脳神経外科速報

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特集【疾患別脳腫瘍再発治療アップデート Science & Evidence に基づく治療・手術のいま】
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【グリオーマの再発①】 世界の最先端を知る
33, 5(2023);View Description
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再発グリオーマは難治性で,現状では十分な治療選択肢がない.しかし,近年になって,IDH変異腫瘍へのボラシデニブの有効性が報告されたり,免疫療法や抗体薬物複合体の有効性を示す報告も出ていて,まさに治療の転換期にいると思われる.本総説ではそんな状況下で判明している腫瘍の治療抵抗性機序,最新治療について概説する. -
【グリオーマの再発②】 日本の現状を知る
33, 5(2023);View Description
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グリオーマはその分類において近年分子診断が急速に進み,最新のWHO 分類では遺伝子解析が必須となり,その結果が診断名に組み込まれるなどの変化が見られる.その一方で,特に最も悪性度の高い膠芽腫に関しては,ランダム化比較試験(RCT)で生存期間の延長が示された薬剤は2005年に報告されたtemozolomide(TMZ) 1)以降はいまだ存在していない.治療機器としてはNovoTTFが初発膠芽腫に対するRCTで有効性が証明され 2,3),本邦でも2016 年に承認されたが,長年にわたり分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬など数多くの薬剤が科学的に精度の高い臨床試験で検証されたにもかかわらず,現在までその有効性が示されたものはない. 一方で,本年6 月に開催されたASCO(米国臨床腫瘍学会)ではIDH 遺伝子変異を持つグリオーマに対するIDH阻害薬の有効性が報告され,日本ではその独特の保険制度(国民皆保険制度)が後押しをするかたちで近年遺伝子組換えウイルス製剤であるデリタクトが悪性神経膠腫に対して条件付き期限付き承認を得るなど,新しい動きも生じている. 本稿では再発グリオーマ,特に再発膠芽腫を中心に本邦での現在の標準治療,そして進行中の新薬の臨床試験の情報などを整理したい. -
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【良性脳腫瘍再発治療のいま③】 神経鞘腫の治療選択肢と再発に対するマネージメント
33, 5(2023);View Description
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神経鞘腫は,末梢神経系を構成するシュワン細胞から発生する良性腫瘍であり,前庭神経をはじめ様々な脳神経から発生する.脳腫瘍全国集計調査では,原発性脳腫瘍の10.4 %を占める頻度の高い腫瘍であるため,その治療戦略に習熟しておく必要がある.慎重な経過観察・手術・放射線治療を組み合わせた戦略が確立されつつある.さらに最近,最も頻度の高い前庭神経鞘腫に対して,ヨーロッパ脳腫瘍学会から推奨ガイドラインも報告された 1).一方で,再発症例に対しては,いまだ治療戦略は確立していない. 本稿は,自験例を示しながら,主に前庭神経鞘腫に対する治療の選択肢を理解し,それに基づく再発症例の適切なマネージメント,さらには新規治療の可能性を含めて概説する.
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