Therapeutic Research

Abstract

目的：ARB とカルシウム拮抗薬との配合錠は，JSH2009 にて推奨された降圧薬 2 剤併用時の望ましい組み合わせの一つであり，また服薬アドヒアランスを改善することから，降圧不十分な高血圧患者において効果が期待される。今回，われわれは高血圧患者における，candesartan8 mg と amlodipine 5 mg の配合錠の早朝家庭血圧に及ぼす影響を検討した。方法：降圧薬内服中の高血圧患者 93 名に対し，薬剤変更前 1 ヵ月間の早朝家庭血圧，脈拍数の平均，および外来随時血圧，脈拍数を求め，採血を行った。candesartan 8 mg と amlodipine 5mg の配合錠に変更 3 ヵ月後の過去 1 ヵ月間の早朝家庭血圧，脈拍数，および外来随時血圧，脈拍数を求め，再度採血を行い，有害事象の検討を行った。結果：candesartan，amlodipine から配合錠に変更後，平均早朝家庭血圧は有意に低下した。candesartan8 mg（朝）および amlodipine 5 mg（朝）の 2 剤からの切り替えにおいても配合錠に変更後，平均早朝家庭血圧は有意に低下した。candesartan8 mg（朝）および amlodipine 5 mg（眠前）の 2 剤からの切り替えにおいても，平均早朝家庭血圧は有意に低下し，58％の患者において 5mmHg 以上の平均早朝家庭収縮期血圧低下を認めた。重篤な有害事象は認めなかった。また，腎機能障害，肝機能障害，貧血は認めなかった。結語：candesartan 8 mg と amlodipine 5 mg の配合錠は高血圧患者に対して，安全で有効な降圧作用を示した。