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JPY
Abstract
CAS 術中に生じる頭蓋内血栓症は,手術手技にかかわる合併症と考えやすい。ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)による頭蓋内血栓症と判断することで,この重篤な合併症から回復することができた,まれな 1 例を報告する。症例は脳梗塞と高血圧の既往がある 70 歳,男性。脳血管造影検査で両側内頸動脈起始部狭窄を確認し,45 日後,全身麻酔下に CAS を実施した。全身ヘパリン化後の最初の造影で,治療側の内頸動脈から中大脳動脈,前大脳動脈の分枝に血管壁に沿う平板な陰影欠損を多数の箇所で確認した。術前からアスピリンとクロピドグレルの内服を行い,ACT は 300 秒とヘパリンの抗凝固作用は十分に効いている状態であった。オザグレル Na の追加点滴加療を行いながら CAS 終了直後の造影で血栓症の進行を確認した。この段階で HIT による血栓症を強く疑い,術中に血小板数を測定すると術前 36.3 万が 26.3 万まで減少し,ヘパリンを中止して,アルガトロバンの点滴を開始した。術直後に認めた右片麻痺と完全失語は,3 時間後には急速に改善した。術後2 週間アルガトロバンの点滴加療を行い,以後ワルファリンの内服に切り替えた。自覚症状は術後 2 ヵ月で消失し,神経脱落症状を残すことはなかった。血管内手術中の血栓性合併症にHIT の可能性を考えておく必要がある。
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/content/article/0289-8020/31040/609