Abstract
近年,電子カルテや検査結果,患者報告アウトカムなどのリアルワ-ルドデ-タ(RWD)が,医薬品評価や医療政策に資するリアルワ-ルドエビデンス(RWE)として注目されている.しかし,自由記載中心のリアルワ-ルドデ-タは構造化されておらず,「適合性」や「信頼性」の担保が課題となっている. 大規模言語モデル(LLM)は,非構造デ-タから診断や治療情報を高精度に構造化し,FHIR の規格に基づきデ-タを整えることで,デ-タ標準とインタ-フェ-スの標準化を実現し,複数施設間のデ-タ統合や国際共同研究の互換性を向上させる.また,デ-タの欠損や記録傾向を分析することで,構造化の精度や適切性を評価・改善するとともに,構造化後に医師によるレビュ-が行われているかどうかも確認でき,その情報をFHIR のSecurity タグやConsent リソ-スに記録することもできる.これにより,抽出プロセスのトレ-サビリティや説明可能性が高まり,プライバシ-保護や倫理的ガバナンスの確立も支援できる. 今後は,LLM とFHIR の連携による構造化・標準化が,RWD 解析とRWE 創出の効率化に不可欠な技術基盤となると期待される1,2,3,4).