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L 型 Ca 拮抗薬投与中の高血圧患者の下肢浮腫に対する L/N 型 Ca 拮抗薬への変更の影響
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JPY
Abstract
Ca 拮抗薬(CCB)は降圧薬として広く使用されているが,日常診療において副作用と思われる下肢浮腫をしばしば経験する。L/N 型 CCBシルニジピンは基礎実験において,N 型 Ca チャネルを阻害することで細静脈を拡張させると報告されていることから,臨床において下肢浮腫を起こしにくい可能性がある。今回,高血圧のため L 型 CCB(アムロジピン,ニフェジピンCR,アゼルニジピン)を含む降圧薬の投与中に下肢浮腫を呈した患者 26 例(年齢 74±12 歳,男性 8 例,女性 18 例,肥満,糖尿病および慢性腎臓病はそれぞれ 20 例,8 例および 14 例に合併)を対象に,L 型 CCB をシルニジピンに変更することで下肢浮腫が改善するかどうかを検討した。下肢浮腫の変化は視診・触診・患者自身の感想より評価し,「改善」,「不変」および「悪化」の 3 段階で判定した。シルニジピンへの変更前後(6.2±3.9 週,2~16 週間)で収縮期血圧,拡張期血圧,血清クレアチニン,推算糸球体濾過量および尿蛋白にはいずれも多少の変動がみられたが,それぞれの平均値には有意な差は認められなかった。一方,下肢浮腫においてはシルニジピンへの変更後 26 例中 18 例(69.2%)に改善がみられたが,不変および悪化例がそれぞれ 7 例および 1 例存在した。改善がみられた症例の内訳は,変更 2 週後で 1 例,3 週後 1 例,4 週後 12 例,8 週 1 例および 12 週後 3 例で,約 8 割(14 例)の患者で変更後 4 週間以内に改善がみられた。今回,下肢浮腫が改善した症例と改善しなかった症例の患者背景を比べたところ,改善しなかった群では変更前腎機能の低下例が多く,変更後血圧が上昇傾向にあった。以上の結果より,L 型 CCB 投与中に下肢浮腫を認めた患者において,L 型 CCB から L/N型 CCB の変更によって多くの症例で改善がみられたことから,L/N 型 CCB は下肢浮腫の少ない優れた降圧薬であることが示された。
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