整形外科サージカルテクニック
整形外科領域の「手術」を徹底して取り上げる新しい専門誌『整形外科Surgical Technique』。
教科書には載っていない手術のコツ、ピットフォール、リカバリー法が満載。各手術のエキスパートの技と知恵を凝縮した「手術が見える・わかる専門誌」です。
教科書には載っていない手術のコツ、ピットフォール、リカバリー法が満載。各手術のエキスパートの技と知恵を凝縮した「手術が見える・わかる専門誌」です。
Volumes & issues:
Latest Articles
-
Short Lecture
-
-
【高齢者の脊椎・脊髄外傷】頚椎脱臼骨折を伴った頚髄損傷② C3 以下の脱臼骨折に対する初期対応・手術・全身合併症対応 ①神経学的評価・重症度判定,②手術適応判断・手術プランニング
14, 1(2024);View Description Hide Description本稿では主に10 年目以下の若手医師を対象に,“C3 以下の頚椎頚髄損傷 総論”として,①神経学的評価・重症度判定,②手術適応判断・手術プランニング,③手術(術前準備〜手術手技),④頚髄損傷に伴う全身合併症への対応につき,特に手術適応・分類や手術手技にfocus を当てつつ基本的な内容を示す.
-
-
Feature 【脛骨骨幹部骨折の手術治療 基本を知って臨む】
-
-
-
Short Lecture
-
-
-
【整形外科の感染制御 CLAP(iMAP・iSAP)の知識と実践】壊死性軟部組織感染症(NSTI)に対するCLAP
14, 1(2024);View Description Hide Description軟部組織感染症は感染の深達度で分けると理解しやすい.感染が浅い表皮や真皮に起こる毛嚢炎,それが皮下脂肪に及ぶと蜂巣炎になり,さらに深部に及んで筋膜に沿って広がると壊死性筋膜炎になる.これは急速に筋肉や皮下組織が壊死になり致死的な病態をたどることもある.一方,蜂巣炎は抗菌薬の投与で治癒することが多く,予後もよい.これらの2 つを見きわめることが重要である.近年,壊死性筋膜炎は筋膜だけではなく脂肪組織や表皮など広範囲な層に壊死をきたすので壊死性軟部組織感染症(Necrotizing Soft-Tissue Infection:NSTI)の呼称になっているため,本稿ではNSTI として統一する. 整形外科感染症の治療においてContinuous Local Antibiotic Perfusion(CLAP) は新たなdrug delivery として有用性が報告されている1).本稿ではNSTI に対してiSAP(intra-soft tissue antibiotics perfusion)により抗菌薬を局所に移行させつつ,ドレナージで死腔を減らす特性を活かした活用方法を紹介する.特にベッドサイドで簡易に使えるPoint-of-Care Ultrasound(POCUS)は,術前の病態把握,術中は手技の精度の向上,術後の治療効果判定として有用である.この手技はNSTI だけではなく,すべての手術においてiSAP の配置方法,術前後の病態のモニタリングに応用できることを知ったうえで読み進めていただきたい.
-
-
Feature 【脛骨骨幹部骨折の手術治療 基本を知って臨む】
-
-
【総論】1. 脛骨骨幹部骨折総論 押さえるべき基礎知識から最近のトピックスまで
14, 1(2024);View Description Hide Description脛骨骨幹部は全長管骨のなかで最も骨折が生じやすい部位の一つである.また,脛骨骨幹部の周囲は軟部組織が薄いため低エネルギーの受傷機転でも開放骨折として救急外来を訪れることが多い.受傷後にコンパートメント症候群や脂肪塞栓症候群など特徴的な合併症が生じることがあり,入院後の管理にも厳重な注意が必要である.
-
-
Current Knowledge
-
-
【整形外科最新トピックス】骨移植のいらない骨配向性を考慮した椎体間スペーサーの開発
14, 1(2024);View Description Hide Description脊椎インプラントを使用した脊柱再建手術数は増加傾向にあり,脊椎インプラントの市場規模は年々拡大している.特に成人脊柱変形の手術治療では,椎弓根スクリューやロッドのみでなく,椎体間ケージが矯正の成否を左右する.椎間ケージ自体の性能を向上させ,より安全で低侵襲な脊柱再建手術を確立することは医療安全の観点でも重要である. 近年の脊椎インプラント市場は外資系企業が独占しており,国内医療機器メーカーのシェアは極めて少ない.物づくりをお家芸としてきたわが国が,この領域で世界のリードをとれないことは残念なことであり,ぜひ国内の研究者のアイデアをもとに国内企業がプロデュースする脊椎インプラントが世界に広まってほしいと願っている.本稿では,このような思いを共有した工学系のアカデミア,脊椎外科医,国内企業が力を合わせ,国からの支援のもと創製した新しい椎体間スペーサーの開発について述べる.本稿において,内部に骨を充填する構造のものはケージ,充填を必要としないものはスペーサーと表記する. -
-
-
Information
-
-
-
Feature 【脛骨骨幹部骨折の手術治療 基本を知って臨む】
-
-
【ベーシック】2. 脛骨骨幹部骨折の髄内釘治療① Infrapatellar approachとSuprapatellar approach 解剖から手技,適応まで:基本に戻って
14, 1(2024);View Description Hide Description脛骨骨幹部骨折に対するさまざまな治療が知られているが,なかでも髄内釘は力学的に優れており,荷重に最も抗する手術方法である.また脛骨は開放骨折などの軟部組織損傷やコンパートメント症候群をきたしやすい部位のため,軟部組織の取り扱いの観点からも,髄内釘のアプローチは低侵襲といえる. アプローチは大きく分けて,関節内を経由するかどうか,膝関節が伸展位か屈曲位かによって分かれる.古くは膝関節屈曲位によるものに限られ,膝蓋靱帯を縦割する経膝蓋腱進入法(patellar tendon splitting approach=現在のinfrapatellar approach)か,膝蓋靱帯の内側もしくは外側からの傍膝蓋腱(靱帯)進入法(paratendinous approach)が用いられてきた.その後,膝関節伸展位におけるアプローチとして1996年にTornetta1),1998年にCole2)が膝蓋骨の内側もしくは外側から関節内へ進入する傍膝蓋骨進入法(medial or lateral parapatellar approach)を報告した.2006年にCole3),2009年にRuecker4)が膝蓋骨上縁から進入するsuprapatellar approach を報告し,本邦では田島ら5)が2010年に報告して以来普及してきた.現在では,膝関節伸展位かつ関節外からのアプローチであるparapatellar approach (従来の傍膝蓋骨進入法と異なる)も普及しつつある. 本稿では基本的なアプローチであるinfrapatellar approach(IPA)とsuprapatellar approach(SPA)について述べる.
-