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JPY
Abstract
高血圧診療の根拠として,大規模介入試験および大規模(追跡)調査は臨床的な意義が大きい。高血圧関連の心血管疾患のリスクおよび降圧薬による抑制効果は,それらの成績やメタアナリシスを基礎に評価しており,これらの評価を科学的な実証の根拠として高血圧管理指針を作成し,日常診療を行っている。しかし,大規模臨床試験には技術的な制約があり,その臨床応用には不満や批判も多く,試験成績はきわめて重大な疑問に答えていないとする指摘もある(Mancia G, 2006)1)。多くの場合,試験期間は2–6 年であるが,実際の高血圧診療は数十年継続されることが多いため,とくに低リスク高血圧患者の評価には試験期間が不十分である。最近,わが国でも大規模臨床試験が相次いで発表されているが,試験方法は従来欧米諸国で多く用いられてきた二重盲検法ではなく,PROBE (Prospective Randomized OpenBlinded Endpoint design) 法が採用されている。また,評価項目にハードエンドポイントのみならずソフトエンドポイントを加えており,研究者のイベント報告にバイアスが入り試験成績へ影響することも危惧されている。また,新規糖尿病発症がエンドポイントとされることも増えているが,耐糖能低下など代替指標の心血管イベント予測能は必ずしも高くない。しかし,血圧管理に加え耐糖能低下,高脂血症管理などの総合評価が今後の検討課題になると考えられる。本稿では,降圧薬治療に関する大規模臨床試験成績の評価上の問題点を述べる。
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/content/article/0289-8020/32010/9