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酒井力
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症例
癌と化学療法
Volume 37, Issue 2
p. 347
- 350
(2010)
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7 年前から週3 回の血液透析を受けている66 歳,男性が左腋窩の腫瘤のため2006 年8 月上旬千葉県がんセンターに紹介された。CT で左腋窩に数個の腫脹したリンパ節の集塊を認めた。血清可溶性IL-2 レセプター値は47
500 U/ mL でHTLV-1 抗体陽性であった。患者の両親は九州出身。病理診断は末梢性T 細胞型リンパ腫(CD4 陽性)。臨床的に成人T 細胞白血病・リンパ腫(adult T-cell leukemia/lymphoma: ATLL),リンパ腫型,臨床病期IIと診断した。CHOP 療法を2コース施行したがまったく効果はなかった。患者は恒常的に血液透析を受けなければならなかったため,われわれはより強い治療よりも緩やかな救済療法を選択した。そこでsobuzoxane(SBZ)1
600 mg/日(分2)を5 日間経口で投与した。予期しなかったことに,その直後から左腋窩の腫瘤は急速に縮小しはじめ,4 か月後に消失した。SBZ療法は800 mg/日,3 日間として7〜8週間隔で2008年10 月まで続けられた。2009 年5 月の報告時点で患者は元気でありATLL の再発はなく,寛解は26 か月以上続いている。CHOP 抵抗性のATLL がSBZ 単独に劇的に反応した理由は明らかでないが,腎不全のためにSBZ の代謝産物の血中濃度が非常に高かった可能性と,ATLL 細胞由来の増殖因子や抗アポトーシス因子が血液透析で除去された可能性が考えられる。血液透析患者の左腋窩に腫瘤が現れ,ATLL(リンパ腫型)と診断された。CHOP 療法が無効でSBZ 単独が著効を示し,2 年以上の寛解が得られた。このSBZ の著効は腎不全および血液透析と関連している可能性がある。