No data available.
Please log in to see this content.
You have no subscription access to this content.
The full text of this article is not currently available.
冠動脈疾患を合併した末梢動脈疾患患者に対するベラプロストナトリウムの治療効果
Rent:
Rent this article for
JPY
Abstract
間歇性跛行を主体とした軽症の末梢動脈疾患(peripheral artery disease:PAD)の治療には運動療法が基本となるが,冠動脈疾患(coronary artery disease:CAD)を高率に合併するため運動療法に制限がかかる場合や間歇性跛行自体による歩行の限界などの問題点がある。この解決策としては薬物療法の併用により安全にかつ有効に運動療法が施行されることが望ましい。間歇性跛行を緩和する作用のあるベラプロストナトリウム(以下ベラプロスト)は抗血小板作用や血管拡張作用などを有しており,PAD 患者の自覚症状の改善に加えて,心血管イベントの抑制効果も報告されている。本臨床試験では,CADを合併した PAD 患者 11 例にベラプロストを3 ヵ月間投与し,歩行障害の改善について歩行障害質問票(Walking Impairment Questionnaire:WIQ)を用いて評価し,あわせて循環動態に及ぼす影響についても検討した。その結果,WIQスコアにて痛みの程度,歩行距離,階段を上がる能力のスコアは有意に改善した。一方で,足関節− 上腕血圧比(ankle brachial pressureindex:ABI),脈波伝播速度(pulse wave velocity:PWV),augmentation index(AI),高感度C 反応性蛋白(hs−CRP)には,有意な変化を認めなかった。また,ベラプロストは収縮期,拡張期血圧,心拍数に影響を及ぼさず,CAD 合併例においても安全に投与できた。以上の結果から,ベラプロストは CAD を合併した PAD 患者においても間歇性跛行を改善し,かつ安全な治療法であると考えられた。
Full text loading...
/content/article/0289-8020/31040/597