Publisher:
最新医学社
P-ISSN:
0370-8241
Latest Articles
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特集【脳血管と認知症】
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最新医学 74, 6, 717-718 (2019);
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鼎談
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最新医学 74, 6, 719-731 (2019);
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基礎
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最新医学 74, 6, 732-738 (2019);
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脳実質のAβのクリアランス機構として,少なくとも4つの経路が知られている.すなわち,① トランスサイトーシスによる血管内腔への排出経路,② 血管壁内の Aβドレナージ経路(IPAD),③ グリンパティック経路,④ Aβ分解酵素やグリア による分解経路である.これらクリアランス機構は,加齢に伴い蓄積するAβのクリアランスに相補的にかかわっており,介入によって促進できればアルツハイマー型認知症の治療法となりうると期待されている.
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最新医学 74, 6, 739-743 (2019);
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ペリサイトは脳微小血管に存在する壁細胞の一種であり,近年,その多様かつ重要な機能が明らかとされたことにより,多くの研究者が注目することとなった.その機能は脳血管系の形態形成から脳微小循環制御,炎症メディエーターとしての機能など多岐にわたる.また,その障害による疾患への関与からも注目を集めている.本稿では,これまでに明らかとされたペリサイトに関する多様な知見を総論する.
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最新医学 74, 6, 744-749 (2019);
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慢性脳低灌流と認知症の関連については,脳小血管病に分類される皮質下血管性認知症と脳アミロイド血管症において,大脳白質病変の原因としての慢性脳低灌流状態が重要視されている.病態モデル動物では,虚血性大脳白質病変を生じ,学習・記憶機能障害を発症する慢性脳低灌流モデルが開発され,病態解明,バイオマーカー探索,予防法・治療法開発などに汎用されている.
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最新医学 74, 6, 750-754 (2019);
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脳の複雑な機能を制御するには,脳内外の異なる細胞種同士が適切に相互連携する必要がある.そのため,神経系・グリア系・血管系細胞を1つの単位(神経グリア血管単位;neuro-glia-vascular unit)として考え,脳を包括的に保護しようとする方向に研究が進んでいる.本稿では,脳血管性認知症やアルツハイマー病における神経グリア血管単位の破綻と認知機能障害の関連について,最近の知見を紹介する.
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診断・臨床
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最新医学 74, 6, 755-760 (2019);
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認知症,特にアルツハイマー病への血管リスク因子の関与が確立され,その背景に血管炎症,あるいは炎症マーカーとの関連が示唆されている.血管炎症マーカーとしては,高感度CRPが代表的なものであるが,高感度CRPと認知症との関連は年齢, 時期,遺伝子多型との関係で一致した見解を得ていない.脳小血管病の存在が将来の認知症リスクを高めることはよく知られているが,脳小血管病と血液炎症マーカーとの関連についても報告が集積しつつある.認知症の根本的治療法が存在しない現在,血管炎症抑制を標的とした治療手段は,将来の認知症発症リスクを低減させることが 期待される.
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最新医学 74, 6, 761-769 (2019);
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我が国では,認知症患者の急増が医療・社会問題となっている.近年の国内外の疫学調査において,血圧変動と認知機能低下および認知症発症との関係が報告されている.福岡県糟屋郡久山町における認知症コホート研究(久山町研究)の成績では,家庭血圧の日間変動の増大に伴い,血管性認知症およびアルツハイマー型認知症の発症リスクが有意に上昇した.認知症予防において,血圧値のみならず血圧変動にも留意した高血圧管理が重要であると言えよう.
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最新医学 74, 6, 770-777 (2019);
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動脈スティッフネスは大血管から小血管に至る動脈硬化の程度を示し,高血圧症や糖尿病などの生活習慣病,心臓や腎臓などの血管関連疾患も反映する.最近では,脳血管障害との関連が報告され,脳卒中や認知症の共通リスク因子である脳小血管病との関連も注目されている.認知症は,国民の健康生活を考えるうえで重要な疾患であり,その機序の解明に動脈スティッフネスの評価が役立つかもしれない.
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Source:
最新医学 74, 6, 778-785 (2019);
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脳卒中そのものによる認知機能障害は,血管性認知機能障害(vascular cognitive impairment)と呼ばれる.一方,脳卒中発作後しばらくしてから何らかの認知症を発症してくることがあり,この場合,脳卒中は認知機能障害の誘因あるいはリスク因子と考えられる.これらを総じて脳卒中後に来す認知症をpoststroke dementiaと言う.
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