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Publisher:
星和書店
P-ISSN:
1343-3474
Latest Articles
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【展望】
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臨床精神薬理 24, 4, 319-325 (2021);
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"薬物療法に関する科学的情報は世界共通であっても,承認薬のラインアップやその使用法にはそれぞれの国や民族によって異なる点も多い。本稿では,わが国に多少なりとも特有な抗精神病薬や使用法,およびその治療思想的背景について述べた。わが国では第1 世代抗精神病薬の時代から,今日でいう""非定型的""な薬剤を好む一面があった。さらに,第 2 世代抗精神病薬の開発過程で aripiprazole が果たした役割は極めて大きいものがあった。非難されることの多い多剤大量療法の背景には,抗精神病薬を鎮静剤とみなす考え方,対症療法であるとみなす考え方,clozapine が第 2 世代抗精神病薬より遅れて登場したことがあげられる。 臨床精神薬理 24:319-325, 2021 Key words ::antipsychotics, philosophy of prescription, polypharmacy"
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【特集】 新規抗精神病薬lurasidone
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臨床精神薬理 24, 4, 327-335 (2021);
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Lurasidone はドパミン D2 受容体およびセロトニン 5-HT2A 受容体拮抗作用という非定型抗精神病薬に特徴的な性質に加え,5-HT7 拮抗作用および 5-HT1A 部分作動作用を有し,統合失調症の陽性症状,認知機能障害,うつ・不安症状への効果を裏付ける代表的な行動薬理試験において有意な作用を示すことが確認されている。一方,アドレナリンα1,ヒスタミン H1,ムスカリン M1 受容体などの副作用関連受容体に対する結合親和性は低く,げっ歯類を用いた副作用評価では他剤に比べてカタレプシー惹起作用および中枢抑制作用が軽度であった。これらの非臨床試験結果から,lurasidone は抗精神病作用,認知機能障害改善作用,抗うつ・抗不安作用を併せ持ち,既存の抗精神病薬よりも起立性低血圧,代謝障害,鎮静作用といった副作用発現が少ないことが示唆される。 臨床精神薬理 24:327-335, 2021 Key words ::lurasidone, atypical antipsychotic, 5-HT1A receptor partial agonist, 5-HT7 recep tor antagonist, schizophrenia
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臨床精神薬理 24, 4, 337-346 (2021);
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Lurasidone は新たな serotonin-dopamine antagonist(SDA)として2020年に本邦で上市されたが,統合失調症治療において多くの海外エビデンスを有している。統合失調症急性期における複数の無作為化比較試験(randomized controlled trial:RCT)では place boと比較してPositive and Negative Syndrome Scale合計スコアの有意な低下が認められ,副作用も体重増加や他の代謝系副作用などにおいて軽微であった。これらの結果は複数の試験を組み入れたプール解析,メタ解析でも同様であった。急性期治療における大規模ネットワークメタ解析でも有効性について placebo に比し有意な改善が認められ,体重や脂質,血糖など代謝系に与える影響は小さかった。RCT やメタ解析等の結果を踏まえてlurasidone は複数の海外ガイドラインで多くの副作用について低リスクと位置づけられ,忍容性の問題がある場合の切り替えの選択肢として挙げられている。今後は海外エビデンスに加えて本邦での lurasidone の使用経験やデータが蓄積され,統合失調症治療の様々な場面で活用されていくことが期待される。 臨床精神薬理 24:337-346, 2021 Key words ::lurasidone, randomized controlled trial (RCT), meta-analysis, treatment guide line
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臨床精神薬理 24, 4, 347-355 (2021);
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双極性障害抑うつエピソードにおける lurasidone の有効性,安全性に関して,海外でのエビデンスレベルは高い。国際双極性障害学会の治療ガイドラインで第一選択薬として推奨しているなど,国際的にはスタンダードな治療薬として確立しているといっていいだろう。わが国では,この世界標準の治療薬をようやく使用できるようになり,今後わが国の多くの双極性障害患者にとってlurasidone が有用なものであることを示す知見が蓄積されることが期待される。 臨床精神薬理 24:347-355, 2021 Key words ::guideline, bipolar disorder, depressive episode, evidence, lurasidone
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臨床精神薬理 24, 4, 357-363 (2021);
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本邦で開発され,既に海外で広く使用されている非定型抗精神病薬 lurasidone が2020 年 6 月に本邦でも統合失調症を適応として上市された。受容体プロファイルではドパミン D2 受容体とセロトニン 2A 受容体への親和性が高く,ヒスタミン H1 受容体,ムスカリン M1 受容体への親和性は極めて低く,いわゆるセロトニン・ドパミンアンタゴニスト(SDA)である。さらにセロトニンの 1A 受容体および 7 受容体にアンタゴニストとして作用し,気分改善効果や認知機能改善効果を示す可能性が示唆されている。臨床試験では中等度以上の統合失調症急性期患者の陽性症状,興奮,陰性症状,不安・抑うつ,認知障害を改善していた。悪心とアカシジアが 4%程度認められたが,12 週間の継続投与においても錐体外路系副作用や代謝系,心血管系への副作用も少なく,急性期から継続投与が可能な抗精神病薬である可能性が示唆された。 臨床精神薬理 24:357-363, 2021 Key words ::schizophrenia, lurasidone, PANSS five-factor model, receptor affinity
