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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とサイトカインストーム─ 炎症病態からみた治療法の選択
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JPY
Abstract
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は世界を席巻しパンデミックに至った.SARS-CoV-2 はコウモリを宿主としていたが,遺伝子変異を繰り返すうちにSARS-CoV と同様にヒトのアンジオテンシン変換酵素(ACE)2 に結合するものが生じ,細胞内に感染を起こしヒト感染症(COVID-19)として成立するようになった.これに対して生体は自然免疫系の反応を起動させ,IL-6,IL-1β,IL-8,TNF-αなどの炎症性サイトカインやG-CSF,IP10,MCP1 などのケモカインを産生・放出し,炎症状態を形成する.しかし,COVID-19 では過剰炎症によりサイトカイン放出症候群(cytokine releasing syndrome:CRS)を生じ,過度の炎症病態,過大な酸化の進展,免疫系の破綻などにより多臓器不全に至ることが明らかになった.過剰な炎症状態は持続的ストレスによるミトコンドリア機能不全を招来し,ミトコンドリアDNA を含むミトコンドリア破砕産物や損傷した細胞はDAMPs(damage-associated molecularpattern) として過剰炎症の慢性化に関わり,呼吸器感染はARDS,血管内皮細胞障害と凝固線溶系の破綻からDIC に至り,中枢神経障害,腎不全,肝不全と多臓器不全に至ることになる.治療にはSARS-CoV-2 の抑制にファビピラビル,ACE2 の機能阻害にナファモスタットなどが考えられているが,CRS という病態認識の下に,抗IL-6 受容体拮抗薬(トシリズマブ)などの抗リウマチ薬やミトコンドリア機能改善のためにメラトニンが奏効する可能性がある.本稿ではこれらについて,中国からの報告などを交えて検討する.
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