ.下肢疾患
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1.発育性股関節形成不全:1)画像評価:MRIを活用した発育性股関節形成不全の多角的評価
43, 85(2024);View Description Hide DescriptionMRI は軟部組織の描出に優れ,整形外科領域では軟骨,神経,靱帯,関節唇,筋などの評価に有用である.わが国は人口あたりのMRI 保有台数が世界一であり1),古くから診療において積極的に活用されてきた.われわれも乳幼児期の発育性股関節形成不全(developmental dysplasia of the hip:DDH)の軟骨形態や軟部組織に着目し,本誌においてMRI の有用性を報告した2).股関節単純X 線像のみの評価では幼児期に将来の寛骨臼形態を予測することは不可能であるが3),MRI での軟骨形態評価などにより,幼児期に将来の寛骨臼形態を予測できるとする報告が散見されてきている.われわれはDDH診療において積極的にMRI を活用し,多角的な評価を行ってきた.得られる情報とその活用方法を文献的考察も加えて紹介する. -
1.発育性股関節形成不全:2)広範囲展開法:発育性股関節形成不全に対する観血的整復術―広範囲展開法の手術手技と治療成績
43, 85(2024);View Description Hide Description発育性股関節形成不全(developmental dysplasia of the hip:DDH)[完全脱臼]に対する外科的治療は,1908年にLudloff 法が報告されて以来,内側法や前方法など数多くの手術法が報告されているが,中でも特に良好な長期成績が報告されているのは広範囲展開法である.広範囲展開法は,前外側進入で関節包の全周切開を行う術式として1977 年に田辺らによりはじめて報告された方法である1).当院では2006 年の開設以降,本術式を採用しており,リーメンビューゲル装具で整復位が得られないDDH 症例をはじめ,脳性麻痺や多発性関節拘縮症などの基礎疾患を有する症例群にも適応を広げて使用してきた. 本稿では,はじめに当院での本術式の手術手技を述べ,治療成績については基礎疾患を有する症候性DDHを対象とした研究結果を報告する. -
1.発育性股関節形成不全:3)骨切り術:Salter骨盤骨切り術の短期成績
43, 85(2024);View Description Hide Description当科では小児臼蓋形成不全症例に対し,2018 年以降Salter 骨盤骨切り術を施行している.本稿では,その短期成績について報告する. -
2.下肢の先天異常:先天性脛骨欠損症に対する小児期下肢再建治療―成人に達した2例から工夫された現在の方法
43, 85(2024);View Description Hide Description先天性脛骨欠損症(congenital absence of the tibia:CAT)は生下時に脛骨の不完全あるいは完全な欠損を示し,時に足部足趾や大腿骨に及ぶ場合もある,胎生期に生じる形成不全である.発生頻度は非常にまれな疾患で,100 万出生あたり1 例と推定されている1).欠損の程度もさまざまで2),完全欠損から残存程度によるJones 分類3)がよく知られている(図1). 乳幼児期からの下肢再建手術が必要となるが,初期手術の後も成長性変形への矯正手術,脚長不等増加への骨延長術を繰り返し行い4)ながら成長期を乗り越えている.かつては乳児期切断術の対象とされたが,創外固定法が導入されてから20年を超え,下肢形成不全への治療の考え方も大きく変化した5,6). 本稿では,成人に達したCAT 2 例の経過およびその経験から工夫された現在の方法について述べる. - Ⅰ.総論
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1.検診:北海道における野球肘検診の取り組み
43, 85(2024);View Description Hide Description投球による肘関節の障害は野球肘と総称され,特に成長期の投球障害は肘関節の骨・軟骨障害が多いことが特徴である.成長期の野球肘は成長期における競技活動を妨げるだけでなく,骨・軟骨障害が残存することにより,成人期における競技活動や日常生活に影響を及ぼす可能性もあり,発病の予防から早期発見や適切な介入による進行の予防が重要である. - Ⅳ.下肢疾患
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3.脚長不等:骨延長後の腓骨長と下肢アライメント
43, 85(2024);View Description Hide Description創外固定を用いた骨延長や変形矯正術後に脚長差は解消するものの,抜去後に関節アライメントが不良となる症例を経験することがある(図1).この合併症に対してPark ら1)は,低身長に対する下腿延長術37 例の検討で,腓骨骨癒合不良が術後の足関節外反のリスクになると報告している.そこで本研究の目的は,創外固定器を用いた下腿延長術後の腓骨の状態と術後の関節アライメントの関連を調査し,関節アライメント悪化の要因を探ることとした.また本研究では,当科で行ってきた脚延長,変形矯正術後の腓骨骨癒合,腓骨長と関節アライメントの関連を調査した.
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