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JPY
Abstract
原虫は病原性の真核単細胞生物を意味する.初期に分化した真核生物であり,系統的位置をはじめ代謝,遺伝子発現制御,小胞輸送,生活環など非常に多様な生き物である.さらに日本で生活していると実感しにくいが,原虫感染症の代表といえるマラリアは現在も後天性免疫不全症候群(AIDS),結核とともに三大感染症のひとつであり,顧みられない熱帯病(NTD)にあげられるキネトプラスチダ原虫感染によるシャーガス病,アフリカ睡眠病,リーシュマニア症ともに世界の公衆衛生上重要な感染症であり続けている.オートファジーはすべての真核生物の系統で保存しており,真核細胞の共通祖先で確立していた分子メカニズムであると考えられる.よって,多くの寄生性原虫でオートファジー関連遺伝子群が保存されているだけでなく,マクロオートファジー様の現象も観察される.さらに,寄生生活に適応して進化し獲得した独特な生物過程や生活様式に適応し,モデル生物では見出せないユニークなオートファジー関連蛋白質の機能が明らかになっている.ここでは寄生性原虫で見出されたオートファジー関連蛋白質の機能,新規薬剤標的の可能性など,高度に保存された生物過程の寄生性原虫における普遍性と多様性について紹介したい.
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