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臨床精神薬理 24, 4, 365-368 (2021);
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Lurasidone は,ドパミン D2 受容体,セロトニン 5-HT2A・5-HT7 受容体阻害作用および 5-HT1A 受容体部分作動作用を持つ非定型抗精神病薬である。双極性障害の抑うつエピソードに対して,単剤に加え,lithium またはバルプロ酸への追加投与でも有効性を示す。抑うつエピソード後の再発予防効果も示唆される。抑うつ症状に加え,不安症状にも有効であり,社会機能も改善させる。双極性障害における混合性の特徴を持つ抑うつエピソードおよび混合性の特徴を持つうつ病にも有効である。代謝系への副作用は,que tiapine や olanzapine に比して少ない。国内外の治療ガイドラインにおいて,lurasidoneは,双極 I 型障害または双極性障害の抑うつエピソードのファーストラインの治療に位置づけられている。Lurasidone の単剤または気分安定薬との併用療法は,双極性障害の抑うつエピソードにおける標準的な治療といえる。 臨床精神薬理 24:365-368, 2021 Key words ::lurasidone, atypical antipsychotics, bipolar disorder, depression, mood stabilizer
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臨床精神薬理 24, 4, 369-376 (2021);
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Lurasidone は本邦で独自に開発された非定型抗精神病薬であるが,海外に比べて約10年遅れで,2020年に上市された。本稿では,その使用経験が豊富な海外における文献を基に,統合失調症の認知機能障害,治療抵抗性症例,青年期症例に対する lurasidoneの有用性に関する研究を紹介した。統合失調症に対する本邦の承認用量(40~80mg)が米国(40~160mg)とは異なることに注意を要するが,この点を勘案しても,lurasidoneが統合失調症の認知機能障害の一部領域において有効であること,十分な治療期間を確保すれば治療抵抗性症例に有効であること,青年期症例にも安全に使用できて有効性が期待できることなどの可能性が示唆された。今後,本邦においても臨床経験を蓄積し,これらの可能性について検証していく必要がある。 臨床精神薬理 24:369-376, 2021 Key words ::adolescent, cognitive impairment, effectiveness, lurasidone, schizophrenia
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Source:
臨床精神薬理 24, 4, 377-383 (2021);
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抑うつ性混合状態は,双極性障害ないしうつ病において,抑うつエピソードの基準を満たし,かつ,エピソードの閾値未満の数の躁・軽躁症状が併存している状態像である。その頻度は高く,双極性障害患者の抑うつエピソードの 50%前後,うつ病患者の30%前後に上る。また,抑うつ性混合状態は,自殺行動や併存症の頻度の高さ,抑うつエピソードの難治性に関連するなど,気分障害の予後不良因子である。抑うつ性混合状態の薬物療法には,抑うつエピソードと併存する躁症状を同時に改善させることが要求される。抗うつ薬による治療は,併存する躁・軽躁症状を悪化させ,躁・軽躁病へのスイッチや自殺行動を誘発する懸念が提起されている。第二世代抗精神病薬のいくつかが抑うつ性混合状態に有効であることが報告されてきたが,中でも lurasidone は最もエビデンスが多い薬剤である。本稿では,lurasidone の抑うつ性混合状態に対する海外での臨床試験の知見を紹介し,今後の展開を考察する。 臨床精神薬理 24:377-383, 2021 Key words ::lurasidone, depressive mixed state, mixed depression, mixed features, treatment
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【シリーズ】
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Source:
臨床精神薬理 24, 4, 384-385 (2021);
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【原著論文】[ 二 次 出 版 ]
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臨床精神薬理 24, 4, 387-405 (2021);
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目的:米国及び欧州を中心に実施された先行試験により,双極Ⅰ型障害の抑うつ症状に対する lurasidone 20 ~ 120mg/日による治療の有効性,安全性が実証されている。本試験は,日本人を含む多様な民族的背景を持つ双極Ⅰ型障害患者の抑うつ症状に対する lurasidone 単剤療法の有効性及び安全性を評価することを目的とした。方法:被験者は lurasidone 20~60mg/日群(184名),80~120mg/日群(169名)又はプラセボ群(172名)のいずれかにランダムに割り付けられ,二重盲検下で 6 週間投与された。主要評価項目は,投与 6 週時の Montgomery-Åsberg うつ病評価尺度(MADRS)合計スコアのベースラインからの変化量とした。結果:投与 6 週時の MADRS 合計スコアのベースラインからの変化量はプラセボ群(-10.6)と比較して,lurasidone 20~60mg/日群では有意に低下したが(-13.6,調整p =0.007,効果量=0.33),lurasidone 80~120mg/日群では有意な低下は認められなかった(-12.6,調整 p =0.057,効果量=0.22)Lurasidone 20~60mg/日群では MADRS 治療反応率,社会機能障害,不安症状も改善した。Lurasidone 投与時に発現した主な有害事象はアカシジアと悪心であった。Lurasidone 投与による体重,脂質,血糖コントロール値に関連するパラメータの変化はわずかであった。結論:Lurasidone 20~60mg/日の 1 日 1 回投与による単剤療法は双極Ⅰ型障害患者の抑うつ症状及び社会機能障害を有意に改善したが,lurasidone 80~120mg/日群では有意な改善が認められなかった。本試験結果はこれまでの試験結果と概ね一貫しており,日本人を含む多様な民族的背景を持つ双極Ⅰ型障害患者に対して lurasidone 20~60mg/日による治療が有効かつ安全であることが示唆された。臨床試験登録:Clinical trials.gov 番号 NCT01986101 臨床精神薬理 24:387-405, 2021 Key words ::antipsychotic agents, bipolar disorder, depressive disorder, lurasidone hydrochlo ride
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